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【SS】失恋墓地②|#毎週ショートショートnote

「井上は、花壇を作るのが上手いな。」

植物学者の木下は、研究所の花壇の手入れをする井上に声をかけた。

「博士の芋畑作りには負けます。」

新種の芋や稲(たまにカボチャ)を栽培しては、かなり豊作にする博士の腕前は確かだ。自分のはちょっとしたガーデニング…そんな気持ちになる。

「それは、スベリヒユ科スベリヒユ属のポーチュラカではないか。寒さに弱い花だが、今植えて大丈夫なのか?井上」

「品種改良して、早咲きするか…試しています。」

「それは楽しみだな。」

井上は花を植えながら、中学時代のことを思い出していた。

井上は3年ずっと美化委員で、花壇整備の担当をしていた。2年の時に隣の組の美化委員の女子と仲良くなったけれど、結果として失恋した。中3の時の花壇整備は、きれいな花の下に敗れた恋心を埋めていた…そんな感じだった。

ポーチュラカの花言葉は「いつも元気」そして「自然を愛する」。

今の井上は…元気だ。


[410字]

井上の失恋話しがネタ元になっています。でも、もう引きずっていない様子。きっと中3の時に、花壇に埋めてしまったのでしょうね。

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