BUNGEI-BU3|#シロクマ文芸部
「詩と暮らす気はないかな」
「やっぱ、小説。原稿用紙の世界かな」
相変わらず中途半端な作品しか書けない能戸高校文芸同好会の自称部長と会長の会話だ。
最近、一年の読書家な会員が詩を投稿し、会誌を盛り上げている。会誌を発行するときだけ顔を見せる幽霊会員の女子もそうだが、本を読んだり読んだ後に妙な積み方をする一年の男子も、意外と健筆だ。
「僕は小説など書いたことがなくて… 詩みたいなものなら書いたことあるけれど、人に見せたことないから恥ずかしいです」
初心者ならば、自分たちの小説よりも出来は劣るだろう…と高をくくっていたが、なかなかロマンティックだったり情熱爆発的だったりと表現が自由で面白いものだった。
「詩か… 詩も良いかもな」
「小説より字数が少なくて済みそうだし」
二人は詩を書いてみようと思い、テーマを考えた。そろそろ冬も本格的になることだし『冬』を感じさせる詩を創ることにした。
「一年生に負けないでね」
幽霊会員の女子に応援されたようだ。凍てつく夜空に煌々と輝く月… に見守られているような気がして、ちょっと勇気が湧いてきた。
[約800字]
期待の新人デビューの巻。どんな作品(詩)を書いたのかわかりませんが、上級生に発破をかけたようです。でも…上級生には詩は向いていなかったようで😅
期待の新人登場の回はこちら ↓