【SS】秘密警察を宣伝してみる｜＃毎週ショートショートnote

園庭から元気な声が響くおひさま幼稚園も、連日の猛暑で外遊びは自粛している。

いつもなら忍者の修行ごっこに明け暮れるケンちゃんや太郎くんも、室内では折り紙で手裏剣を作って投げる程度しか遊べない。

「ケンちゃん、つまんないね」
「太郎くん。今まで修行したことを使って、みんなの平和を守ることしないか？」
「え？警察みたいなこと？」
「そう！秘密の警察かな」

二人は意気投合し、まず自分たちのマークを考えた。画用紙にクレヨンで星みたいな手裏剣を描き、更に「ひみつけいさつ」の文字も加えた。ただ「つ」の文字が鏡文字になっていたので、「ひみくけいさく」とも読める。

「何を描いているの？」

ミコちゃんや他の友だちが集まってきた。

「みんなのこと守る秘密警察のマークを考えてるんだ」

意気揚々とマークを見せる。

「字が間違ってるよ。でもカッコいい！」
「私も入りたい！」

マークの宣伝効果は抜群だった。

［404字］

久々のおひさま幼稚園で書いてみました。
今は夏休み中だから…この話は夏休み前ということで。

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