【SS】泥に網歯色|#爪毛の挑戦状(こちらも㊗️2周年)勝手にお祝い中
たらはかにさんの『毎週ショートショートnote』2周年が盛り上がっていますが、私にとって爪毛川太さんの『爪毛の挑戦状』も大事なコーナーです。
2021年の11月、noteの企画コーナー『ショートショートnote』が終わってしまい、ロス感に囚われていた私にとって、たらはかにさんと爪毛川太さんの新コーナーは神からの啓示のようでした。爪毛さんのお題は… 特に目次の項目4は…😅 それでも書きました。何か吹っ切れた感が生まれました。
最近はご無沙汰して申し訳ないのですが、そんな爪毛さんに感謝の意を込めて項目7の番外編②の中の単語の中から、たらはかにさんの『台にアニバーサリー』と似たような響きになる物を選んで…『泥に網歯色』なる不思議なタイトルで考えたいと思います。
※ 台(だい)→(でい)→泥(でい)→泥(どろ)
という訳で、泥(どろ)となりました。
『泥に網歯色』
「あー、何か違う。これじゃない!」
李小龍(リシャオロン)はキャンバスに叩きつけるよう絵の具を載せるが、筆が進まない。パレットに新たな絵の具を捻り出し混ぜてみるが、それでも思うような色は生まれない。
李小龍は、『夢』を描く画家として一部で熱狂的なファンがいる画家である。彼のミソキンシリーズは、そこにあるのにみえないものを描くという、非常に不思議な世界だ。この時は、儚げな水彩絵の具を使い、見えるか見えないかギリギリの線で描いていた。
今、彼はまた違う『夢』を描こうとしている。朝起きて、とんでもなく怖かった夢を見たことだけ覚えている…そんなような気持ちを描きたいのだ。
「怖くて逃げたいのに思うように体が動かなくて、もう少しで捕まって食べられそうな… 魚じゃないのに網に絡まり、サメのような歯で齧られそうな… 泥々のケラチンの塊のような中で溺れている感じは… そうか!泥を使えばいいかも」
李小龍は泥と絵の具を混ぜて書いてみた。
「そうだ!こんな感じだ!」
そこには正になんとも言えない世界が広がっていた。そして泥が乾き、はがれ落ちる度に描き足さねばならない永遠に完成しない絵となった。
[501字]
爪毛さんの作品にちょっと絡めて書いてみました。
爪毛川太さん、いつも楽しい作品をありがとうございます。最近あまり絡めずにいますが、gif画が自由自在に描けるようになって凄いな!と面白がっております。
来年もよろしくお願いします。
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