【SS】執念第一｜＃毎週ショートショートnote

その書道展でひときわ注目を集めた作品は、『執念第一』と書かれたものだった。

筆の根本まで使ったかのような力強い文字が、縦長の半紙いっぱいに、たっぷりと情念を込めながら筆を運んだように書かれている。

作者の高校2年生の女子に、インタビューが行われた。

「書初めで、本当は『謹賀新年』って書く予定でした。でも突然「金きんが信念」という言葉が浮かんだのです。」

「金が信念？オリンピックですか？」

「わかりません。そんな「金が信念」から「金が第一」、いや「信念第一」では？信念？新年？執念？… そして、気がついたら一気に書き上げていました。」

「ほぉー、「しんねん」という言葉から、さまざまなことを連想し、「執念第一」という言葉を創造されたのですね。」

「お恥ずかしい話です。」

「いや、そのとことん想像し続けたところに、執念を感じました。」

［377字］　　　博士出番無し
毎週ショートショートnote一周年おめでとうございます🎉🎉🎉🥳
毎週のお題をワクワクドキドキハラハラしながら確認し、うわ〜！とかアチャ〜！とかエェェ…とかポカンとか、はてさて思いながら書くのが楽しいです。
410字の枠の中で、物語をどう動かして落とすのか…とても頭を使うし面白いです。まだまだ修行が足りませんが、これからもお付き合いさせていただきたく思います。

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