子どもも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に大人と同じくらいかかる可能性
依然、世界各国で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ですが、ここにきてちょっと心配なデータが発表されました(3月5日づけ)。
みんなうすうす感じていたとは思いますが、それは、、、
『子どもも大人と同じくらいCOVID-19にかかる』
という、中国発のデータです。
以前より、子どもの重症例の報告が圧倒的に少ないことが、いくつかの仮説を生んでいました。
そのコアとなる疑問は:
『子どもは感染しない』 vs 『子どもは重症化しない』
「子どもの風邪は大人がかかると症状が重くなる」というのは、小さいお子さんのいるご家庭ならよく知られた事実です。コロナウイルスも基本は風邪ウイルスですので、子どもはかかっても重症化しないだけなのでは?という推測はずっとありました。
以下、世界一の自然科学雑誌natureのニュースフィードに載った記事のざっくりとした訳・引用になります。
『子どもは新型コロナウイルス(ウイルス名:SARS-CoV-2/病名:COVID-19)に大人と同程度感染する可能性がある』と中国の研究グループが発表しました。
これまでのデータでも、子どもは他の年齢層に比べて、COVID-19にかかっても重症化しにくいとされていました。もっとも、データからは
『子どもがかかりにくい』のか、『かかっても重症化する前に治ってしまう』のかは区別できず、謎とされていました。
今回のデータを中国のグループと共同で解析したジョンズ・ホプキンス公衆衛生大学院のグループは、『子どもは大人と同じくらい感染するが、重症にならないようだ』という推測を発表しました。
この結果の詳細はmedRxiv誌に掲載されていますのでご参考までに。
この研究では、感染した人はもちろん、感染のあるなしに関係なく濃厚接触者も対象に検査をして解析したことが特筆すべき点です。
391人の感染者と、1286人の濃厚接触者を追跡して、症状のあるなしに関係なくウイルス検査を行いました。
結果として、10歳以下の濃厚接触者は他の年齢層とかわらず、およそ7〜8%の発病率でした(下記表の赤枠の数字)。
また、感染者と同居している濃厚接触者の感染率は、市中感染の6倍高い結果でした。
この研究結果から、子どもは大人と同程度にSARS-CoV-2にかかりやすいという解釈にいたっています。
そして子どもが大人と同じ程度かかりやすいのに、学校などでアウトブレイクがないのは、単純に子どもは症状が軽症にとどまるからと考えられます。
子どもが感染のハブとして大人に感染させるのかはまだはっきりしていませんが、もしそうであれば、日本をはじめとした国々が学校を休校にした措置が功を奏する可能性があり、その行く末が注目されています。
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