【SS】強すぎる数え歌|#毎週ショートショートnote
風が冷たくなってきたけれど、おひさま幼稚園では元気な園児たちの声が、今日も園庭に響き渡っている。
いつもは忍者の修行ごっこをするケンちゃんや太郎くんも、最近は大縄跳びに参加している。縄が左右に揺れ歌に合わせて縄を跳び、引っかかった人は縄を持つ係になる。
「一羽の烏がカーァカア」
「二羽の鶏、コケコッコ」
「三は魚が踊りだす」
「四は白髪のおじいさん」
「五はご褒美いただいて」
「六はロッパの禿頭」
「七は嬉しい七五三」
「八は因幡の白うさぎ」
「九は救急、救急車」
「十でとうとうおしまいだ」
だいたい四や六のところで、みんなは引っかかる。
「白髪のおじいさんなんか嫌だ〜!」
「ロッパの禿頭って何だよ!」
確かにロッパの禿頭って意味がわからない。歯が六本とか、そういうことかな。跳びながら歌っているうちに、歌詞への不満合唱になる。歌声も大きくなり、縄を揺らす速さも早くなってくる。
「四はシュッシュッ手裏剣だ」
「六は牢屋に入れられた」
替え歌も生まれてきた。
[415字] noteエディター数
私が子どもの頃(当時新宿区在住)の縄跳びの歌です。「ロッパの禿頭」って意味がわからなかったですが、みんなそう言って歌っていました。ネットで調べてみても、そんなふうに歌う人たちいなかったみたい???私たちだけ?そんな印象が強すぎる数え歌を書いてみました。
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