【SS】結婚式ゾンビ|#毎週ショートショートnote
象は毎日空を見上げて、自由に天を舞うトンビを見つめていた。
「僕の肩にとまってお話しないかい?」
象がトンビに声をかけると、一羽が舞い降りてきた。
「あなた、いつも見ているわね。なんで?」
「空を飛んでいる姿が素晴らしくて、大好きなんだ。」
トンビはそんなことを言われたのは初めてなので、思わず頬を赤らめてしまった。
「あなたもどっしりとして、とても頼もしく見えるわ。」
象もそんな言葉は初めて聞いたので、胸がキュンとした。
二人はとても仲良しになった。象が歩いて行く先にトンビも空からついて行き、たくさん旅をした。
ある日、集落の跡みたいな所に着いた。
「ここは?」
「結婚式やお葬式をする教会よ。」
トンビは大雑把な説明をした。すると象は
「僕、もうすぐ天国へ行くと思うんだ。その前に…トンビさん、大好きです。結婚してください。」
「はい。」
二人で教会に入り…永遠の眠りについた。
象の背に羽が生え、共に天に昇る。
「象のトンビだ。」
「ゾンビね。」
[410字] 博士出番なし
ゾンビを創作してみました。
自分で書いていて切なくなってきました。