【SS】唐揚げ死なず|#毎週ショートショートnote(裏お題)
「遠足のお弁当に何を入れて欲しい?」
「卵焼きと唐揚げ!」
小さい頃から唐揚げはハンバーグよりも好きだった。
「はー、部活終わった。なんか食ってく?」
「ケンタ(ッキー)行こうぜ」
学生時代は弁当に唐揚げがマストだったが、学校帰りにもフライドチキンを食べるくらい好きだった。
「社食の日替わり定食は…」
「お!今日は唐揚げか。それにしよう」
社会人になっても相変わらず唐揚げは大好物で、店に入ったら必ず唐揚げ(とビール)を頼んだ。どこの店の唐揚げが一番とかではなく、どんな唐揚げでも美味いと思った。
そんなわけで「唐揚げくん」とたいてい呼ばれていた。
「あの… 私の作ったお弁当、よかったら…」
初めて弁当…それも唐揚げがいっぱい入った弁当を作ってくれた彼女に惚れて結婚をした。
子どもたちも唐揚げ大好きに育ったし、孫からは「唐揚げじいちゃん」と呼ばれた。
人生が終わる時…棺に唐揚げを入れるよう遺言した。
死ぬまで唐揚げ愛は止まず。
[403字]
主人公の愛の順位一番は徹底して『唐揚げ』で死守…そんな訳のわからんお話でした😅