【SS】ポチとタマ|#ストーリーの種
ポチという猫と、タマという犬を飼っている。
名前の由来は、長い話になる。
隣の家で子犬が三匹生まれ、里親を探していた。
三匹には人気アニメのキャラクター、『乱太郎』『きり丸』『しんべヱ』と仮の名前が付けられていた。
とても元気よく走り回る『きり丸』が可愛くて、お母さんに飼いたいとお願いをした。
朝晩の散歩や餌やりの面倒をちゃんとすることを約束して、きり丸を譲ってもらい、飼うことになった。
きり丸はとても可愛いかったが、「きり丸!」と名前を呼んでも『誰のことですか?』みたいに振り向いたりもしなかった。
「乱太郎!」とか「しんべヱ!」と呼んでも同様。
お母さんが「タロウとかポチは?」と呼んでみたけれど、やはり反応がない。
冗談で「タマ!」と呼ぶと…なんと驚いたことに尻尾を振り「ワン!」と鳴いて飛び込んできた。
いろいろ名前を呼んでみたけれど、タマという名前にしか反応しない。
タマという名前が気に入っているようだ。
仕方がないので、『忍たま乱太郎のきり丸』を略したことにし、タマと呼んでいる。
ちなみにフルネームの「忍たま乱太郎のきり丸!」と呼ぶと、尻尾だけパタパタ振る。
「ちびまる子のたまちゃん!」と呼ぶと、お座りをして尻尾を振る。
そして「サザエさんのタマ!」と呼ぶと、何故か怒る。
一応『犬である』と自覚はあるようだ。
さて、猫のポチは… 本当は『ポムポムプリンのチョコ』という名前だった。
小学校の帰り道で元気のない子猫を見つけて看病し、そのまま飼うことになった。
先に犬のタマがいたので、タマと仲良しになって欲しくて、妹が「ポムポムプリン(犬のキャラクター)の仲間みたいにしよう。」ということで、新たにチョコという猫キャラを生みだし、名付けた。
「チョコ!」と呼んでみたが、気に入らないのか無視をする。
でも妹は、どうしてもポムポムプリンの世界を覆したくはなかった。
「ポムポムプリンのチョコ!」と呼ぶと「ニャア」と返事をした。よし!
しかし、毎回ポムポムプリンのチョコと呼ぶのは少々面倒くさい。
「ポムチョコ!」でも返事をしてくれた。
「ポムチ!」でも返事をする。
試しにもっと縮めて「ポチ!」と呼んだら、今までで一番可愛い声で「ニャア」と鳴き、顔をこすりつけに来た。
それからはみんなにポチと呼ばれるようになった。
ポチは家族みんなに愛され、犬のタマとも仲良くやっている。
ポチとタマの名前の由来、ご理解いただけたでしょうか。
また久々に、Sheafさんの『ストーリーの種 』からお題をいただき書いてみました。
冒頭の2行が、お題です。
文中や文末でも、どこにでも使って良いとのこと。
良かったら、皆さんも書いてみませんか?