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ジョージアが美味な件 二人飯後編【専業旅婦はジョージア🇬🇪をめざす 6】
今になってジョージアの食に焦がれるくらいなら、もっと計画性を持って挑むべきだった。
ジョージア旅行2週間のうち、で二人飯できた3泊4日 と言えども実質3回の晩ごはん。
その事も考慮すべきだった。
2日目
朝食については別記な程感動と満足があったのだが、そこでつい食べ過ぎ、昼に差し支え、更に夜にまで差し支えてしまうという事態に陥ったのだ。
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おかわりしてデザートまで食べた自分がいけないのだが
初めてのジョージアでの朝は、まだほの暗い8〜11時までの朝食時間前に丘まで散歩。
戻って光あふれるダイニングで盛りだくさんのビュッフェ形式の朝食を摂りすぎる。その後また楽しくひたすらトビリシの旧市街を散歩する。
旧市街を見下ろすナリカラ要塞は改修工事中で、上って下りてアバノトゥバニ温泉街から、ジョージアの母像から、シオニ聖堂から、カルフールまで。
ぐるぐる歩き回って存分にトビリシの街を堪能するが、昼になっても過ぎても一向におなかが減らないのだ。
しかし随所にあるパン屋で見かけるハチャプリが魅力的で、ずっしりくるそれをベンチに座って食べたり、ジョージアの伝統的な携帯食 チュルチヘラ を試してみたりもした。
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ブドウエキスを小麦粉でまとめたもの
ワイン帝国ジョージアのブドウの伝統的菓子?スナック?
チュルチヘラはジョージアどこでも売られているが、伝統的なものなので店先に堂々と裸でぶら下がっている。長さ30cmほどで紐が貫通しているので、初めはロウソクかと、でなきゃ食品店に売られているのでサラミかと思った。
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むき出しでもそんなものかと思うが
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ポコポコと出っ張りがあるのは
ヘーゼルナッツなどに厚くブドウエキス➕小麦粉が
コーティングされているため
私は過剰包装いらない派で、むき出しでも全然大丈夫なタイプ。まあ土産にするならスーパーなどにある個包装がいいけど。
食べてみるとチュルチヘラは、十分おいしくはあるが、余所者からすればおやつとして楽しみに食べるというより、生命活動を維持するための必須栄養が感じられる、やはり携帯食的意味合いが明確な食べ物だ。
その凝縮栄養食品を食べたらおなかにたまりまくる事請け合いだった。
しまった、1日分でおかしくない量を朝食で摂った上、間食にみっしりパンと、栄養ギュッとつまりまくりの携帯食。
大事な2日めなのに、昼どころか夕になっても一向におなかが空かない。
レストランに入ったらボリュームのある一皿が出てくる事が予想され、食事プランの敗北を噛み締めた2日めの夕食は、こうなった。
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こうなるはずじゃなかった
洋梨のレモネードはソフトドリンクにしてはかなり好み
3日目
ということで二人飯としては最後の日。明日は連れがもう先に発つのだ。
どうしても夜はジョージア飯を食べたかったので、朝食は控えめにし(と言ってもボリュームあり)、昼は軽めにスーパーで買ったものでつまみ食い。
そして昨日同様散歩にしては激しい距離を歩き回る。
散歩しながら当たりをつけていた、現地の人を含む何組かが入口付近で待っているレストラン。何度か横を通ったら行列もなく前の人が吸い込まれて行くのを発見し、ここで待ち望んだ夕食を取ることにする。
店名は
სახინკლე
としかわからない。Googlemapにこうあったが読めない。でも入る事はできる。
半地下に下りて行く店内は奥に広がり意外に広く、英語メニューも出してくれるが、それはそれでやっぱり初心者🔰にはオーダーが難しい。
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しかし1日目よりほんの少し勉強したので、食べてみたい物をこのメニューから類推する。
まずは初日にも食べたジョージアと言えばの
Khinkali ヒンカリ
しかしつ5個のつもりで注文したら、ミニマム10個と知らされる。大きさを思うとキツイがいってしまえ 10個
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ちょっとした肉まんサイズ
相変わらずおいしいけど
そして
ხარჩო(Kharcho) ハルチョー
肉の入ったジョージアのスープというかシチューというか。これいきたかったのだ。
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柔らかく煮込まれる
スパイスや香味野菜が効いて
ダイレクトに血となり肉となりそう
これはビーフなのだが、少々覚えのある風味がした。
スープは玉ねぎニンニクの他、米でとろみが少しつけられ、コリアンダーリーフ(香菜またはパクチーのこと)が入る。米の部分がレンズ豆などの豆に変わったら、モロッコで食べたスープ、ハリラ を思い出させる味だ。
うん ハリラ の記憶の蓋が開く。
ヒンカリと並んでジョージアと言えばの Adjaruli Khachapuri(アジャルリハチャプリ)を食べたかったのだが、ハルチョーを頼んだ時点でウェイターから「ハルチョーに合わせるなら基本のハチャプリがいい」と言われたのだ。
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パンの中央に目玉焼きとチーズとバターがたっぷりで
絶対おいしいだろうがカロリー爆弾
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このみっしりさと大きさはかなりのもの
確かにシンプルなこれをハルチョーにつけて食べると、やたらとうまいのだった。
そしてトドメはまたもや私の心を掴んだ
ნიგვზიანი ბადრიჯანი (Badrijani Nigvziani) ナスのバドリジャニ
バドリジャニは何というかバドリジャニとしか言いようのない料理。これを狙っていたのだが、英語メニューでは Eggplant with Walnuts というのがそれに違いない。冷製のヴェジタリアンの一品だが、口絵画像のこれにしてやられた。
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目にも舌にもおいしい
スウィーツみたいな彩りの野菜の一品だが、手が込んでいて、しっかりした薄切り揚げナスの油がジュワッとしたところに、これもニンニクとハーブがしっかり効いたクルミペーストが詰まっている。揚げ油やクルミの油分で濃厚な満足感がありつつ、酢やフルーツの酸味があっておいしいのなんの。
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スパイスとハーブ、ナッツとフルーツ使いがジョージアの食の特徴で、東洋と西洋 アジアとヨーロッパ その交差点でどちらの影響も受けている。というかもしかしたらどちらにも影響を与えている。
ワインのように実は本場中の本場だったりする。
だからモロッコのハリラに似ていたり、中国の小籠包に似ていたり、パキスタンのナンに似ていたり、中東のケバブやロシア料理の影響も大だったり、バドリジャニのようにジョージア独自のおいしい取り合わせを温存していたりするのだ。
こんなにおいしいのに、あまりに提供される一品の量が多く、せめて二人飯で食べておかなければ今後一人飯で試せる品数が少なくなるのは確実だ。
かくなる上は食の面においてもジョージア再訪しよう。いやする。
という事で、アジャルリハチャプリも、日本で一番有名なジョージア料理 シュクメルリさえも結局ジョージアで食べていない。
だから絶対また行くし何なら何回でも行きたい。
だからロシアのウクライナ侵攻他政情ゴタゴタもあるだろうけど、歴史的にもタフなジョージア🇬🇪を信じて、また恋焦がれることにしよう。