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ほぼ独り言な記事|#シロクマ文芸部

『冬の色』という歌があったな…と、思い出した。

昭和の歌謡曲全盛期な頃、大人気だった花の中3トリオのデビュー三番手、山口百恵の7枚目のシングルレコードだ。この『冬の色』が彼女のオリコン初一位獲得曲らしい。それより前に出ていて有名な『青い果実』や『ひと夏の経験』よりも順位・売上げが上とはビックリ。けれど、ちょっと過激な話題性を意識した曲より、一途な乙女の恋心を歌う曲の方が彼女には合っていたと思う。

『冬の色』の歌詞には、冬の色という単語は全く出てこないし、冬っぽいものも登場しない。改めて歌を聴いたり歌詞を読み直しても、一見どこにも冬の欠片が見られない。曲名だけ…?

あなたから許された口紅の色は
からたちの花よりも薄い匂いです

冬の色/作詞:千家和也 作曲:都倉俊一

色に関係するのは、歌い出しのココしかない。しかも、色の話しなのに匂いで説明している。からたちの花は白いし、咲くのは春。匂いは…柑橘系だろうか。炬燵でミカンな感じで冬なのだろうか?

あの歌が流行っていた時には疑問に感じなかったけれど、約50年も経ち振り返ってみると不思議な気持ちが湧いてくる。

口紅の色が冬の色… 白なのだろうか。白い口紅って…それはリップクリームではないだろうか。確かに冬、唇の乾燥を防ぐために女学生はリップクリームを使う。ほんのりと花の香りとか果実系の香りがするものもある。

高校生くらいのカップルの、初々しく純粋な恋心を歌った歌なのかな…と思った。彼に好かれたくて、もっときれいになりたいけれど、赤やピンクの本物の口紅よりもリップクリームのままで良いという彼に安心感を覚えている雰囲気。キスもまだ未体験だけれど、そんなことは関係ない。彼が悲しんでいたら私も一緒に涙を流すし、もしも死んでしまったら私もすぐに後を追うことだろう。彼を想う気持ちは揺るぎない。彼が他の誰かと遊んでいても、待つことができる私…  って!? もしかして片想い?


「ねぇ、ちょっと見て!口紅つけてみたんだけど…」

「似合わねぇことすんなよ。お前はリップクリームで十分だろ」

「やっぱり?へへへ」

気になる片想いの彼に、ちょっと背伸びして化粧した顔を見せたけれど、お前はリップクリームで十分だと言われてしまった。でも、そんな会話ができただけでも幸せ。私にはリップクリームが一番似合うんだ… ほとんど素のままで良いんだわ。うふふ。



『冬の色』の歌詞から、自虐妄想女子の話を考えてしまった。なんて寒いお話になってしまったのでしょう…


[約1000字]

懐かしい歌を思い出してのエッセイというか…何なのでしょう?この記事は。文芸の影も形も見られないわ…

#シロクマ文芸部
#冬の色

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