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ロックダウン再度到来?ハワイの現状

日本はコロナ禍でも重症者数や死亡者数が少なく
アメリカから眺めていると、かなり驚異的な感じがしますし、
世界中のみんなが不思議がっています。

さて、ハワイの現状は?
というと、早期のロックダウンが功を奏して、
かなり感染者数・重症者数・死亡者数が少なく抑えられてきましたが、
そんな状況も、7月に激変し、現在はアメリカ有数のホットスポット
なってしまいました。

これはいつも思うことですが、感染者数は必ずしも現状を表していません
感染者数の内訳には、当たり前ですが、無症状の人も含まれます。

そして、無症状の人が、社会全体でどのくらいいるのかがわからない以上、
真の感染者数や感染率を知りたいのであれば、島民全員を検査する必要が
あります。(そしてそれはさすがに無理です、、、)

もちろん、統計学的には、島民の代表的な集団をランダムに選んで検査すれば、ある程度の罹患率がわかります。しかし、その数字を無理に追い求めるのは、(正確な死亡率を知る、感染の流行状況を感じる、といった意味以外では)、あまり有益ではないのかな、というのが個人的な意見です。

コロナウイルス感染症に関しては、人種の違い、基礎疾患の違い、生活習慣の違い、貧富の差、ウイルス株の違いなど、いろいろな要因で重症度が変わります。

日本で流行しても、重症者や死亡者が少ないのは、日本人が疫病に強い歴史を表しているのかもしれませんね。

このウイルスはほとんどの人にはただの風邪程度の症状しか起こしません。

しかし、実際に診療していて異常・異様だと思えるのが、ARDS(急性呼吸促迫症候群)を合併する頻度です。
ARDSというのは、全身の炎症反応が肺に強く現れた状態で、
肺が正常に機能せず、高流量の酸素や人工呼吸管理を要する状態です。

今回のコロナウイルス(SARS-CoV-2)は、ハワイでの診療経験でいうと、
入院を要さない、軽症な人が90%弱で、入院を要する人が10%強、
そして入院を要した人の15%強くらいが超重症になる感じです。
全体で見ると2%弱がいわゆる集中治療管理になる感じでしょうか。

ほぼ風邪程度の症状で済むのに、超重症になってしまうととことんやばい、というのが実際に診療して感じることです。ただし、本当に健康な人はそもそも重症化しませんし、重症になっても、回復する可能性が高いです。

さて、特にやばいのが超重症になるまでのスピードです。

ついさっきまで酸素3リットル(毎分)でいっていたのに、2〜3時間後に
15 リットル以上必要になって、あれよあれよいう間に人工呼吸器が
必要になる、というケースが一定の確率でいます。

日本の内科医の友人とも話しましたが、この点は日本でも同じようですね。ただ、その頻度は少ない印象です。

私は、例えば細菌性肺炎やインフルエンザは軽症例から超重症例まで
毎年たくさん診ますが、明らかに違う部分だと思います。

インフルエンザで死亡するのはほぼ老人や基礎疾患のある人で、
そういう意味ではコロナと変わらないのですが、
『あっという間に悪くなる』感じが、コロナではかなり異常なのです。

数時間で人工呼吸器が必要になる、という、時間、ときには分の単位で
『炎症反応が燃え上がるスピード』
は、今まで何万人以上も肺炎を診てきた経験の中でも、
かなり圧倒的な速さで、とても特殊な感じがします。

ちなみに、普通の肺炎(細菌性、インフルエンザなど)で人工呼吸器が
必要になるのは、入院する段階ですでに超重症の場合がほとんどです。

入院時そこそこ悪い状態で、そこから人工呼吸器が必要な状態にまで悪化するじわじわパターンの場合は、大体1日はかかることが多いと思います。

コロナの急激な肺炎の悪化は、CRS(サイトカインリリースシンドローム)とよばれる、炎症を起こす物質が大量に放出されるからで、それが先ほどのARDSを起こすと思われています。

このほかにも、今までの細菌性肺炎やインフルエンザ肺炎とはかなり顔つきの違う部分がいくつもあり、あまりの違いに、やはり『人工的に作られたウイルスなのでは?』と勘繰ってしまうこともあります。


さて、ハワイのコロナも、感染者数は増え、それに伴い重症者も増えていますが、3月の頃の悲壮感漂う絶望的な重症感は少なくなった気がします

レムデシビル、デキサメサゾン、回復期血清などの治療ができるようになったからなのか、それとも変異株なのか、はっきりとは言えないですが、直感的に、超重症者は減ってきた印象です。

アメリカ本土では死亡率がハワイよりもかなり高いので、個人的には人種や文化が影響している可能性が高いかな、と思います。

ハワイでの最新情報は、ハワイ衛生局のページが信頼できます。
グラフがあるので、ぱっと見で理解できます。
↓こちらは年齢層でみた感染確定者・入院・死亡者数です。

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そして超重症になるのはアメリカではやはり肥満、基礎疾患(主に高血圧・糖尿病)、高齢、そして貧困層でしょうか。

↓こちらは人種別のグラフになります。マスクをあまりしない白人、そして貧困層に入ることが多い、パシフィックアイランダー(ネイティブハワイアンを含む、ポリネシア諸島出身者)が多いです。

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アメリカは貧富の差が日本とは比べ物にならないくらい大きく、
医療をまともに受けられない人が結構いるので、そういった人たちはやはり重症になっている印象があります。

そしてこういった貧困層の中には、超情報弱者が含まれています

どのくらいの情報弱者なのか?想像つきますか??

私が最も驚いたのは、

『コロナ?COVID?何それ?知らないけど。』

というレベルの患者さんがいることです。ホームレスでもないのに、です。

もちろん、大抵の人は知っていますが、私が診ただけでも数人はこういう超情報弱者の人がいましたので、おどろきです。

これだけロックダウンとかされていて、テレビもネットもSNSもその話題で持ちきりですが、こういう人もいるんだな、と心底驚きました。

そして、こういう情報に疎い人たちや、最初のロックダウンでストレスが溜まった人たちがクラスターを作って感染が再拡大した、という風にとらえられています。

早ければ8/17にも、再度ロックダウンに近い措置が取られると言われていますので、この期間にまたいろいろなことが滞ったり、経済が停滞したり、いよいよ治安も悪化するかもしれません。

ハワイは物価や土地が高く、仕事をせずに住むのは困難です。
メイン産業の観光業がストップしているため、収入がなくなり、
経済的なダメージを受けている人はかなり多いです。

飲食業も厳しいですが、オンラインオーダー、デリバリーなどはできますので、まだなんとかなっている感じはします。

仕事がなくなって、しばらくは補助金で暮らしていた人も多いのですが、さすがにそれは持続可能ではないので、そろそろ打ち切りになると言われており、それを受けてアメリカ本土に引っ越す人も増えてきています。

日本はアメリカに比べるとはるかに重症度が違いますし、死亡者数も違いますので、アメリカやヨーロッパの話をそのまま日本の状況に落とし込むことはできないでしょう。

ただ、刻々と変わる世界の状況が、日本の政治や経済に影響を与えていることは事実です。

私は、こんな時だからこそ、大きな流れを見極めて、自分にできることを
精一杯やることが大事だと思っています。

今後、こうやって時間差でいろいろな地域に同じような問題が繰り返し起こり、その都度、答えのない難題を乗り越えていく必要があります。

そしてどのようなことが起こっても、コロナが最初に世界を席巻したときに得られた教訓が大事だと思うのです。

健康を維持する。
人とのつながりを一層大事にする。

人との物理的なつながりは、家族などのコアな関係を除いて、分断されています。だからこそ、連絡だけでも取り合うことが大事でしょう。

そしてこんなことが何度起こっても負けないように、健康を維持することがますます大事になってきています。

健康の維持は、第一に病気にならないことです。

当たり前に聞こえるかもしれませんが、病気になってから対処するのと、
病気にならないように予防するのとでは、かりに病気になったときの
重症化・回復スピードなど、あらゆることが違います。

そして、現在の医学は、残念ながら、予防よりも治療に重点が置かれています。

私は、ハワイのこの現状を、繰り返して欲しくありません。
そのために、予防をきちんとできるよう、たくさんの人に日々の生活の中で健康を維持する重要性をお伝えすること、具体的には、医師の立場から見て妥当な、科学的な根拠がある情報を発信する必要があることを、あらためて実感したのでした。

そしてこれは大事なことなのですが、科学に頼るのは、『再現性』という、他の人が真似しても効果がある方法を探すためです。

しかし、再現性をきっちりと証明するのは、科学的な手法では限界もあります。

科学的な手法で証明されないと、ウソやニセの情報なのか?というと、もちろんそんなことはありません。

しかし、ここが難しいところで、証明が難しいからこそ、いろいろなアイディアがあり、どの情報が妥当性が高いのか?を判断するのが難しいのです。

じつは、そういうときに頼りになる方法の一つが、古くから伝えられている方法・歴史に学ぶ方法なのですが、その点も含めて、毎日少しずつお伝えしていきます。

健康になって若さをたもち、美しく生きがいのある人生を送るための
情報発信を、ぜひ楽しみにしていてください!

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