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#22 好きな服を着てるだけ悪いことはそれほどはしてないよ

MEDE19 水仙ピアス 縦4cm×横3cm エナメルの白い水仙の花束に緑の茎 花の真ん中にはそれぞれ小粒のラインストーン
*かわいいもの着たい症候群継続中。これは多分、今狙っているnori enomotoのバッグや小物を手に入れない限り完治しない。いや、どうだろう、手に入れても寛解って感じかな。「アクセサリータワー」と自分で名付けた10段の引出し、下から2番目と3番目がピアスの段。昨晩は男からのLINEがあって、明日のはずだった夜のデートが今日に変更になった。かわいくて、可憐なもの!それしか身につけるわけにはいかない。たくさん持っている、かわいくてドギツいものではダメだ。おお、君がいたではないか。存在感のあるサイズだが、かわいらしく可憐な水仙の花束のピアス、季節もぴったり。じゃあ今日は、黒と白のコーディネートにしようね。
*この「アクセサリータワー」はネットで購入し、クローゼットに設置するのは夫にお願いした。夫は引出しを開けてみたりじっと眺めたり。こんなにアクセサリーを集めてどうするんだ、と怒っているのかな?と少しドキドキした。しばらくして、夫のプラモデル部屋に私のアクセサリータワーによく似た、しかしもっと品質のよい引出しがやってきた。そうか、自分もほしかったんだね。中にはプラモデル塗装用の塗料や筆などの小物がきれいにぎっしりと並んでいた。夫の生前、用がなくてもその引出しをときどき開けて眺めた。夫の性格そのままに、整理整頓されている。私と夫は職場で出会ったのだが、職場の机もこんなふうにいつでもきれいに整頓されていた。ものの置き場は決まっていて、使い終わったらすぐに元の場所に戻す。私もそういうたちだけれども、慌てているときや気持ちが混乱しているとき、メンタルがどうかなっているときは何をどこに置いたのか忘れてしまうことも多い。夫にはそういうことは一切なかった。気分の浮き沈みがなく、あったとしても表には出さなかった。日々淡々と、なすべきことを丁寧に行っていた。しなくてもいいと判断したことは潔く切り捨てていたから、切羽詰まるということもほとんどなかった。真逆の性格の私を責めることは一切なかった。むしろ亡くなる直前まで、私のことを心配していた。気に入るととことん集めてしまう性格で、そこは私とそっくりだった。だからお互いの収集癖について文句を言い合うことはまったくなかった。夫が亡くなったあとのプラモデル部屋に入るのは辛かった。夫が大好きだったものたちが整然と、いや、最後の半年ほどは無理だった。ヤフーオークションで安く競り落としたプラモデルの入った段ボール箱が、ただ積み上がっていくだけになっていた。プラモデル部屋のある2階に上がることもできなくなっていたので、その段ボール箱を置いたのは私だ。作りかけの戦車のキャタピラには、長い間手を触れた気配はなかった。いつのころからか、もう無理だということはお互いなんとなくわかっていた。集中力も体力もなくなってしまっていて、好きな読書もできなくなっていた夫が、入院先から電話してきたことがあった。「もうプラモデル買うのやめたほうがいいかな」。「これからまだ作れるかもしれないんだし、今はプラモデル買うしか楽しみがないじゃない。楽しんで買いなよ!」。最後のプラモデルが届いたのは、夫が亡くなって3カ月ほど経ってからだった。「お父さんのプラモデル、また届いたよ!どんだけプラモデル好きなんだろうねえ」と笑って息子と眺めたが、段ボール箱を積み上げるときは平静ではいられなかった。ちょうどそのころ、私は出勤することができなくなり、リストカットやODがやめられなくなり、正気のないまま車を運転して多分どこかにぶつけて廃車にしたり、庭で昏倒して救急車を呼ばれたり…などしていたらしい。夫はあの世でさぞ私のことを心配していたことだろう。その後、プラモデル部屋はなくした。引き取り手があるものはもらってもらい、売れるものは売り、売れないものは捨てた。息子と選んで、「お父さんの思い出」としてほんの一部の作品だけ残した。今でもその作品をきれいに並べた飾り棚を直視することはできない。

OJO DE MEX メルカドバッグ 白
*真っ白いバッグがほしいくて探したもの。水仙ピアスの白と合わせるために、今日はこのバッグ。メルカドバッグはかなり前から流行っているので商品としてはたくさんあるのだが、あまり安いものを持つと私は本当にもの哀しい感じに見えてしまうので、本来の目的である市場でのお買い物用バッグとしては随分高額なものを選んだ。安価なものを持っても全然貧乏くさく見えない人もいて、心から羨ましく思う。私は身長が高く体格もいいので、服に関してもそれなりに生地のよいものでないと老け込むというかしょぼくれるというか。表面積が大きいのだから仕方がないのだろう。アクセサリーも、中途半端に小さなバッグだと死んだネズミでもぶら下げているかのように見えてしまう。大きめのバッグだとやはり表面積が大きいので、リアルレザーなどの高品質なものを選ばないとみじめったらしいことこの上ない。ということで、メルカドバッグもレザーではないけれどお高めのものになった。とても気に入っているので、後悔は全然していない。
*中身はいつもと同じ。近沢レースのタオルハンカチはトープのタオル地に同じくトープとアプリコットピンクの紋章化された花柄レースの縁取り。

UNFIROティアードニットワンピース サイズXL
黒 ハイネック 袖ゆったりめ ネックと長めの袖口はリブ編み 太腿真ん中辺りからギャザー
*登場回数の多いワンピース。
*昨日から気温が下がってきたので、インナーはUNIQLOウルトラヒートテックの黒と、ペチコート。

ICB ADSショールカラーダウンコート サイズ40 黒
*こちらも3日に1回は着ている。

23区 サイドゴアレザーショートブーツ サイズ24H(筒周り、幅広め) 黒
*この秋冬のお気に入りブーツ。公式サイトで見つけた。いつも行く店舗では取り扱いがなかったので、初めて行く店舗で試着し、即購入した。特にブーツで筒周りと幅が広め、かつ高品質のものはめったにないので、たとえ金銭的に余裕のないときでも買っておかないと絶対に後悔する。包んでもらっている間うっかり他の商品もつらつらと眺めてしまい、素敵なセットアップが目にとまり、ついつい試着もしてしまい…。よくあることだ。

SEIKO腕時計 ステンレス ソーラー電波式

Zoff眼鏡 細い黒縁 レンズ大きめ 遠近両用

LeSportsac3ZIPポーチ
*中身はいつもと同じ。口紅は昨日と同じ、INOUI 01のグレーピンク。30年前と変わらず、かわいくもモードな発色。普段は花王を愛好しているが、モードを味わいたいときはやっぱり資生堂。

LeSportsac RECTANGULAR COSMETICポーチ
*中身はいつもと同じ。昨日の男からのLINEでは、「軽く夕食でも…その後は任せます」とのこと。それはいやだ。男のほうから、求めてほしい。夕食のあとは、ホテルに行きましょう。あなたとセックスしたいのです。いや、私だってそう思っているけれど。だから正直に返信した、私に任せないで、あなたからそう言ってほしいと。彼は、私の望んだ言葉を返してくれた。これが、心のどこかでちょっとでもイヤだなと思っている男から同じことを言われると、ただただゾッとするだけなのだが、心底愛おしいと思っている男からだととても嬉しい。私はもちろんあなたとセックスしたい。あなたも同じくらい、そう思ってくれている?白い水仙のピアスを選んだときから、下着は決まっていた。intimissimi、真っ白なシルクサテンのブラレットと、同素材のショーツ。ショーツはバックのみ総レース。ブラレットはワイヤーもパッドもないなんともやる気のないブラ。中山まりこの著書『大人のおしゃれRULE BOOK A to Z』(宝島社)に、「寄せて上げるなんてもってのほか。下がったバストラインはそのままでいい。歳を重ねた女性のデコルテは、願っても明日には叶わない、そういう美しさが宿っているのだから。」とあって、そう、これこれ、と得心した。以来、ブラジャーはノンワイヤーノンパッド。社会通念上許されない場面では乳首の形がわからないブラジャーにするけれど、それ以外はゆるゆるたらたらのブラジャーを愛用している。それまで持っていたコルセットのようなゴツいブラジャーとショーツのセットは全部処分した。まりこ様ならきっと高品質、高価格のブラジャーをお召しだろうけれど、私はそういうわけにもいかない。それで見つけたのがイタリアのブランドintimissimi。やる気のないブラジャーとショーツのセットがたくさん見つかる。品質と値段が今ひとつ合致していないのが玉にキズだが、国産ブランドで同じようなものが見つからないので目をつぶる。今日もハイゲージのニットワンピースの上からなんとなく乳首の形がわかってしまうけれど、気にしない。ショーツは汚したくない。もちろん骨盤底筋をいつも締めるよう努力はするけれど、脱がせてもらうときに尿もれしていたりおりものの汚れがついたりしているのなんて絶対にいやだ。朝から吸水パッドをきちんと着ける。別に彼が何かコメントしてくれなくてもいい。白いピアス、白いバッグ、白いブラジャーとショーツ。彼と会うときに、自分がいい気分でいられるコーディネートをしている、という実感があればいい。


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