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【SS】無人島生活福袋|#毎週ショートショートnote

「おい、今こそアレを使う時なんじゃないか?」
「アレか?確かに…」

勇者四人組は小高い丘の上で魔物たちと戦っていたがそれは敵の罠で、急に潮が満ち丘はアッという間に離小島となり魔物たちは消えた。

「しかし見事に俺たちしかいない無人島だな」
「大海原のど真ん中だぜ」
「でもコレさえあれば、なんとかなりそうだな」
「コレが役に立つ日が来るとは…」

勇者たちは『無人島生活福袋』を出した。いつか化け物カニを倒した時に偶然手に入れ、アイテムの面白い名前に惹かれ持ち続けていたのだ。

「何が入っているんだろう」
「美味いものがあるといいな」
「安心して眠れるものも欲しいな」
「本も読んでみたいな」

魔物退治を忘れ、無人島と化した丘の上でいかに楽しく過ごせるか…に心が移った。

剣を一振りすると福袋はあっさり開き、中から手紙と瓶が三つ出てきた。

無人島から脱出することを考えろ!

瓶を開けると閃光が走り、頭上には巨大な「S」「O」「S」の輝く文字が浮かび上がった。


[412字]

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