君にしか見えない|#完成された物語
高校の文化祭で、コスプレ大会が開催された。みんな思い思いの格好をしている。
平安絵巻の和装で登場したイケメン。
「きゃ〜!光源氏様だわ。」
「源氏の君にしか見えないわ〜!!」
赤い蝶ネクタイに黒眼鏡… あの姿は!
「そっくり〜」
「コナン君にしか見えないよ〜!」
俺は『何でも有りだな』と、いつもより気合を入れて衣装や髪型を整え参加してみることにした。
「なんだ、山田じゃないか。」
「どう見ても、山田君にしか見えない…」
「何がしたかったの?山田?」
いや、俺は確かに山田だけどさ、一応…現役アイドルだぜ?紅白にも出た 白鳥麗示 だよ。ちょっとサービス精神出して、アイドル姿を披露したのに、なんという言われようだ…
「僕たちはね、君のこといつも心から応援しているよ。歌や踊りが上手くて、気配りができて…さっきのもサービスのつもりだったんだろ?気なんか使うなよ。僕たちには、山田、君は君にしか見えないんだ。」
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得意?のゴリ押し路線から、最後には一応正しく「君にしか見えない」を使いました。
とても楽しいお題でした。