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各楽器のパンの振り分け
パン(ステレオの左右配置)を適切に振り分けることで、音の分離がよくなり、クリアで広がりのあるミックスになります。以下に各楽器とボーカルの一般的なパンの振り分けをまとめます。
🔹 パンの基本概念
• センター(C):メインの要素(ボーカル、キック、ベースなど)
• やや左右(±10〜30):サブの要素(ギター、シンセ、ハモリなど)
• 広く左右(±40〜80):リズム楽器や空間系の楽器(シンバル、パッドなど)
• 完全左右(±90〜100):エフェクト、ステレオの広がりを意識した音
🔹 各楽器・ボーカルのパン配置
🎤 ボーカル
• リードボーカル → センター(C)
• これは基本。曲の主役なのでセンターに配置。
• ハモリ → 左右(±10〜30)
• メインの邪魔をしないように、やや左右に振る。
• コーラス(コーラスグループ) → 左右広め(±40〜80)
• 厚みを出すために広げると良い。
🥁 ドラム
• キック → センター(C)
• 低音を支えるので、常にセンター固定。
• スネア → センター(C) or わずかにL/R(±5〜10)
• リアル感を出すなら若干ずらすが、基本はセンター。
• ハイハット → やや右 or 左(±20〜40)
• 自然なステレオ感を出すために少し寄せる。
• タム(ロータム → ハイタム) → L→C→R(±30〜±50)
• ドラムセットの位置を意識して配置。
• オーバーヘッド(シンバル、ライド、クラッシュ) → 左右広め(±60〜100)
• 広げることで空間の広がりを演出。
🎸 ベース & ギター
• ベース → センター(C)
• 低音の軸なのでセンター固定。
• エレキギター(リズム) → 左右広め(±40〜70)
• 片方に振るとバランスが偏るので、基本はL/Rに1本ずつ配置。
• エレキギター(ソロ) → センター or ややL/R(±10〜20)
• メインメロディならセンター寄り、バッキングなら左右に配置。
• アコースティックギター → 左右(±30〜60)
• バッキングとして入れる場合はL/Rに分けると広がりが出る。
🎹 キーボード / シンセ
• ピアノ(メイン) → ややL/R(±20〜40)
• 他の楽器を邪魔しないように配置。
• エレピ / パッド系シンセ → 広め(±50〜80)
• 空間を埋める役割なので、ステレオ感を意識して広く振る。
• シンセリード(メロディ) → センター or ややL/R(±10〜20)
• メロディを引き立てたい場合はセンター寄りにする。
• アルペジオシンセ → 左右広め(±50〜90)
• 流れるような動きを作るために、広く配置すると効果的。
🎺 管楽器 / 弦楽器
• ホーン(トランペット、サックスなど) → ややL/R(±30〜50)
• センターを避け、自然なステレオ感を作る。
• ストリングス(バイオリン・ビオラ・チェロ) → 左右にバランスよく配置
• バイオリン(左)、ビオラ(やや左)、チェロ(やや右)、コントラバス(右)
🔹 具体的なパンの例(バンド編成)
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楽器・パート パン(L/Rの方向)
リードボーカル C(センター)
ハモリボーカル L/R(±10〜30)
コーラス L/R(±40〜80)
キック C(センター)
スネア C(センター or ±5)
ハイハット L or R(±20〜40)
タム(ローハイ順) L→C→R(±30〜±50)
クラッシュシンバル L/R(±60〜100)
ベース C(センター)
エレキギター(リズム) L/R(±40〜70)
エレキギター(ソロ) C or L/R(±10〜20)
アコースティックギター L/R(±30〜60)
ピアノ L/R(±20〜40)
パッドシンセ L/R(±50〜80)
アルペジオシンセ L/R(±50〜90)
ホーン(管楽器) L/R(±30〜50)
ストリングス L(バイオリン)、C(ビオラ)、R(チェロ)
🔹 パンの調整ポイント
✅ 低音(キック・ベース)はセンター固定
👉 スピーカーの左右で低音がブレないようにするため。
✅ リード楽器(ボーカル、ギターソロ、ピアノメロディ)はセンターか軽く左右
👉 目立つ楽器は真ん中に配置。
✅ バッキング系(リズムギター、コーラス、ストリングス)は左右へ振る
👉 音の分離を良くし、広がりを持たせる。
✅ L/Rのバランスを意識する
👉 例えば、ギターを左に振ったら、別の楽器(シンセやパッド)を右に配置するとバランスが取れる。
✅ ドラムは自然な配置を意識する
👉 リアルなステレオ感を出すにはドラムの演奏位置を考慮する。
🎧 まとめ
1. 低音はセンター(キック・ベース)
2. ボーカルやリード楽器はセンター寄り
3. バッキング系は左右へ振り分ける
4. シンセやコーラスはステレオを広げる
5. ドラムは自然な配置(ライブ感を意識)
この振り分けを参考に、パンニングを調整してみてください!