長すぎる雨

　気が付けば洗濯物が溜まりすぎていて、着るものが無くなってしまった。なので私は新しく服を買う。シャツだけ。私は部屋干しがすごく嫌い。部屋干し用洗剤を使っても、部屋で干すのが嫌い。

　私は尋常じゃなく汗をかいてしまう人なので、少しでも部屋の臭いを取り込みたくもないし、生渇きになりそうな状況を作りたくない。何よりこの手の臭いは汗と混じると戻ると信じて疑わないので、何が何でも部屋で干すのは嫌いなのだ。

　しかし、これだけの雨、新しくシャツを買う事で無理やり避けてきた部屋干し。遂にタオルの方が底をつきそうになり、私は我慢比べを辞めた。所詮私は人間だから、自然の力になんか勝てはしない。かつて某バンドが野外ライブを決行する時に、現地で大雨になることが決まっていたものの、雨を降らせたくないという願いで空に乾燥剤か何かを撒いて、無理やり晴れにして強制的に決行したという逸話が残されている。つまり、どこかで予定されていなかった雨が降り、その現地の人は切れていたことだろう。

　同じように私もそろそろ空に乾燥剤を撒きたくてしかたがないのだが、私の財力ではこの雨を止めることなど出来そうにない。

　だから私は結局洗濯をした。オッサンの汚い汗と結晶を洗い流す為に。しかし、部屋ではどうしても乾かしたくなかったので、人生で初めてランドリーを利用した。

　今回思ったことは、もうこの国は自然乾燥に頼る事が出来ないのかもしれない。常に家に居て、常に天気を見ていられるような環境でない限り、天気予報だけではもう難しいだろう。否、そもそもこれだけの雨が毎日続いていたら、もはや予報なんか関係なくて、1秒足りとも外干しをするチャンスなどないのだ。

　乾燥機を導入している家庭は多いのだが、私も乾燥機を買わなければならない日が近いのかもしれない。