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【SS】手加減無用鍋|#毎週ショートショートnote(裏お題)
「きのごがまだ入っていね」
「ネギも足んね!」
アメリカから学会のために来日した植物学者ハナ・ヘンダーソン教授と共に木下博士と助手の井上、通訳の立方は、鍋料理で接待していた。奇しくも木下・井上・立方の三人は同郷:山形の出身。更に、井上と立方は同じ中学の先輩後輩の関係だった。ついお国訛りが出てしまう。
「What’s language ?」とハナ教授。
「Sorry, Pf.HANA. It's Yamagata dialect.」
多少は日本語に通じているハナ教授も違和感を覚えたようだ。
「Is this hotpot dish not ready yet ?」
「Yes. There aren't enough mushrooms in it yet.」
「舞茸どごえっぺ入れると美味いなだや」
「その前に味噌で味付けさねと」
博士と助手は味噌味にするらしい。山形(庄内地方)の郷土料理:芋煮である。
無事に完成した鍋を囲んで、今度は日本の食用キノコについて英語と山形弁で語り合うのだった。そしてデザートには立方さん手作りのブッシュドノエルが出される。
[517字] ルビ編集分含む(英語にルビって…)
ローディー教授は参加しないで、いつもの仲良し?メンバーでの鍋パーティーとなりました。
学生時代に部室前の共用広場?で、芋煮会がしょっちゅう行われていたことを思い出しながら書いてみました。半分闇鍋(でも食べられるもの)状態でしたが、あの里芋やゴボウの美味しさは忘れられません。