スプリンターズS展望

このレースで問われる能力・要素・傾向
最後までバテずに走り切る持続力
急坂をこなすパワー
高速馬場適性(馬場コンディションに注意)
内枠有利
逃げ先行有利
※データは過去5年

です。
順番に見ていきましょう。


○コースの特徴

中山芝1200mはスタートから下り坂となっているため、前半からペースが速くなりやすいコースです。そのため速いペースに対応しつつ、最後までバテずに走り切る持続力が求められます。最後の直線には急坂もあるためパワーも必要となるコースですが、時計が速い時はスピードで押し切ることも可能なコースです。
また、馬場状態によっては顕著な傾向が表れることも多く、内外や脚質の有利不利を見極めることも大切です。



○馬場コンディション

まず、このレースで意識しておきたいポイントは馬場コンディションです。
このレースは秋の中山開催最終週に行われますが、この時期は芝の生育が良いことに加え、開催期間が4週と少ない上にコース替わりも行われるため、馬場が荒れにくいのが特徴です。その年によって馬場の造りには差があり、降雨があるかどうかによっても馬場コンディションは変化しますが、良い馬場コンディションが維持されると速い時計が出やすくなるため、高速馬場適性も問われるレースとなります。

2019年と2021年は1分7秒1と速いタイムが記録された年。2019年の勝ち馬タワーオブロンドンは過去2回レコードタイムを記録しており、前走のセントウルSもレコードタイムで勝利と速い時計が出るレースで結果を残していました。2021年の勝ち馬ピクシーナイトは前走開幕週に行われたセントウルSで1.07.2の速い時計で走破し2着に好走、どちらもハイペースの流れと高速馬場へのレースへ適性を示していました。時計が速い年は出走馬の持ちタイムにも注目です。

反対に、良馬場ながら勝ち時計が1分8秒3と時計がかかっていた2020年は、マイルで活躍していたグランアレグリアが差し切って勝利。1200mのレースではポジションが取れず忙しそうな面を見せているタイプでしたが、時計がかかっていたことでスピードが強く求められず、差しが届くレースとなりました(勿論能力が抜けていたこともあると思いますが)。
時計がかかるほど求められるスピード能力は低くなるため、1200mより長い距離でも走れる馬や1200mの流れが忙しくポジションが取れない馬にとってはプラスに働く要素となります。

また、馬場コンディションが良いという点から、ハイペースになっても内有利&前有利になりやすく、立ち回りの上手さが求められるのがこのレースの特徴です。

-2023年-
11.7-10.4-11.2-11.2-11.2-12.3
勝ちタイム1.08.0(良)
前半3F33.3-後半3F34.7(前傾1.4秒)

-2022年-
11.9-10.1-10.7-11.4-11.4-12.3
勝ちタイム:1.07.8(良)
前半3F32.7-後半3F35.1(前傾2.4秒)

-2021年-
11.7-10.6-11.0-11.1-11.3-11.4
勝ちタイム:1.07.1(良)
前半3F33.3-後半3F33.8(前傾0.5秒)

-2020年-
11.9-10.1-10.8-11.5-11.9-12.1
勝ちタイム:1.08.3(良)
前半3F32.8-後半3F35.5(前傾2.7秒)

-2019年-
11.9-10.1-10.8-11.3-11.2-11.8
勝ちタイム:1.07.1(良)
前半3F32.8-後半3F34.3(前傾1.5秒)

中山芝1200mはコース形態上ハイペースになりやすい舞台ですが、前述した特徴からこのレースは内で立ち回った馬や前にいる馬が好走しやすいレースとなっています。
その点を次以降の項目で見ていきましょう。



○内枠有利

続いてのポイントは内枠有利です。

1〜4枠
【4-3-4-29/40】
勝率10.0% 連対率17.5% 複勝率27.5%
単勝回収率83 複勝回収率86

5〜8枠
【1-2-1-36/40】
勝率2.5% 連対率7.5% 複勝率10.0%
単勝回収率5 複勝回収率32

前述したことの繰り返しとなりますが、この時期の中山芝の生育が良いことに加え、開催期間が4週と少ない上にコース替わりも行われるため、馬場が荒れにくいのが特徴です。そのため内をロスなく立ち回れる馬が恵まれやすく、内枠有利になりやすいレースとなっています。

2023年は5枠から最内を確保したマッドクールが6人気2着。2022年は1枠を引いたジャンダルムが8人気1着、4枠のウインマーベルが7人気2着、3枠のナランフレグが5人気3着と内枠の人気薄馬が馬券内を独占。一方で1人気14着のメイケイエール、2人気5着のナムラクレア、3人気9着のシュネルマイスターと、人気馬は全て外枠を引き凡走。内枠有利と外枠不利が顕著になったレースでした。2021年も2枠を引いたピクシーナイトが3人気1着、1枠を引いたシヴァージが10人気3着と内枠勢が人気薄で好走。外枠を引いたダノンスマッシュは1人気6着、翌年の勝ち馬ジャンダルムが4人気11着と人気を裏切っています。

能力だけでは覆しにくいほど強い内有利バイアスが働くこともあるため、当日の馬場傾向には注意が必要です。



○逃げ先行有利

最後のポイントは逃げ先行有利です。

初角5番手以内
【3-4-1-22/30】
勝率10.0% 連対率23.3% 複勝率26.7%
単勝回収率101 複勝回収率82

初角6〜9番手
【0-1-2-16/19】
勝率0.0% 連対率5.3% 複勝率15.8%
単勝回収率0 複勝回収率40

初角10番手以下
【2-0-2-27/31】
勝率6.5% 連対率6.5% 複勝率12.9%
単勝回収率16 複勝回収率48

中山芝1200mはハイペースになりやすく最後に急坂も待ち受けているコースですが、馬場コンディションが良いなかで行われる短距離戦のため、差しは簡単には決まらず逃げ先行有利なレースとなっています。
特に先行馬は人気以上に好走する馬も多いのが特徴です。

2023年…ママコチャ(3人気1着)、マッドクール(6人気2着)
2022年…ジャンダルム(8人気1着)
2021年…ピクシーナイト(3人気1着)、シヴァージ(10人気3着)
2020年…ダノンスマッシュ(3人気2着)
2019年…モズスーパーフレア(3人気2着)

立ち回りの上手さが求められるこのレースでは、先行力のある人気薄の馬に要注意です。




-現時点での注目馬-

🍀ウイングレイテスト

-近走の内容-
・前走:アイビスサマーダッシュ 2着
→高速馬場+向かい風、外枠からスムーズな競馬が叶った馬が恵まれた。
重い斤量を背負って好走。

-評価-
スタートが上手で先行力と器用さに長けており、立ち回りの上手さを活かしたいタイプの先行馬。
昨年のスワンS、京成杯オータムHはどちらも内をロスなく立ち回って好走したものであり、本馬の強みをしっかり発揮できたレース。ハイペースで差し追込決着になった阪神Cは逃げて敗れてしまったが、今回上位人気が想定されるママコチャと0.1秒差の走りが出来ており、能力は見せた内容だった。
一方で立ち回りの上手さを活かせない直線の長いコースや、速い上がりが求められるコースでは一歩足りない競馬になってしまうタイプ。それだけに末脚勝負になりにくい1200mという条件も本馬に合っており、2走前の函館スプリントSでは他馬より重い斤量59kgを背負ってサトノレーヴの2着と強い走りを見せた。
1400m~1600mでは速い時計で走破した実績があるとはいえ、高速馬場の1200mに対応できるかという点と、他にも速い逃げ馬がいるなかで自分の得意な形に持ち込める枠並びになるかが今回のポイント。馬場に関しては週末に雨予報も出ているため現時点では予測が難しいが、サトノレーヴやママコチャといった今回上位人気が想定される実力馬を相手に差のない競馬ができている馬であり、枠の並びと馬場次第では重い印を打つことも検討したい一頭。過小評価され人気薄になるのなら特に狙いたい。




以上、スプリンターズSの展望でした!
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