いい勝ち方をしてる2歳馬がいたので紹介したい
-10月13日(日)-
○東京1R 2歳未勝利(芝1600m)
12.7-11.3-12.3-12.5-12.7-11.8-10.9-10.9
前半3F36.3-後半3F33.6(後傾2.7秒)
前半4F48.8-後半4F46.3(後傾2.5秒)
勝ちタイム:1.35.1 スローペース
勝ち馬:イミグラントソング
高速馬場のスローペースで直線の末脚勝負になったレース。
勝利したイミグラントソングはラップが優秀。スローペースだったため勝ちタイム自体は目立ったものではありませんが、ラスト3Fが11.8-10.9-10.9と最後に10秒台のラップを連発し失速のない流れになっています。
2歳時に東京芝1600m以上でラスト2Fがどちらも10秒台のレースを勝利した馬を見てみると…
10.8-10.9…ベステゲシェンク
10.9-10.9…ヒラボクエクセル
10.9-10.9…イミグラントソング
遡ってもこの3頭しかいない条件であり、このラップは滅多に現れないパターンとなります。(一応1400mならクイーンC3着のルージュスエルテが該当します)
ベステゲシェンクはOP特別を勝利、ヒラボクエクセルはその後すぐ引退とそこまで目立った実績を残せていませんが、イミグラントソングと異なるのは道中のペース。過去の2頭はどちらも超がつくほどの極端なスローペースであり、速い上がりを出しやすい流れでした。
前半5Fをチェックしていくと
61.5…イミグラントソング
64.7…ベステゲシェンク
67.9…ヒラボクエクセル
このように、同じスローペースでも道中のペースの差は歴然であり、この流れで速い末脚を繰り出したイミグラントソングは高い能力を秘めている可能性があると推測できます。また、着差がつきにくい芝のスローペースで後続に0.8秒差をつけているのも能力の裏付けとなっています。
本馬はマクフィ×ディープインパクトという配合で、マクフィ産駒は基本的に芝で速い末脚を使えないタイプです。しかし、母父ディープインパクトの産駒はディープインパクト譲りの末脚を受け継ぐことも多く、本来速い上がりを使えないタイプに出やすい種牡馬からも、末脚に長けた馬が出る傾向があります。
(例)
ゴンバデカーブース(父ブリックスアンドモルタル)
オオバンブルマイ(父ディスクリートキャット)
ステラヴェローチェ(父バゴ)
カワキタレブリー(父ドレフォン)
…など
母父ディープインパクトの産駒は小柄な馬も多く、初勝利の内容が良くても間隔を詰めて使えなかったり、クラスが上がってから苦戦したりと順調にいかない馬も見られます。(これはそもそもディープインパクト産駒の牝馬自体が、小柄な馬が多いということも関係していると考えられます。)
しかし、イミグラントソングは馬体重480kgと恵まれた馬格の持ち主。順調に成長していけばマクフィ産駒の代表産駒になれるポテンシャルを感じる馬で、将来に期待できる一頭です。
-10月19日(土)-
○東京9R アイビーS(芝1800m)
13.2-11.0-11.5-12.0-11.7-12.1-11.8-11.3-11.2
前半3F35.7-後半3F34.3(後傾1.4秒)
前半4F47.7-後半4F46.4(後傾1.3秒)
勝ちタイム:1.45.8 スローペース
勝ち馬:マスカレードボール
スローペースで直線の末脚勝負となったレース。
勝利したマスカレードボールはタイムとラップが優秀。少頭数の1800mにしてはペースが流れたため、過去のアイビーSと比較しても速いタイムは出やすい展開でしたが、過去のアイビーSのなかでは過去最速であり、2歳時の東京芝1800mでは歴代2位の勝ちタイムとなります。
1.44.5…コントレイル
1.45.8…マスカレードボール、ガストリック
1.45.9…イスラボニータ
1.46.0…コディーノ
1.46.2…イクイノックス
1.46.4…グリューネグリーン
1.46.5…シュトラウス
1.46.6…ニシノデイジー、ワグネリアン
1.46.7…クロワデュノール
怪我による長期離脱があったガストリックを除くと、上位馬は軒並みGIで好走歴がある実力馬ばかり。更にマスカレードボールのレースはラスト2Fが11.3-11.2の加速ラップ。マスカレードボール自身も最後まで減速のない走りができており、タイム・ラップ共に高く評価できる内容でした。
この組は勝ち馬に限らず覚えておきたいレースです。
いつもボクの記事を読んでくださりありがとうございます! これからも根拠のある記事、面白い記事を作成していけるよう努力します!