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ナンバンアカアズキ(サガの実) うちにあって 日本の一般家庭の1%未満にしかないだろうと思うものを挙げてみる その11


何の実だろうとずっと思っていました。
確か15年前のことです。

しばらく拾った場所は何となく覚えていて、もう一度これを拾いたいものだと思っていましたが、クアラルンプールの市内に行くことはそれ以来なく、手元にあるそれを見れば見るほどもっと欲しくなっていたのでした。

そのくせそれをどう活用したらいいのかも思いつかず、時折取り出しては掌に乗せてカチャカチャぶつかり合う感触を楽しみ、やがてしまうの繰り返しでした。

この実にははっきりした特徴があります。

まずあまりにも鮮やかな赤い色。紅と言った方がいいのかな。花弁ではなく実、それも種の部分が赤いのです。果肉の部分が赤いナナカマドやテンナンショウやリンゴやトマトはあっても、種子がこれだけの真紅のものはあったかな?

そしてその質感は子どもの手に握られる前の糖衣がほころびていないマーブルチョコレートのよう。もちろん赤。

そしてちょっと真ん中の凹みは足りないけれど、色も相まって❤️❤️❤️に見えるその形。

昔から赤い実好きの私の心にズキュンとくる愛らしさ。

この形状は種の中でもマメと言っていい?

大きな通り沿いの街路樹の下にパラパラと落ちているこれを見つけ、テイクアウトした夕食の鶏飯を入れたポリ袋に数個を突っ込んだ私は、出発する翌日の朝小学生と3歳だった子ども達を連れて同じ場所で一生懸命拾いました。
地面に落ちているこれが、どのような木にどうやってできているのか?
見上げても熱帯のモジャモジャとした大木の茂みがあるだけで、裸眼のまま出てきた視力0.2の私に見える訳もなく、謎のハートの実として温存していたのでした。


そして15年目の先日いきなり判明しました。

図書館で見かけた「世界のふしぎな木の実図鑑」

背表紙だけでピンときて手に取ったら、数々の他の木のみの写真と共にこの赤い種子が。

ナンバンアカアズキ(サガの実)とあり、その横にはマメとしてこれもまたかなり懸命にねじれたサヤの写真もあります。

熟して真っ赤なハートを弾け飛ばせていたんだね。

そう、いつもこの実の事を考えていた訳じゃないから、思いつきませんでした。15年前にはなかなか探し当てられなかった種名でも、今ならGoogleの写真検索をすればよかったんだと。

いざ種名がわかれば色々調べられます。

中でも「重さが均一で4個が1gになることから、かつて金を計る分銅代わりに使われていた」というのは興味深い。

試しに手持ちが43個だったので、40個にして重さを計ってみました。

11g

10gであるところ11gというのは金に換算すると痛いような気もしますが、普段小麦粉なんかを計る安物キッチンスケール(中国製)と思うと全く誤差範囲という気もします。

それより
「100個集めると幸福になる」
という言い伝えがあるとは。
あと57個の為にクアラルンプールのうろ覚えのあの場所に行きたくなってきました。

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