【SS】初めての鬼②|#毎週ショートショートnote
「研究所で納涼お化け大会を開催し、我々のブースが『鬼』を担当って本当ですか?博士!」
植物学者の木下に、助手の井上は質問した。地域交流イベントはいろいろ開催しているが、今回のは初めての企画である。一体誰が立案しているのやら。でも、決まってしまったものなら仕方がない。
「なあ、井上。名前に鬼のつく植物の紹介をして『鬼を探そう!』コーナーにしたらどうだろう?」
「それは面白そうですね。スイレン科オニバス属のオニバスや、ユリ科ユリ属のオニユリとか、鬼の付く名前の植物はたくさんありますからね。たくさん紹介して、ビックリしてもらいましょう。博士!」
博士と井上は、鬼の名が付く植物、例えばオニバスなら萼の鋭い棘の見本をさわらせてみたり、外来種のアメリカオニアザミの猛烈な繁殖力の危険性を教えたり、オニグルミの試食会をしてみたり…
とても人気だったが、某アニメのキャラコーナーと勘違いする子も多くいた。
[406字]
某アニメ… 鬼の付く名前のアニメだったり、オニが付くモンスター(オニ◯リルとか)が出るアニメだったり。
博士と井上のいる研究所って、年がら年中地域交流のイベントしている気がします。でも、そんな環境も博士と助手は好きで働いているのでしょうね。