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ウチの彼ピはインプレゾンビ|#うたすと2(約1000字)
歌のイメージからの創作… 参加させてください。
ある日ミコちゃんは、とにかくあり得ない夢をみた。いつもおひさま幼稚園で忍者の修行をしているケンちゃんと結婚するみたいな夢だった。本当に訳がわからない。そんな夢のお話とは…
🥷🧟🥷🧟🥷
夢の中でケンちゃんは、眉毛がすごく太くて髭の生えた大人になっていた。ミコちゃんもバラをデコったネイルやピンクのメッシュエクステが似合う大人になっていた。
「私はあなたのそれが好きです」
なんか変な日本語だったけど、普段は忍者の修行してるケンちゃんだし、ケンちゃんの告白ならそんなもんか…と思った。でも、ミコちゃんがOKの返事をする前にいきなりスマホを出して、誰かとメッセージ交換しだした。相手は誰よ!なんなの?このお上品なお嬢様アイコンの相手は。そして、ミコちゃんを無視しての鬼リプ。
それでもミコちゃんは負けない。ケンちゃんは自分の彼ピなんだから、自分だって負けないくらい万バズってやるわ!って。
先生や太郎くんたちが「やめろよ」とミコちゃんに言う。あら、いつの間に集まったのかしら。そしてみんなはケンちゃんのことブロックしているそうだ。なんでだろう。
「それはあなたに面白いからです」
相変わらずケンちゃんは変な日本語で語りかけてくる。面白い人の周りに人が集まるのは当然よね…とは思うが、眉毛が太くて髭の生えたケンちゃんの顔は相当に面白い。いや面白いを通り越して変だ。いや、それ以上に今までケンちゃんだと思っていたけれど、やっぱり誰なんだろう… わからない。
ケンちゃんだと思っていたから変な告白の言葉も一応受け入れたミコちゃんだけど、どこの誰だかわからない人ならどうしたら良いのだろう。彼ピの正体を誰か教えて欲しいと誰彼かまわずメッセージを送る。インプレッション、ほーみたい。
大人ならこういう時、弁護士さんに相談するということを思い出したミコちゃんだった。少しホッとしてお腹も空いてきた。知らない人になったケンちゃんとは別れて、一人焼肉に出かけた。
生ビール飲んでハイボールも頼んで…でも中身はなんとなくジンジャエールみたい。焼肉はやっぱりタンよりもカルビよね、と思うミコちゃん。大人になったら肉ばかりじゃなく野菜も食べなくっちゃ!チョレギとか。野菜嫌いなケンちゃんは無理そうだけど… って、何で別れた彼ピのことを思い出すのだろう、と思うミコちゃんだった。
焼肉を焼く煙の向こう側に、忍者姿で印を組むケンちゃんの顔が浮かんだ… と思ったら目が覚めた。
毎週ショートショート note でお世話になっているたらはかにさんの所で書かせていただいている『おひさま幼稚園』シリーズネタで書いてみました。