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【SS】夜からの手紙|#毎週ショートショートnote

「タエのところは仕事依頼ばかりね」

書類の振り分けをしていた同僚から、ため息混じりの言葉がもれた。

「ここは仕事場よ。他にどんな手紙が来るの?」

「通訳の仕事をして海外にも足を運んでいたら…ほら!ラブレターが届くこともあるわよ」

同僚は、私信と思える横文字で書かれた封筒2通をヒラヒラと私に見せた。

「なるほど。でも、仕事依頼にかこつけてラブレターを仕込ませてくる人もいるからご心配なく」

「そう言えばいたわね、タエの大ファンが!植物学者のローディー教授だっけ?」

「そうよ。今日は彼の上司からの書類は無いみたい」

「そっか。まぁ、頑張ろう!」

今日の書類には、植物学者木下教授からの通訳依頼があった。そして中に助手の井上名義の封筒も入っていた。タエは昼間の勤務時間ではなく、夜、家で読んだ。

彼のデザインしたTシャツが気に入り友だちの分も追加購入した際、1枚サイズを間違えて納品されたことの謝罪文だった。

「ラブレターだったらもっと嬉しかったのに」

窓の外の夜景を見ながら呟くタエだった。

[433字] 字数オーバー

1ヶ月ぶりの博士と助手シリーズ。
相変わらず進展がありそうで無さそうな二人の近況?物語です。なんとか進展させたい…😅

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