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台湾(着物で)旅游 朝晩温泉♨️日帰り淡水編【専業旅婦の着物で🇹🇼❺】
朝食バイキングで満腹になったら、温泉地で散策にちょうどいい 地熱谷 へ散歩する。
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湯気が立ちこめる
私たちと同じく宿泊客達で賑わう
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初冬の朝は気温も低いので
一度座ったら立ち上がりたくないほど
気持ちがいい
明治時代、日本人が開発したこの北投温泉。日本の温泉地とよく似た光景だが、強いて言えば温泉卵が足りない。温泉饅頭もだ。
台湾だから温泉五香蛋でも温泉豆沙包(あんまん)でもいい。
友人が台湾温泉アドバイザーになったなら、これも提案してもらおう。
はっきりわかる硫黄のにおいと、ちょっと青緑がかった透明な温泉は、前月のジョージア トビリシのキエフ温泉みたいだ。あちらの成分は不明だが、こちらはラジウムを含む希少な北投石が成分にも地名にも関係している。
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残念 強酸性の46.5℃の歴史ある公共浴室
入ってみたかった
そしてお決まりの、「あそこはどうなっているのだろう、あんなところに住んでみたい」と意見が一致したのはこれ。
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それともエレベーターもしくは螺旋階段があるのか?
扇形の一区画の部屋はどうなっているのだろう
それぞれ出窓にしたりネット張ったり
工夫が楽しそう
滝之湯が閉まっていたので、宿に戻って今日は部屋で入浴。一人で入るには相当広い部屋の温泉。ドボドボと溜めてゆるゆると朝風呂を堪能した。
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実はヒノキをタガで束ねたあの桶でも
木に似せたプラでもない
彫り出したようなような木製で肌にやさしい
さて北投温泉に連泊しつつ淡水に足を延ばす。
見どころいっぱい。観光らしい観光をする。
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淡水の名物は海鮮、阿給、蝦巻、鐡蛋だ。
阿給(あーげい)は日本の厚揚げをアレンジした(つまり あげ)、B級グルメ。中に春雨を詰めて魚のすり身で閉じた物にソースがかかっている物のようだ。
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ソースは辛味がありトマトを使うところも多い…… と。
名物を食べるつもりで昼は阿給にしようとは思っていたが、嫌いな訳ではないが今はトマトソースに実はそれほど魅力を感じない。たまたま阿給のお店の一軒目が休みで、二件目は材料切れと言われたので、ここで私の旅行中是非ともしたい事
鴨肉を食べる
を発動させることにした。櫻鴨館で鴨便當にして、見晴らしのいい海辺のベンチで食べる。
大満足。鴨を食べるのは初めてという友人も美味しかったと言うが、私には彼女が鴨肉より店のお兄さんに、より心惹かれたように見えた。
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より好みである香港式茶色いローストダック
蝦巻の方は夕方買い食いをする。
プリプリの蝦が入っているわけではなく、すり身みたいのがワンタンの皮で巻かれ串打たれて揚げてある。スナックにちょうどいい。
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好みのソースをつけて
鐡蛋(濃厚味付けウズラ卵)は友人が土産に購入。
何だか 着物で旅する台湾 というテーマで旅行に出たが、実は着物の特別感がどんどん薄れてきた。
確かに着てはいる。
しかし着物でイメージしそうなちゃんとしたお店での食事は初日の夜だけで、後は市場の食堂や買い食い中心。
2日目茶藝館でのお茶体験はすごく良かったが、その後はホテルサービスの駄菓子をおやつタイムにつまむだけで、映え系スィーツもパスしている。
闇雲に歩かず、タクシーも利用して……と誓っていたのに、気づくと1日15000歩以上歩き、この日も着物と草履で22000歩だ。まあ歩幅が洋服より狭いかもだけど。
超普段着ってこともあるけど、もはや普通の「大人女子旅 それにしては庶民寄り」くらいレベルだ。
北投温泉にある能登の高級温泉宿「加賀屋」提携の「北投日勝生加賀屋」では、本家さながら従業員も着物で、宿泊客用浴衣もあるようだ。
淡水では着物姿の台湾人の女子にも遭遇。(北投温泉に着物レンタル店があるのを後で知る)
私達の普段着物は珍しくもなく現地に溶け込んでいただろう。
この日一番着物である事を意識したのは、淡水から対岸の八里へ渡し船で行った帰路のこと。
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八里老街にもお店が並ぶ
出航が近い船に乗り込もうと、埠頭で友人が急いで走り出す。
その姿を見た係のおじさんが私の横で「ヒッ」と息をのんだ。
「没关系 没关系 慢走 慢走!」 (大丈夫 大丈夫 ゆっくりゆっくり)
と悲鳴のような声をかける。友人は、自分に声をかけられているとも思わず、着物と草履で駆け抜け船に乗り込んだ。
見るとおじさん、着物姿で走る彼女に相当肝を冷やして目をむいていた。
大丈夫です。彼女の草履捌きにブレはないんです。
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船の中で見ることになった
夕食は北投温泉に戻り、昨夕で味をしめたコスパのいい自助餐館(セルフサービス食堂)でとる。今日は素食(ベジタリアン)ではないが、野菜のおかずがたくさんあるのが魅力。
毎度ながら500円以下でこんなバラエティに富んだメニューが食べられるって本当にいい。
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にんじんシリシリを見て
やはり沖縄と近い事を実感して取ってしまう
今日は紫菜湯(海苔スープ)
スーパーに寄り、土産のお菓子類を荷物の隙間に入る分だけ買い込んだ。
今日は大浴場ではなく、それぞれもう一度部屋の温泉♨️に入ってじんわりする。
4泊目、旅の最後の夜は小上がりでくつろぎつつ、日本の温泉地で旧友に会ったのと何ら変わらないようなおしゃべりをする。40年も前の学生の頃の事とか。
友人は9月に学生の時の友達グループの安否確認の旅で、小樽→札幌→函館→京都→と、福岡の自宅まで日本縦断していたのだ。ジョージア旅行中で会えなかった私だが、台湾で彼女に仕上げに安否確認されたのだった。
故郷の北海道で、今回友人が一番感動した食べ物の話になる。
友人たちは定山渓温泉のちょっといい宿に泊まって、そりゃあグルメの宝庫北海道の山海のご馳走づくしの宿の夕食がおいしかったのは間違いないが、一番の感動は
セイコーマートのホットシェフ 筋子おにぎり
だと言う。わかるわかる。
日本一のご馳走ではないかもしれないが、コンビニで、300円台で、ボリュームのある量で、あったかくて、美味しい筋子たっぷりのものが食べられる。
この感動は道外住みの私達なら特に身に沁みる。
台湾も同じく、高級店でなくても、この値段でこんなおいしいものを手軽に食べられるなんて!を体験できたら大成功。
だからこの旅は成功ということで。