レストラン山猫亭|#完成された物語
山奥で迷子になってしまった二人組。
「あ、レストラン山猫亭だって。」
「入って帰り道を聞こう。」
二人は扉を開けた。すると扉があり『いらっしゃいませ。手を洗ってください』の掲示があった。
「衛生面に気を遣った店だな。」
「山奥だからな。」
手を丁寧に洗い、扉を開けた。するとまた扉があり『クリームを塗りましょう』の掲示と、ハンドクリーム(バニラの香り)が置かれていた。
「なんか変だぞ?」
「僕たち、食べられるとか?そんな話、ありましたよね?」
「冗談じゃない!」
二人はレストランから脱出できた… が、ちゃんと人里に戻れたかは別の話。
レストランの奥では山猫のようなヒゲの生えたコックとウェイターが談話していた。
「広告が足りないからお客が来ないんだよ。某名作を真似てウケるつもりも、逃げちゃったしセンスも足りない。」
「お金が全然足りないから、こんな山奥でないと店が持てなかったんだ。しょうがない。」
☆
料理店って聞いて真っ先に頭に浮かんだのは宮沢賢治の『注文の多い料理店』でした。で、『注文の足りない料理店』を考えてみたけれどできなくて… こんな作品となりました。
アイデアはいろいろ浮かぶけれど、文字数縛りが難しいです。でも、それも楽しい!
面白いお題をありがとうございました。