コースを学ぼう!-part12-【東京芝2400m】
こんばんは!限界化競馬Vの碧馬らいむです🍀🐴
ここでは競馬場のコース毎の特徴や押さえておきたいポイントについて記載しています!普段何気なく見ているレースも、コース形態や特徴を把握して見ていると面白い部分があったり、レースの振り返りや馬券購入のヒントに繋げられる部分もあります✏️📖
「ここはこんな特徴があるんだ!」と思っていただければ嬉しいです✨
さて、今回は日本ダービーやジャパンカップの舞台でもある東京芝2400mについてまとめました✍🏻
過去のデータについても記載していますので、競馬に詳しい方も競馬初心者の方も少しでも参考になれば嬉しいです…!
🟢コースの概要🟢
コースの全体像
東京芝2400mは観客席側からスタートし、一周してゴールを迎える中距離コースです。最後の直線は525.9mと新潟競馬場外回りコースに次ぐ2番目の長さとなっており、ゴールまで激しい攻防が繰り広げられます。
春にはオークスや日本ダービーといった世代の頂点を決めるGIが行われるコースで、秋には国際GIジャパンカップが開催されます。
🔴押さえておきたいポイント🔴
①直線が長く末脚も重要なコース!
東京競馬場は直線が525.9mと長く、JRA全10場のなかでも新潟外回りコースに次ぐ2番目の長さです。
そのため中盤でペースが緩みスローペースになりやすく、直線での速い末脚が問われるコースです。
東京コースはコーナーが緩やかで器用さは求められないため、コーナーでの加速が苦手な不器用なタイプの子が小回りコースで差しきれず東京コースに替わって巻き返し…など、直線での末脚を武器としている子が走りやすい舞台ですので、近走どこでどんな走りしているかに注目です…!
②GIレースはそれぞれ求められる適性が変化する…!?レース毎の背景にも注目!
このコースはオークス、日本ダービー、ジャパンカップと3つのGIが行われるコースですが、レースによって重視するポイントは変化します。
オークスや日本ダービーは中盤でペースが緩み直線での末脚が求められる点は同じですが、オークスは3歳牝馬限定戦で特にタフな条件となっています。3歳牝馬路線は主要レースが1600mで開催されるため、牝馬限定の中距離レース自体が多くありません。そのため殆どの子が初めて2400mを経験することとなります。
一方3歳牡馬路線は中距離レースの開催も多く、日本ダービーが開催される週に仮柵が移動しCコース替わりとなるため馬場が高速化しスタミナだけでなくスピードも必要となります。
詳しくは各レースのポイントで後述しますが、レースによって重視するポイントが異なる点は意識しておきたいです…!
📊データ編📊
データは2017年1月〜2022年5月8日の期間に行われた東京芝2400mの結果を集計しました!✏️
(集計時に単勝50倍を超えるオッズのお馬さんは除外して集計させていただきました。理由は一頭馬券内に絡むだけで回収率の数字に大きな変化が現れ、正確さに欠けると思ったためです。)
🐴枠順別成績🐴
14頭立て以上
内枠の好走が目立っているように見えますが、外枠の成績が大きく下がっているわけではなく全体的に好走ゾーンはバラけており枠順の有利不利が少ないコースです。
広いコースでコーナーが緩やかなこと、中盤はペースが落ち着きやすくコーナーでペースアップしないため、外を回す負荷が小さくなりやすく外を回すデメリットが他の競馬場よりも少ないコースです。
しかし、枠順の差が大きくないコース形態ということは馬場の影響を受けやすいということにも繋がります。
特に日本ダービーが開催される週は仮柵が移動しCコース替わりとなるため注意が必要です。
内を通った方が有利な馬場ならば内枠を重視する、馬場が荒れて外を通った方が有利な馬場ならば外枠の子を狙うなど、開催毎に馬場のコンディションを見極めることも大事なコースです…!
🐴脚質別成績🐴
14頭立て以上
逃げ馬の回収率は高いものの、他場と比較すると差し追込の好走率が高くなっています。その分先行馬の回収率は低めの数字となっており差しが届きやすいコースです。
直線が長くコーナーが緩やかな東京とは反対の特徴を持つ中山芝2000mと比較してみましょう。
〜4コーナーでの位置取り・東京芝2400m〜
14頭立て未満
14頭立て以上
〜4コーナーでの位置取り・中山芝2000m〜
14頭立て未満
14頭立て以上
中山は東京よりも直線が短く、コーナー角もきついコースです。
その中山と東京を比較すると、逃げ先行馬は中山が、差し追込馬は東京が好成績となっていることがわかります。
このことからも東京は最後の末脚が求められやすく、反対に中山は前で立ち回れる力が必要ということがわかりますね…!
(東京芝1600mのコース解説で記載したことと重なりますが、これを応用すると東京で先行して差されてしまった子を中山で狙う、反対に中山で差し損ねた子を東京で狙う、といった考え方ができますね…!)
🐴種牡馬別成績🐴
勝利数1位はディープインパクト、2位はルーラーシップ、3位はハーツクライとなっており、ランキング内はリーディング上位の種牡馬、そして中長距離での活躍が目立つ種牡馬が並びました。
1位のディープインパクトは高い好走率だけでなく回収率も優秀で、末脚を活かしやすいこの舞台が合っていることが成績からもわかります。
産駒は重賞でも活躍が目立ち、今年の青葉賞ではプラダリアが4人気1着、ロードレゼルが2人気2着とワンツーを決めたほか、昨年のジャパンカップではコントレイルが1人気1着、シャフリヤールが2人気3着、ダービーではシャフリヤールが4人気1着、オークスではアカイトリノムスメが2人気2着と好走しています。
ディープインパクト産駒は今後少なくなってしまいますが、これからは母父ディープインパクトに注目しておきたいです。
今年の青葉賞ではエターナルビクトリが6人気3着、昨年のダービーではステラヴェローチェが9人気3着と人気薄で好走しています。
ただ注意したいのは出走機会自体が多いためベタ買いではプラスにならない点です。
ディープインパクトの血を持っているから!と闇雲に買うのではなく、能力や他のポイントも重視した上で判断していきたいです。
2位のルーラーシップは好走率が高く、単勝回収率も優秀な成績となっています。
産駒は青葉賞で好成績を残しており、今年はエターナルビクトリが6人気3着、昨年はワンダフルタウンが3人気1着、2019年はリオンリオンが5人気1着と好走しており、GIでは2018年のジャパンカップでキセキが2着と好走しています。
ルーラーシップ産駒は中距離で長く脚を使える産駒が多い反面、速い末脚が求められた時にキレ負けしてしまう面もありスピードが求められる日本ダービーよりもスタミナや総合力が問われる青葉賞やジャパンカップで好走する傾向にあるのも特徴です。
8位のロードカナロアは5勝をあげ高い単勝回収率となっていますが、このうちの3勝はアーモンドアイ、2勝はゴールドギアが挙げているもの。
ロードカナロアは短距離での活躍が目立つ種牡馬でこのコースは出走機会自体多くありませんが、この距離をこなせるかどうかは慎重に判断したいです。
これからの活躍に期待したい種牡馬はゴールドシップ。
昨年のオークスではユーバーレーベンが3人気1着とGIでも好走し、産駒全体としても高い好走率を残しています。
ゴールドシップ産駒は平坦コースを得意(急坂コースを苦手)とする子が多く、この舞台は得意としている産駒が多い印象です。
🍀注目種牡馬…ディープインパクト、ルーラーシップ、ゴールドシップ
🐴平均ラップ🐴
参考として古馬1勝クラス、オークス、日本ダービー、ジャパンカップ、そして全レースの平均ラップをグラフにしました。
グラフを見ると、ジャパンカップ以外は中盤でペースが緩み、後半3Fの末脚勝負になっていることがわかります。
そのため基本は直線で一気に加速する瞬発力、末脚のスピードが求められるレースとなっています。
また、中盤でペースが落ち着くため折り合いも大事な要素です。
ジャパンカップは中盤も緩みないラップとなっていますが、これはキセキがペースを緩めず大逃げをした影響もあり実際はもっと中盤が緩むレースです。
しかし古馬混合のGIということもあり、オークスや日本ダービーほどペースは緩まず総合的な能力の高さが求められるレースとなっています。
先程押さえておきたいポイントで述べたことと重なりますが、レースによって微妙に重視するポイントが変化する点は意識しておきたいです。
🐎人気薄の好走例🐎
これらを踏まえて実際に人気薄の子が穴をあけた例を見ていきましょう。
穴をあけた例①
2022年4月30日(土)
東京11R 青葉賞
エターナルビクトリ 6人気3着(単勝10.1倍,複勝3.2倍)
本馬は未勝利戦を勝ち上がるのに4戦を要しましたが、どれも速い上がりを見せており末脚は安定しているタイプでした。
前走は小回りコースの中山で差し切って勝利しており、今回はより末脚を活かしやすい東京コース替わり。後方から上がり最速の末脚で追い込み3着と好走しました。
また、父はこのコース&レースと相性のいいルーラーシップ、母父はディープインパクトでした。
-買い要素-
・デビューから速い上がりを計時し続けている
・前走小回りコースで差し切り→広いコース替わり
・ルーラーシップ産駒
・母父ディープインパクト
穴をあけた例②
2021年5月30日(日)
東京11R 日本ダービー
ステラヴェローチェ 9人気3着(単勝40.2倍,複勝5.5倍)
本馬は皐月賞3着馬で、東京コースに替わる今回は大きく人気を落としていましたが、過去には速い上がりも使えており2歳時には高速馬場の朝日杯FSでも好走とマイルにも対応できるスピードを持っている子でした。日本ダービーはCコース替わりで馬場が高速化する影響もあり、スピードも問われるレースです。
また、皐月賞3着を筆頭に世代トップレベルの相手と戦ってきており、能力の裏付けもありました。
また、母父はこのコースで注目のディープインパクトでした。
-買い要素-
・速い上がりを使えるタイプ
・重馬場だけでなく高速馬場での実績あり
・ハイレベルなレースを経由
・母父ディープインパクト
〜まとめ〜
○長い直線が特徴のコース!坂もあるものの、他場の急坂コースほどの勾配ではないため、パワーよりもスピードが求められるコース!
○直線が長くコーナーも緩やかなため、枠の有利不利が少ないコース!そのため馬場の影響を受けやすく、馬場状態の変化に注目!
○直線が長く差しが決まりやすいコース!他のコース、特に差しが届きにくいコースで差し損ねている子に注目!
○直線の長い末脚が求められるコースで、ディープインパクト産駒の好走率は高い!これからは母父ディープインパクトにも注目も、出走機会自体が多いため取捨は慎重に!
○注目種牡馬はルーラーシップ、これからの活躍に期待したいのはゴールドシップ!
○基本は中盤でペースが緩み直線の末脚勝負になるため、速い末脚が問われるコース!ただしレースによって問われる適性が変化する点に注意!
🍀青葉賞のポイント🍀
このレースで問われる能力・要素・傾向は
○最後までバテずに走り切る持続力
○直線でのトップスピード
○内枠有利
○やや差し追込有利
○人気馬が強い
○能力重視
東京芝2400mは最後の直線が長いことからスローペースになりやすく、直線での速い末脚が求められるコースです。
スローペースなら一気に加速する瞬発力、ペースの緩みがないと最後までバテずに走り切る持続力が求められますが、どちらも速い上がりが求められるため直線でのトップスピードが重要となります。
最初のポイントは内枠有利です。
○1〜4枠
【4-3-4-25/36】
勝率11.1% 連対率19.4% 複勝率30.6%
単勝回収率74 複勝回収率95
○5〜8枠
【1-2-1-40/44】
勝率2.3% 連対率6.8% 複勝率9.1%
単勝回収率3 複勝回収率17
このレースは開催2週目に行われるため、まだ芝は荒れておらず内の優位性がある馬場コンディションになりやすいのが特徴です。外枠の馬はロスが大きくなりやすいため、内枠の活躍が目立つレースとなっています。
特に7〜8枠は鬼門となっており、2023年はアサカラキングが4人気14着。2022年はレヴァンジルが1人気5着、ジャスティンスカイが3人気11着。2020年はフライライクバードが2人気8着と、外枠は人気を裏切るケースも目立ちます。
基本は外すぎない枠を引いた馬を狙いたいレースです。
続いてのポイントはやや差し追込有利です。
○初角5番手以内
【3-2-0-25/30】
勝率10.0% 連対率16.7% 複勝率16.7%
単勝回収率72 複勝回収率34
○初角6〜9番手
【1-0-3-14/18】
勝率5.6% 連対率5.6% 複勝率22.2%
単勝回収率27 複勝回収率53
○初角10番手以下
【1-3-2-26/32】
勝率3.1% 連対率12.5% 複勝率18.8%
単勝回収率5 複勝回収率69
○前走1勝クラス以上のレースで、初角4番手以下から上がり最速で3着以内に好走
【2-1-3-9/15】
勝率13.3% 連対率20.0% 複勝率40.0%
単勝回収率44 複勝回収率156
このレースは主に皐月賞に出走できなかった馬や、2000mでも距離が短いようなタイプの馬が集まるレースとなります。レースの流れ自体はスローペースになりますが、早めに加速していきたい馬も多くなりやすいため、後半のペースアップが早くなりやすく差し追込馬の活躍が目立つのもこのレースの特徴です。世代限定戦ではレースへの経験値も強みとなるため、前走控える競馬で速い上がりを使えていた馬には要注目です。
続いてのポイントは人気馬が強い点です。
○1〜5人気
【5-5-2-13/25】
勝率20.0% 連対率40.0% 複勝率48.0%
単勝回収率113 複勝回収率90
○6〜9人気
【0-0-2-18/20】
勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率10.0%
単勝回収率0 複勝回収率36
○10人気〜
【0-0-1-34/35】
勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率2.9%
単勝回収率0 複勝回収率35
このレースは直線の長い東京コース・高速馬場・差しが決まりやすいという条件で行われるため、現在の日本競馬における主流条件となります。そのため強い馬が強い走りをしやすい舞台であり、人気馬の好走が目立つレースです。
最後のポイントは能力重視です。
世代限定戦はメンバー同士の力差が出やすいのも特徴の一つ。今後重賞〜GI戦線で活躍する子もいれば、条件戦をなかなか勝ち上がれない子も一緒に走ることとなります。そのため戦ってきた相手やレース内容を精査し、能力を見極めるのも大切な要素です。
🍀オークスのポイント🍀
このレースで問われる能力・要素・傾向は
○最後までバテずに走り切る持続力
○長い距離をこなすスタミナ
○やや内枠有利
○差し追込有利
東京芝2400mは最後の直線が長いことからスローペースになりやすく、直線での速い末脚が求められるコースです。
スローペースなら一気に加速する瞬発力、ペースの緩みがないと最後までバテずに走り切る持続力が求められますが、どちらも速い上がりが求められるため直線でのトップスピードが重要となります。
そしてオークスでの大きな特徴は、牝馬限定戦のレースのなかでも最も距離が長いレースという点です。更にこの時期の3歳牝馬は2400mを経験する機会がほとんどなく、多くの馬が初めて経験する距離です。有力馬は桜花賞からのローテーションとなることも多く1600m→2400mの大幅な距離延長で臨むため、距離延長に対応するスタミナや最後までバテずに走り切る持続力が求められるタフなレースとなります。
最初のポイントはやや内枠有利です。
○1〜4枠
【2-2-4-31/39】
勝率5.1% 連対率10.3% 複勝率20.5%
単勝回収率7 複勝回収率136
○5〜8枠
【3-3-1-43/50】
勝率6.0% 連対率12.0% 複勝率14.0%
単勝回収率38 複勝回収率75
このレースは3歳牝馬にとってスタミナが強く求められる過酷な条件です。そのため内でロスなく立ち回ることの恩恵が強く、外を回しすぎなかった馬が穴をあけるパターンも目立ちます。
しかし、雨などで馬場の傷みが進行していた場合は必ずしも内有利になるとは限らないため、当日の馬場コンディションにも注意しておきましょう。
続いてのポイントは差し追込有利です。
○初角5番手以内
【0-4-1-25/30】
勝率0.0% 連対率13.3% 複勝率16.7%
単勝回収率0 複勝回収率97
○初角6~9番手
【3-1-2-16/22】
勝率13.6% 連対率18.2% 複勝率27.3%
単勝回収率54 複勝回収率85
○初角10番手以下
【2-0-2-33/37】
勝率5.4% 連対率5.4% 複勝率10.8%
単勝回収率28 複勝回収率115
○前走初角6番手以下+3着以内
【5-1-2-10/18】
勝率27.8% 連対率33.3% 複勝率44.4%
単勝回収率124 複勝回収率295
繰り返しになりますが、このレースは3歳牝馬にとってスタミナが強く求められる過酷な条件です。そのため逃げ先行策で粘り込むのは難易度が高く、差し追込馬の活躍が目立つレースとなっています。
特に桜花賞で先行して好走した馬は苦戦を強いられやすく、2023年にコナコーストが3人気7着。2022年はウォーターナビレラが7人気13着。2021年はソダシが1人気8着。2020年はミヤマザクラが4人気7着、スマイルカナが9人気16着。2019年はダノンファンタジーが4人気5着と、人気を裏切るケースが目立つ結果となっています。反対に桜花賞を差して好走した馬はオークスでも好成績となっており、条件が変わることで求められる適性も変化する点に注意が必要です。
そして一緒に覚えておきたいのが、このレースで先行して好走した馬のその後です。
○オークスを初角5番手以内の先行策で3着以内に好走した馬
・2022年 スタニングローズ
→後に秋華賞を勝利
・2021年 アカイトリノムスメ
→後に秋華賞を勝利
・2020年 ウインマリリン
→後に香港ヴァーズを勝利
・2019年 カレンブーケドール
→後に秋華賞2着、ジャパンカップ2着など
・2019年 クロノジェネシス
→後にGIを4勝
オークスで先行して馬券内に絡んだ馬は、その後もGIで馬券になっていることがわかります。このレースで先行して好走するにはGI級の能力が必要であり、ここで好走できればその後も活躍が期待できる裏付けとなるため要注目のポイントです。
最後のポイントは能力重視です。
世代限定戦はメンバー同士の力差が出やすいのも特徴の一つです。今後重賞〜GI戦線で活躍する子もいれば、条件戦をなかなか勝ち上がれない子も一緒に走ることとなります。そのため戦ってきた相手やレース内容を精査し、能力を見極めるのも大切な要素です。
🍀日本ダービーのポイント🍀
このレースで問われる能力・要素・傾向は
○直線でのトップスピード
○一気に加速する瞬発力or最後までバテずに走り切る持続力
○やや外枠有利
○やや差し追込有利
○人気馬が強い
○能力重視
東京芝2400mは最後の直線が長いことからスローペースになりやすく、直線での速い末脚が求められるコースです。
スローペースなら一気に加速する瞬発力、ペースの緩みがないと最後までバテずに走り切る持続力が求められますが、どちらも速い上がりが求められるため直線でのトップスピードが重要となります。
また、日本ダービーはCコース替わりの週に開催されるため時計が速くなりやすく、直線での速い上がりがより重要となる点にも注目です。
最初のポイントはやや外枠有利です。
これは近年変化しつつある傾向です。
-2020〜2023年-
○1〜4枠
【1-2-2-27/32】
勝率3.1% 連対率9.4% 複勝率15.6%
単勝回収率4 複勝回収率40
○5〜8枠
【3-2-2-32/39】
勝率7.7% 連対率12.8% 複勝率17.9%
単勝回収率62 複勝回収率47
-2010〜2019年-
○1〜4枠
【6-6-6-61/79】
勝率7.6% 連対率15.2% 複勝率22.8%
単勝回収率177 複勝回収率134
○5〜8枠
【4-4-4-87/99】
勝率4.0% 連対率8.1% 複勝率12.1%
単勝回収率28 複勝回収率32
このレースはCコース替わりの週に開催されますが、その影響で時計が速い+内が有利な馬場コンディションになることが多い…というのが過去の傾向でした。
実際に好走馬見ても、2019年は1枠を引いたロジャーバローズが12人気1着。2018年はコズミックフォースが4枠から16人気3着。2016年はマカヒキ、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティと1〜3人気馬でしたが内枠勢が馬券内を独占し、エアスピネルが3枠から7人気4着。2015年はサトノラーゼンが1枠から5人気2着。2014年はマイネルフロストが2枠から12人気3着。2013年はアポロソニックが2枠から8人気3着。2011年も内枠勢が馬券内を独占し、ウインバリアシオンが1枠から10人気2着、ベルシャザールが4枠から8人気3着。そして2010年も内枠勢が馬券内を独占しており、1枠のエイシンフラッシュが7人気1着、4枠のローズキングダムが5人気2着と、内枠を引いた人気薄の馬が頻繁に好走しており、とにかく内有利なレースでした。
しかし、2020年を境にこの傾向は変化しつつあります。以前と比較すると内枠の好走率は大きく下がっており、Cコース替わりにも関わらず内を避けるケースも見られるようになり、近年は内有利な馬場にはならず、外差しが届く馬場になっています。
2023年は6枠のタスティエーラが4人気1着、同じく6枠のハーツコンチェルトが6人気3着。2021年は5枠のシャフリヤールが4人気1着、6枠のステラヴェローチェが9人気3着と人気以上に好走しており、以前より内の優位性が薄れている点に注意が必要です。
ちなみにこれは馬場の造りが影響していると考えており、2023年の春開催及び秋開催、そして2022年,2021年の秋開催の東京では、開幕週から外差しが決まる傾向が強く見られ、柔らかい高速馬場となっています。
柔らかい高速馬場では直線での速い上がりが求められ、末脚が発揮しやすい馬場となります。これにより、内有利馬場を活かした立ち回りや先行力よりも、外からスムーズに加速し末脚を発揮できるかが重要となっており、この馬場の変化が近年の傾向の変化にも繋がっているのではないか、と考えています。
技術の進化により馬場の造りは年々変化していくため、今後また異なる傾向が見られるようになる可能性もありますが、現在の馬場の造りは直線での末脚が重要である点は押さえておきたいポイントです。
続いてのポイントはやや差し追込有利です。
これは先程のやや外枠有利傾向とセットで考えたいポイントであり、近年の馬場の変化が関係しています。
-2020〜2023年-
○初角5番手以内
【2-1-2-16/21】
勝率9.5% 連対率14.3% 複勝率23.8%
単勝回収率46 複勝回収率64
○初角6〜9番手
【1-1-0-13/15】
勝率6.7% 連対率13.3% 複勝率13.3%
単勝回収率78 複勝回収率26
○初角10番手以下
【1-2-2-29/34】
勝率2.9% 連対率8.8% 複勝率14.7%
単勝回収率12 複勝回収率40
-2010〜2019年-
○初角5番手以内
【4-3-4-42/53】
勝率7.5% 連対率13.2% 複勝率20.8%
単勝回収率225 複勝回収率146
○初角6〜9番手
【2-6-4-30/42】
勝率4.8% 連対率19.0% 複勝率28.6%
単勝回収率14 複勝回収率95
○初角10番手以下
【4-1-2-76/83】
勝率4.8% 連対率6.0% 複勝率8.4%
単勝回収率51 複勝回収率24
以前の日本ダービーはCコース替わりで内有利な馬場になる影響もあり、前に行き内をロスなく立ち回った子が穴をあけるパターンが多く見られました。代表的なのが2019年12人気1着のロジャーバローズ、2018年16人気3着のコズミックフォース、2013年8人気3着のアポロソニックなどです。
しかし近年は、前述した通り外差しが届く馬場になっていることから末脚が求められるようになり、速い上がりを使える末脚に長けた馬が好走しやすいレースとなっています。
2023年はドスローだったにも関わらず、勝利したタスティエーラ以外の上位馬は差し追込馬が独占。後方からの競馬だったハーツコンチェルトが6人気3着と人気薄で好走。
2022年は上位を差し追込馬が独占。唯一前でレースをして3着に好走したアスクビクターモアはその後菊花賞を勝利しており、元々GI級の能力を秘めていた馬。
2021年も1〜4着まで差し追込馬が独占。前でレースをして5着に粘ったサトノレイナスはその後故障により引退してしまったもののGI2着2回の実績馬で、6着のタイトルホルダーはその後GIを3勝しており、近年はGI級の実力を持つ先行馬しか好走できていないことがわかります。
過去の日本ダービーは、能力面で見劣る馬が馬場の恩恵を味方につけて人気薄で好走する、というのが穴をあけるパターンでした。しかし近年は傾向が変化しており、そのパターンが見られなくなっています。
また、末脚が発揮しやすい馬場になっていることから実力馬が好走しやすく、人気馬の信頼度が上がっているのも近年の特徴です。
-2020〜2023年-
○1〜2人気
【1-4-0-3/8】
勝率12.5% 連対率62.5% 複勝率62.5%
単勝回収率17 複勝回収率80
○3〜5人気
【3-0-0-9/12】
勝率25.0% 連対率25.0% 複勝率25.0%
単勝回収率201 複勝回収率52
○6人気以下
【0-0-4-47/51】
勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率7.8%
単勝回収率0 複勝回収率36
-2010〜2019年-
○1〜2人気
【4-2-4-10/20】
勝率20.0% 連対率30.0% 複勝率50.0%
単勝回収率65 複勝回収率74
○3〜5人気
【4-7-1-18/30】
勝率13.3% 連対率36.7% 複勝率40.0%
単勝回収率102 複勝回収率116
○6人気以下
【2-1-5-120/128】
勝率1.6% 連対率2.3% 複勝率6.3%
単勝回収率97 複勝回収率68
以前は枠の差で人気薄の馬が人気馬を逆転できるレースで、10人気以下の人気薄が好走するケースも多く見られました。しかし近年は実力を発揮しやすい馬場になっていることから、強いのに人気を落としている馬を探すことが主流の穴をあけるパターンとなっています。
2022年に7人気3着と穴をあけたアスクビクターモアは後に菊花賞を勝利。2021年9人気3着のステラヴェローチェは朝日杯FS2着、皐月賞3着の実績がありながら過小評価されていた馬で、その後もGIで好走を続けている実力馬。2020年10人気3着のヴェルトライゼンデもホープフルS2着の実績があったのに過小評価されていた馬で、その後重賞を2勝しジャパンカップでも3着に好走しています。
能力の裏付けがあるにも関わらず、皐月賞の敗戦や適性面を疑われて人気を落とし過小評価されている馬には注意が必要です。
最後のポイントは能力重視です。
世代限定戦はメンバー同士の力差が出やすいのも特徴の一つです。今後重賞〜GI戦線で活躍する子もいれば、条件戦をなかなか勝ち上がれない子も一緒に走ることとなります。そのため戦ってきた相手やレース内容を精査し、能力を見極めるのも大切な要素です。
🍀ジャパンカップのポイント🍀
このレースで問われる能力・要素・傾向は
○一気に加速する瞬発力or最後までバテずに走り切る持続力
○直線でのトップスピード
○内枠有利
○先行〜差し有利
○人気馬が強い
東京芝2400mは最後の直線が長いことからスローペースになりやすく、直線での速い末脚が求められるコースです。
スローペースなら一気に加速する瞬発力、ペースの緩みがないと最後までバテずに走り切る持続力が求められますが、どちらも速い上がりが求められるため直線でのトップスピードが重要となります。
最初のポイントは内枠有利です。
○1〜4枠
【5-4-4-25/38】
勝率13.2% 連対率23.7% 複勝率34.2%
単勝回収率38 複勝回収率51
○5〜8枠
【0-1-1-44/46】
勝率0.0% 連対率2.2% 複勝率4.3%
単勝回収率0 複勝回収率7
東京芝はコーナー角が緩く最後の直線も長いため基本は内外の有利不利が少ないコースですが、このレースは馬場の傷みにくい東京でCコース替わり2週目に行われること、近年の東京芝は開催後半の方が内有利に傾きやすいことから、内枠有利・外枠不利な傾向が出ているレースとなります。
とはいえ開催最終週に行われるレースであるため、馬場の傷み具合や前日の傾向には注意しておきたいです。
続いてのポイントは先行〜差し有利です。
○初角5番手
【2-3-3-20/28】
勝率7.1% 連対率17.9% 複勝率28.6%
単勝回収率12 複勝回収率47
○初角6〜9番手
【2-1-2-17/22】
勝率9.1% 連対率13.6% 複勝率22.7%
単勝回収率30 複勝回収率31
○初角10番手以下
【1-1-0-32/34】
勝率2.9% 連対率5.9% 複勝率5.9%
単勝回収率13 複勝回収率8
東京芝2400mは最後の直線が長いため差しも決まりやすいコースですが、スローペースになりやすいだけでなく内有利にもなりやすいことから外からの差しは間に合わないことが多く、後ろすぎるポジションからの追込は決まりにくいレースです。
ある程度前目のポジションを確保しつつ、速い上がりを使える馬に注目です。
最後のポイントは人気馬が強いです。
○1〜3人気
【5-4-3-3/15】
勝率33.3% 連対率60.0% 複勝率80.0%
単勝回収率98 複勝回収率105
○4〜6人気
【0-1-2-12/15】
勝率0.0% 連対率6.7% 複勝率20.0%
単勝回収率0 複勝回収率48
○7人気〜
【0-0-0-54/54】
勝率0.0% 連対率0.0% 複勝率0.0%
単勝回収率0 複勝回収率0
東京芝2400mはスローペース・長い直線での末脚勝負・高速馬場と現在の日本における主流条件で行われるレースであるため能力を発揮しやすく、このレースも人気馬が好走しやすい傾向にあります。
近5年の勝ち馬は全て3人気以内の人気馬であり、7人気以下の人気薄が馬券内に好走したのは2015年のラストインパクト(7人気2着)まで遡ります。基本的には能力の裏付けがある人気馬を素直に信頼したいレースです。
以上、東京芝2400mの特徴についてでした!
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