
Photo by
shinobuk
ある日の放課後|#シロクマ文芸部
珈琲と抹茶とどっちにするって、当然珈琲でしょ。それもカタカナ書きのインスタントみたいなコーヒーじゃなくて、こだわりが詰まった感の漂う漢字書きの珈琲一択で。だって私たちは究極の味の求道者なんだから。
ミルクは入れるかって、最初から入れるのは無しでしょ。まずは珈琲自身の色、香り、味を楽しんでから、ミルクなり砂糖なりを各自で好きにしたらいいと思うわ。
さあ、究極の珈琲とみんなが持ち寄ったお土産を一緒に味わいましょう!
あら、今日はケーキが多い。モンブランがあるわ。ちょうど栗の季節ですもんね。このマロンペーストは珈琲に負けない美味しさだわ。ショートケーキもあるし、生クリームもてんこ盛り。さっき、事前にミルクとか入れなくて正解だったかも。
和菓子もいいわね。最中の皮が珈琲に溶ける時の食感が、なんとも言えないわ。控えめな餡の甘さは珈琲にも合うみたい。みたらし団子のモチモチ感も絶妙な感じだわ。
あった!これよ、コレ!ラーメンの麺よ!!中細麺と珈琲が絡み合って… 生クリームの香りが、麺独特の臭いを消して、食べやすくなっているわ。不思議な食感。私たちが求めているのはコレよ。
あら、また仲間の数が減ってしまったわ。入会希望者は多いのに残る人が少なくて、なかなか同好会から脱却できないけれど、強者だけが残る…弱肉強食の道と考えれば、それもまた良しということで。
能戸高校の家庭科調理室で、ひと月に一回程度活動される闇鍋グルメ同好会の、ある日のひとコマ。
[約650字]
能戸高校シリーズを広げちゃっている感じ…😅