MYP Personal Projectの意味
高1の息子、Personal Project(PP)をやり抜いた。
MYPにおけるPPは、MYP4年間の集大成。この期間で学んだ学習スキルを活用して、Productを作り、それを自分で作った評価軸で評価するというもの。
夏休み明けに提出しないといけなかったものを、息子は、本当に提出締め切り日の前日夜中になんとか仕上げた。
実はこのPP、DP生の中には「これで頑張ってもDPの成績に何か加味されるわけでもない。だからいい成績を取る必要もない」という人もいる。
そしてこれは多分真実。
ただ、今回息子がやり遂げるまでの過程を見て、PPは学ぶことを集大成するには素晴らしい機会だとつくづく思った。たとえこの評価が将来何も考慮されないにしても、ここでやったことは絶対に後の人生で生きてくると思った。
まず、PPのトピック。
これが、本人の「『好き』を爆発させたもの」でいい。つまり自分の好きなテーマをとことん突き詰めていい。正直そうでもないと「なぜこのテーマをとりあげるのか」といったレポートの冒頭から書けることがない。逆にこの「なぜこのテーマをやるのか」をとことん考えることで、自分の価値観を深堀できる。将来の進路を考えるときの原点が見つかる。
そしてその過程。
レポートの書き方として、冒頭の「なぜこのテーマ」から始まり、何をするのか、それについて自分がどのような評価軸で評価するのか、そして実際の評価結果などを書く。この構成も将来の論文作成に役立つし、なにより、自分で評価軸を作成して自分がやったことを評価するというところが、メタ認知能力を高めるのにふさわしいと思う。
最後に、これを行うタイミング。
MYPの最後、集大成として行うというところにやはり意味がある。これからDPに進む人、キャリアプログラムに進む人(日本ではまだこの課程はないが)、通常の日本の教育課程に進む人、いろいろいるだろうが、つまりは一つの区切りであり、こういうものを節目でまとめるというのは、自身の成長のためには間違いなく有効だと思う。
息子は自分が大好きなテーマを選んで、こちらが驚くほどのとんでもない集中力で仕上げた(もっと早く始めてくれればよかったのに…と思ったのは内緒)。終わるのか、提出できるのかヒヤヒヤしたし、途中、本人も辛そうだったので「テーマ、もう少し楽なの選んでもよかったかもね?」と水を向けてみたら、「いや、後悔してないよ」という一言。
うん、大人になった。
多分、最後はかなりやっつけ仕事になったから、評価はあまりよくないのではないかと思う。
でも、これを自分の好きなテーマで情熱をもってやり遂げたこと自体が、本人の糧になるに違いないと思った。
将来の成績に影響する・しないなんて関係ない。とても貴重な経験をさせてもらったと思う。