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riemekko
【SS】穴の中の君に贈る②｜＃毎週ショートショートnote
「…… 以上で、私の発表を終わります。」
会場は割れるような拍手でいっぱいだった。
植物学者の木下慎一郎博士は、地球温暖化の影響でいわゆる雑草と呼ばれるイネ科の植物の分布が、どのように変化しているかを調査している。農作物を効率良く収穫するには、雑草を駆除しなくてはならない。温暖化により雑草の生育が早まり、種を飛ばす時期も変化しているので、適切に対応しなくてはならない。博士の鳴らした警鐘は、会場にいる全ての人に届いたであろう。
「博士、博士の研究は本当にすごいです。僕は博士と共に働けて幸せだと強く思います！」
助手の井上は、心の底から博士に労いと感謝の言葉を届けた。
植物学という、少し特殊な学問の穴の中にいる二人に、またもや通訳で参加した立方は「Exellent！」と最高の笑顔を贈った。
［359字］
穴というか、沼の中にどっぷり浸かっている博士と井上を温かく見守り、通訳という立場で応援するタエちゃん…の図です。立方 体（たちかた たえ）ちゃんは、中学時代の井上の一年下の後輩です。