【SS】男子宝石②|#毎週ショートショートnote
学会の準備に余念のない植物学者の木下と助手の井上だが、着ていく服装について今は悩んでいた。
「スーツで良いのだろう?井上。」
「そりゃそうですが、クリーニングは済ませましたか?あと、Yシャツやネクタイは新調した方が良いかもしれません。博士!」
二人はデパートへ出かけた。普通の白いYシャツを買い、ネクタイもほとんど無地に見えるドット柄にした。買い物終了…と思ったら、店員が声をかけてきた。
「お客様、タイピンやカフスボタンはいかがですか?」
「そう言えば、今までしたことないな。」
「良かったらこちらに。こちらの男子宝石は、人気がございます。」
ショーケースを覗くと、キラキラしたものがいろいろ並んでいた。その中で一番気に入ったものを買った。店員はビックリしていたが…
小さな野花のピンブローチだ。
[366字]
学会へ行く準備真っ最中の博士と助手です。来週あたり、行くことができるのでしょうか?(お題による)
男子宝石を横文字風にしたら、それほど変な言葉に感じなくなりました。(変って…)
博士が選んだのは、シロツメクサと四葉のクローバーのピンブローチ…かな。