【ご利用団体様レポート】「働く理由」を見つめ直すキッカケに─会社の20周年を記念した研修合宿の舞台裏
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ライムリゾート箱根では企業や団体様の研修やセミナーをホテルを丸ごと一棟貸切にして開催することが出来ます。新型コロナの規制が様々緩和され、組織のチームビルディングとして合宿型の研修を行う企業も増えています。他の企業や団体様はどのような研修やセミナーを開催しているのか、どのような目的で実施しているのか、ここだけのエピソードなどをご紹介していきたいと思います。
2023年に設立20周年を迎えたプライム・スター株式会社では、コロナ禍が空けた2023年春、現場社員からの一声をきっかけに箱根での1泊2日の合宿を開催。事務局を務めた久保由美子さんに、企画の工夫や実施後の組織の変化を聞きました。
きっかけは、社員のひと声だった
──合宿開催のきっかけは何だったのでしょうか?
実は2023年春頃に、とある若手の営業メンバーが社長と雑談していて、「業務以外でもコミュニケーションをとれる場がほしい」「運動会がしたい」という話があったんです。
コロナ禍も落ち着き日常を取り戻しつつある頃だったのと、ちょうど2023年は会社が創立20周年記念を迎える年でもあったので、組織を越えて交流できる全社イベントを行えたらということで企画が始まりました。
──社員の方の声からスタートしたんですね。では改めて、合宿の目的を教えてください。
大きく2つあります。
1つ目は、相互理解を深めること。私達の会社は大規模な組織ではないものの、6つの部署があり担当が細分化されています。
業務上つながりがある部署ももちろんありますが、仕事で関わるメンバーは固定されがちでした。
組織を越えて交流することで、会社全体が話しかけやすい雰囲気になればいいなと思いました。
もう1つは、従業員の内省です。私は人事総務部なので従業員からキャリアの相談を受けることがあるのですが、日々目の前の仕事に集中しているがゆえに、働く目的や自分は何をしたいのかを見失いがちな社員もいました。
普段の業務から離れて自分自身を見つめ、仕事の意義や自分の気持ちを発見できる時間にしたい。そうすることで、職場でももっと力を発揮できるようになると思ったのです。
仕事では見られない表情も……「おとなの図工プログラム」
──1日目の午後に、「おとなの図工クラブ」というプログラムを実施されましたよね。どういった経緯で実施することになったのでしょうか。
コワーケーション.comさんに合宿中にできるアクティビティの相談をして、コンテンツの候補をいただいたんです。ミニ運動会やみんなでヨガ、瞑想、ワークショップなどいくつか提案いただいた中に「おとなの図工クラブ」がありました。
これは、参加者が自由に絵を描いて対話を行うというアートセラピー的要素があるプログラムなのですが、年代や性別、体力、国籍などに関わらず、みんなが素になってできそうなプログラムだなと思い、実施を決めました。
──具体的にはどんなことをしたのでしょうか。
講師の方からテーマが与えられ、クレヨンや絵の具などの画材を自由に使って抽象的な絵に表すことをやりました。テーマは2つあり、1つ目が自分自身の内面を表すテーマ、2つ目が事業や仕事にまつわるテーマでした。
個人ワークをした後に、グループごとに発表タイムがあり対話する流れで進めていきました。
──実施してみて、印象的だったことは?
私は事務局側だったので外から様子を見ていたのですが、みんなものすごく真剣で楽しそうに取り組んでいました。仕事中には見られないような表情もたくさんありましたね。
実はプログラム開催前は、参加者の方から「何をやるんですか?」「絵は苦手なんでイヤです…」など少し不安に思っているような声もありました。
でもあえて詳細は伝えすぎずにフラットに参加してもらったところ、すごく楽しかったようです。
部長クラスの方も、最初は少し恥ずかしそうにやっていたのですが、力量を発揮してすごく素敵な絵に仕上げていたりなど、みんなの意外な一面が垣間見えるプログラムでした。
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ゆるやかにつながり合う場所で親睦を深める
──他に、2日間の中で工夫したことはありますか?
夜の懇親会では、みんなで楽しめる企画として抽選会を行いました。司会は私がやるのではなく、あえて新人の社員にやってもらって、とても盛り上がりました。
フリー時間ばかりだとどうしても顔見知りのメンバーとの会話に落ち着いてしまうので、全体で盛り上がれるような企画を盛り込みました。
──今回の開催先は「ライムリゾート箱根」ですね。合宿で利用してみてどうでしたか。
館内の作りが回廊型になっていて、どこからでも人の空気が感じられるというか、出会いやコミュニケーションのきっかけになる仕掛けがたくさんある施設だと感じました。
そんな開放的でゆるやかにつながり合える場所の影響もあってからか、2次会も盛り上がり、当初の目的の1つでもある、相互理解や親睦を深めることができました。
合宿開催後の「思わぬ変化」とは
──参加者の方からはどんな声がありましたか?
長期出張で九州に行っていた社員で、 「どうしても合宿に参加したい」と箱根まで強行で来てくれた人がいました。
その方からは、開催後に「新しいエネルギーとパワーをもらった」とメッセージをもらいました。
また当日は、ちょうど台風と重なってしまいあいにくの天候だったのですが、「プライム・スターが創立20周年迎えるまでに大変だったことを連想させるような天気だったけれど、みんなで同じ場所で同じ時間を分かち合えたことが素敵な思い出になった」という言葉もありました。
──それは大変嬉しい言葉ですね。企画側はほぼお一人ということで苦労もあったかと思うのですが、みんなが楽しめるように工夫したことを教えてください。
今回は特に「参加してもらう」ことを推進しました。
合宿のような大勢が参加する会には、どうしても参加したくないなと思う人もいます。でもその理由は、結構些細なことだったりもするので、対象社員へのフォローアップを丁寧にすることを心がけながら進めていきました。
例えばお風呂が共同なことが嫌だという声から、お風呂付きの部屋を貸し切り風呂のように利用できる仕組みにしたのも工夫の1つです。この「ちょっと嫌だな」を取り除くことってすごく大事なのではと思っています。
開催後、社内の変化を感じていることはありますか?
今まであまり交流がなかったメンバー同士が社内で話している姿をよく見かけるようになりました。
あとは、入社歴が浅い人たちが、合宿前は少し遠慮がちだったのが、合宿を通じて自分らしさを発揮できるようになったのか、活き活きと仕事をしている印象です。
また、合宿前の 5月ぐらいから人事施策として他部署間での1on1を開始したのですが、合宿後はより社員同士が積極的に行うようになったのも意外な効果でした。
全社的に心理的なハードルが取れて、フットワークが軽くなった感覚がありますね。
じわじわと効果が表れているんですね。最後に、合宿実施の感想と今後やってみたいことを教えてください。
通常業務がある中での企画運営だったので大変さはありましたが、合宿中の参加者の楽しそうな表情を見ると、やはり嬉しさが込み上げてきましたし、自分自身にとってもプラスになることが多いイベントだったなと思っています。
今回実施した「大人の図工クラブ」もそうですが、スマホやパソコンに囲まれる仕事・生活の中で、デジタルデトックスする時間も必要だろうと思っています。
次の合宿では、お寺でマインドフルネス体験をするようなこともやってみたいですね。従業員の気付きのきっかけになるような企画をこれからも考えていけたらと思っています。
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