沙花叉ショックと思うこと

ああ、またか…

沙花叉クロヱが引退を宣言しました。
別にそんなに推してたはずじゃないのに、あくたんのとき以上にめちゃくちゃショックを受けています。
あくたんの卒業に際しては、(本人はそうではないかもしれませんが)6年近くやりきったという大団円感もあって、送り出す気持ちもしっかり持てました。
ところが沙花叉は、3周年というめでたい場で卒業を発表し、それが遠回しに運営方法への問題提起のような内容であったことからも、不完全燃焼のような印象を抱きました。
それに個人的には、自分の推しであるかなたそが沙花叉を凄く可愛がっていたのもあって、もう"かなクロ"や"かな建"といった絡みを見られないのも辛いです。
何より、同期のココ会長、推しのあくたん、後輩の沙花叉と、何かと縁の深かった人物が次々と去ってしまうかなたその気を思うと、居た堪れない気持ちでいっぱいです。

沙花叉の魅力は、何よりも繊細に人格や感情を示す多面性のある歌声だと私は思っています。この唯一無二の歌声は、売り方次第ではきっと"星街すいせい"に近いブランドを得たとのではないでしょうか。
そもそも音楽に造詣が深い彼女は、純粋にアーティスト的な立ち位置になりたかったのではないかと推測されます。
ところが、彼女は燻っていました。

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よく「運営側に好き嫌いがあって、贔屓されている組と冷遇されている組がある」という通説が出回りますが、私はこれ、順序が逆だと思っています。

タレントそれぞれが夢や目標・配信スタイルをマネージャーに伝える一方で、組織の巨大化でその先がうまく共有伝達されておらず、結果的に遅滞や意志の齟齬が起こっているのではないでしょうか。
イメージするならば、組織が小さい頃はタレントと会社の窓口が短い電話線で繋がっていたのに、今やサーバールームのケーブルのように会社内の無数にコードが通じていて、しかも誰がどこに通じているのか、会社さえも分からないような状態になっているのだと思います。
ですので、「贔屓されている」と思われているホロメンは、企画の発案・運営等を繰り返すことで担当部署の洗い出しとパイプを開拓し、迅速に連絡できるホットラインを築くことが出来、結果として、「冷遇されている」ホロメンに比べてやりたいことへのスピード感や実現可能性に差が生まれたのではないでしょうか。そこには会社である以上、当然多少の贔屓や優先順位の差は出てくるかと思いますが。

タレントには個々に才能こそありますが、パイプの作り方、コネの回し方などは素人ですから、苦手だったり不慣れなタレントにとっては、自分の意向が一向に反映されず、よく分からない仕事ばかりが振ってくるような環境にならざるを得ません。
(なお個人的に、この辺りが上手だなと思うのはやはりすいちゃんで、根っこが技術畑の会社であることを理解した上で上手く運営を揺さぶり、手持ちカメラやライブでの変身パフォーマンスを実現しています。その手腕たるや経営者にもなれるなぁとさえ思います。)

また、組織が巨大化すると、会社として収益を稼ぐためのプロジェクトが複数出てくると思いますが、そこでリーダー同士の権力争いやキャラクターIPの重複利用が発生し、タレントに負荷がかかってきます。
その辺りのタスク管理が、先ほどの個人目標と同様、会社内での共有がされないままマネージャーに丸投げされてしまい、タレント一人一人の仕事量が溢れかえっているのではないかと推測します。

ここで問題なのはマネージャーというよりも、運営側が、組織がでかくなりすぎるあまり、タレントのキャパシティや目標を把握出来ていないことにあります。
会社にとってもタレントは商品であり、現状のカバーは商品のスペックやコンセプトを理解しないまま、とにもかくにもキャラクターIPに昇華しようと躍起になっている節が見られますが、商品価値を見いだせていないので会社発案だと思われるプロジェクトはだいたいコケがちに見えます。
例えばコミカライズでは、毎回壮大なストーリーを打ち立ててif世界線のホロメンを登場させていますが、私はそんなことよりも配信の延長上にある「ホロライブ4コマ日常編」が見たいです。
運営主導のユニットも色々ありましたが、結局のところ"しらけん"のような配信の延長ユニットから育む方が、色んなコラボにつながっていて好感度も高いように思います。

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色々もやもやを吐き出してしまいましたが、沙花叉もあくたんも、上記のような上手いルート形成をあまり出来ないまま、目標とは関係のない仕事ばかりを押し付けられ、労力だけが削られていったのだと思います。

ただしカバーという会社は、今やIPで稼いでいる上場企業ですから、こうした仕事をタフにこなさなければならないというのも一理ある話です。
しかしながら、ストリーマーという鮮魚のような存在を、鮮度を無視したIPという産業に落とし込むビジネスモデルは難しいんだぞ、というのを運営も把握すべきタイミングかもしれません。
といつのもホロライブの魅力は、リアルタイムで変動するタレント同士の関係性にあります。先ほどの通り"かなクロ"にはじまり"かな建"になり…といった関係性の変化が、常にコンテンツを創造しています。だからこそ私はホロライブを追っていますし、それくらい関係性の変化は一番の魅力であり、なによりIP化では表現できない部分でもあります。事実、だからこそmiComet、ペコマリ等はベストユニットになっています。
そうしたVtuberの一番美味しい部分をもっと上手に調理していく必要は十分あると思います。

そして、そもそもYouTubeのようなプラットフォーマーを目指しながらも、タレントを擁しコンテンツ制作もする、というカバーの方針は、いささか風呂敷を広げすぎです。ベンチャー仕草だなぁとは思いますが、そりゃ人も慢性的に足りないはず。
せめてセクターを分けて分社化する、タレント所属・育成を事業委託する等しないと、共倒れになる可能性だってあります。


長々とぼやきましたが、沙花叉は特に家庭事情も複雑と見られ、本当にVtuberという不安定な職で暮らしていくかとか、色んな心労があったんだと思います。
人生リセットボタンをポチッとして頂いて、どうか理想の未来へ羽ばたいていかれることを願っています。勝手な推測ですが、彼女は普通にアーティストとしてやっていけると感じていますので、どのような姿であれ、またYouTube上で出会いたいですね。

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