【SS】下道一組|#毎週ショートショートnote(裏お題)
春になり、僕は地元の中学へ進学した。仲良し二人も一緒だ。苗字が似た雰囲気なのが縁で仲良くなったが、きっかけなんてそんなもんだ。
入学式の日、クラス発表の紙を見た。
「お前、何組?」
「俺、二組」
「俺は三組…」
「僕は一組だよ… 全員バラバラだな」
「まぁ、クラス分かれても仲良くしようぜ」
「「おう!!!」」
入学式が終わったら、クラスで自己紹介する番だ。僕は一組。下田や下山とは、また後で会おう。
「下道 創です。◯◯小学校出身で、サッカーが好きです。宜しくお願いします。」
すると、一部でどよめきが… 理由はすぐにわかった。
「下道くんと同じ漢字で下道と言います。あ、名前も同じ『はじめ』ですが、僕は漢字の一です。△△小学校出身で、空手をやってます。」
僕は外道くんと、すぐに仲良くなった。下田も同じ組に霜田が、下山は「上山という人がいた」と喜んでいた。
僕のクラスは一部で『げどうぐみ』と呼ばれるようになった。
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クラス替えの時って、仲良しが同じクラスかも気になるけれど、自分と同じ苗字や名前の人って気になったな… と思い出しつつ。
結婚する前の苗字は、良くある苗字ベスト10に入っていたし、名前も平凡だったから、さすがに同性同名はいなかったけれど、どっちかかすっている人はたくさんいました。