【SS】理科室まがった②|#毎週ショートショートnote
「井上は理科室をまげたことがあるか?」
植物学者の木下は、時々変なことを言う。
「理科室を曲げるって、どういう意味ですか?物理的にということなら、無理に決まっているでしょう。博士」
「あ、言葉が足りなかったな。理科室って大体、化学部や物理部とかの部室になっていただろう?我々のような生物学好きな仲間が集う部室になるよう、話を曲げたことはあるか聞いたんだ」
助手の井上は、博士の言いたいことをやっと理解した。
「僕も生物部でしたが、標本等の資料のある理科準備室が活動場で、別に話を曲げなくて充分だったから…ところで、何でそんなことを知りたいのですか?博士」
「我々の研究室を、もっと広くするための参考になれば…と思ってな」
確かに、数々の標本陳列やら苗床やら花や草木が茂っていたりと、狭さや雑然感は否めない。しかし…
「曲がった考えより、博士の机の周りを片付けるだけでも、かなり作業場は増えると思いますよ」
[410字]
博士、言葉を端折りすぎ😅そして、散らかしすぎ😭
井上はまがったことは嫌いみたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?