【ブルアカ】イベスト -iveaLIVEが良すぎたという話(ネタバレ有)
放課後スイーツ部推し先生待望の、スイーツ部がメインとなる第2弾のイベント 「-iveaLIVE」が良すぎて、色々語りたくなってしまった次第。
※本記事はイベスト「放課後スイーツ物語 甘い秘密と銃撃戦」のネタバレも含みます。
イベント概要
「トリニティ謝肉祭」のオープニングセレモニーの商品である「フレデリカ・セムラ」を手に入れるために、放課後スイーツ部がバンドに挑戦するというところから物語が始まる。
今回はそんな放課後スイーツ部の部員「アイリ」に焦点があたり、彼女の部内におけるポジションや、そんな彼女が抱える悩みがより鮮明になったイベントだった。
「栗村アイリ」という人物
さて、イベントの中身に入っていく前に、今回のイベントでフォーカスが当てられた、私の推し生徒でもあるアイリについて紹介しようと思う。
プレイしている先生方はご存知の通り、ブルアカの舞台「キヴォトス」に住む生徒たちは、隙あらば銀行強盗な女、戦車を盗むアウトローをはじめとし、とにかく個性が強い。
行動や性格ももちろんなのだが、個性的なビジュアルをしている生徒もたくさんいて、その個性的な生徒の多さから、ブルアカをプレイすればかならず自分の性癖に合う生徒が見つかる「性癖のデパート」と揶揄される程である。
では、そんなキヴォトスにおいて「栗村アイリ」という生徒はどのような生徒かというと、とにかく普通である。
悪い言い方をすれば、別にブルアカをプレイしなくてもこんなキャラクターいそうだよな…と思われてもおかしくないほど、普通なのだ。聞いてるか、ヒフミ。
だが、とにかく個性の強いキヴォトスの世界だからこそ、彼女の「普通の女子高生感」が強いアクセントになっていて、このゲームで私が彼女を好きな理由の1つでもある。
控えめな性格であり、放課後スイーツ部の集まりの中であっても主張が弱いので、とにかく流されるままという印象も強い。
そんな彼女も自分の性格を気にしており、絆ストーリーでもそれが語られている。
これに対し先生は「好きなスイーツの話をしている時のアイリの目は輝いていてその時のアイリは凄く積極的だったよ」と応えるのだが、
アイリの自己評価の低さとは裏腹に、彼女の積極性が垣間見える場面をいくつか紹介しようと思う。
下記は放課後スイーツ部のグループストーリーのワンシーン。
ヨシミとカズサの喧嘩(まぁ、これはいつもどおりなのだが)を諌めるため、カズサに自分の持ってるスイーツを差し出すシーンである。
このアイリが他のスイーツ部面々に対して「あーん」をするシーンはどうやら日常的なことのようである。
秋葉原でブルアカ2周年を記念に開催された「ブルーアーカイブ ~暗号仕掛けの挑戦状~」でも同様のシーンがあり、その際にヨシミが「アイリはスイーツ絡みだとこういうことする」と述べている。
また、アイリはスイーツ絡みではなく、先生に対してもかなり大胆なことを言う時がある。
例えばロビーに戻ってきた際に「スイーツ食べにいきますよね?」と、まるで先生と出掛けることが確定事項のようなことを言ってくるのだが、これはまだ序の口である。
イベントの度に先生をデートに誘っていたり──
さらっとトンデモないことを言ってのけたり──
ここまでくると最早告白に近くなってくる。この女、ヤバすぎる──
と、彼女の積極さはこれだけ貼れば伝わると思うのだが、恐ろしいのはこれをもってしても「自分は消極的」という自己評価を持っているところである。
つまり、これらの行動を彼女は無自覚のうちにやっているということなのだ。かーっ、見んねカズサ!
今回のイベントストーリーは、絆ストーリでも少し触れられた、自己肯定感の低い彼女の悩みを更に掘り下げた内容となっている。
もちろん、他のスイーツ部も魅力も存分に語られているので、これからはナツやカズサ、ヨシミの話もしながら、いよいよイベントの中身に触れていくとする。
本当にそのままでいいの?
今回のイベントは、トリニティの一生徒の問いかけから始まった。
学園祭の出し物として放課後スイーツ部がカフェを開くことに対して、アイリの友人がアイリに問いかけた何気ない一言だが、平凡で普通の彼女の頭の中に、ずっと残り続けることになる。
友達と別れた帰り道、偶然見かけた路上ライブの演奏に感銘を受けたアイリは、その後突如として放課後スイーツ部の面々に対し「バンドしよっ!」と声を掛けたのだった。
この、たまたま見かけたライブに影響されて楽器を始めようとする場面が、奇しくも自分がギターを始めたきっかけに似通っていた。
自分で言うのも何だが、勉強はそれなりにできていたけど、特にパッとした特技もない。
大学に入って、折角なら何かやろう…そう思いながらサークル巡りをしていたとき、偶然軽音楽部が入学生歓迎ライブをやっていた。
その先輩方の楽器を弾く姿に憧れて、自分もギターを始めたから。
でも、きっかけなんてそんな些細なことだったりするよなぁ、と思う。
放課後スイーツ部、実はバラバラ
アイリの突然の勧誘に困惑する他3人だが、学園祭ステージで入賞すればスイーツの女王「フレデリカ・セムラ」を手に入れることができるというアイリが見つけた宣伝ポスターに釣られ、何だかんだで期間限定のバンド活動をスタートすることになった放課後スイーツ部。
そこで、先生がバンドに関して質問をすることになるのだが、その質問に対する答えは見事なまでに全員バラバラである。
仲良し4人組なのかな?(いや、実際仲良しではあるのだが)と思われる放課後スイーツ部だが、4人とも性格や考え方は全く異なっている。
だからヨシミとカズサが言い合いをするのも日常茶飯事だし、ナツがカズサを揶揄い、カズサにボコボコにされるのもまた日常茶飯事である。
そんな、喧嘩の絶えない彼女たちがどうしてずっと一緒にいるのか。それは後々。
アイリに「きっかけ」を与えた人物
選曲担当となったアイリは、結局自分で最適な曲を考えることができず、先生の元に相談にくる。
そこでアイリが先生に「どんな曲が正解だと思いますか?」という質問をする。この時点でアイリが既に焦燥に駆られつつあるように見える。
もしかしたらバンド演奏が決まったその晩に、コーディネートのベースまで決めてしまうヨシミの行動力・決断力の早さを見て、自分も上手くやらないと、となってしまったのかもしれない。
それに対し先生が「最近一番良いなと思った曲は?」と問いかけると、アイリが「バンドをしよう」と思うきっかけを与えた人物がいたということが(先生の視点で)判明する。
そして、その人物を探すため、先生とアイリは夜の街へ出ることとなった。
途中、親切に対応してくれた通行人との会話を終え、先生を追いかけようと走り出した後、引き返してしっかりお礼をする場面は、アイリの性格を表す象徴的なシーンでもあった。
早朝まで及ぶ探索の末、先生とアイリは、探し人である女子学生を見つけることができた。
名前は「椎名ツムギ」。
正式にワイルドハント芸術学院のネームド生徒が出たのは初めてでしょうか。七囚人の1人である清澄アキラも、ワイルドハントの生徒ではないかと推測はされていますが。
彼女も彼女で、先生が「ちょっと変わってる人」と称するぐらいには変わった人物であり、キャラが立っている。少なくとも、普通ではない。
彼女はどうやら5thPVの1:05あたり、一番左下の船に搭乗している後ろ姿が映っているらしいので、気になった方は是非見てもらえれば。ブルアカってこういうところが本当に細かい。
そんなアイリが興味を惹かれた人物と再開できたのも束の間、曲選びを手伝ってくれるという彼女に対してアイリが放った一言が…
である。
失敗できないという「焦り」、失敗はしたくないという「恐怖」から、とにかく正解を求めてしまう。
そんなアイリに対して彼女は「音を奏でる理由は人それぞれ」としながら曲の候補を上げ、そしてアイリに助言をして去っていく。
正直、芸術を学ぶ学生に対して「テストで合格できそうな曲を」というのは失礼だと取られても仕方がないと思うのだが、ツムギはそこからアイリの焦りや恐怖心を感じとり、助言までしてくれる優しさ。
ちょっと発言がゲマトリアっぽいのに笑いそうになってしまうのですが、彼女、いいキャラしててとても好き。
アイリの悩み、そして挫折
バンド練習が始まり、夜に先生がスタジオに練習の様子を見に行くと、アイリが一人で黙々と練習していた。
聞けば他のメンバーの上達速度が早く、ついていくだけで精一杯なのだとか。
「音を楽しむ」とかいて音楽なのに、今のアイリには楽しむ余裕はなく、むしろ上達する周りと比較して余計に焦りを感じてしまう状態に陥ってしまっていた。
自分がギターを始めた頃は、Fコードが綺麗に鳴るようになっただけでも感動もので、楽しかったものだが…
2週間という短い期間で1曲弾けるようにしなければならない…しかも周りに遅れを取っているとなれば、確かに楽しむ余裕はないのかも。
そして、アイリが「バンドをやりたい」と言った理由、その本音が明かされます。
絆ストーリーでも触れられていた悩み。
先生はその時「今のままでも良いと思う」と答えはしたものの、そうは言ってもそう簡単に割り切れるようなものでもないよね。
この「自分の意見をはっきり言えない小心者の私」がもの凄く自分に刺さってしまった。自分も、どちらかというと流されるよりの人間だったから。
何か思うことがあっても、結局発言する勇気を出せず、そのまま意見を述べる機会が終わってしまう……。それで後悔することは数知れず。
しかし、その願いも虚しく、他のメンバーに遅れを取り続けてしまったアイリは、ついに挫折し、失踪してしまう。
放課後スイーツ部がまとまる理由
ヨシミ、ナツ、カズサ。
性格も個性もバラバラな3人が、アイリに関することとなると、突如として一致団結するのである。
いつも煽り合ったり、言い争ったりしている彼女たちが、アイリのことになると真剣になるのがとても良い。
その片鱗は最終編でも見られるのだが……最終編については未読の先生もいると思うのでここでは差し控える。
先生はアイリのことは任せて、と言い残して去っていくが、それはそれとしてただ待っていることなどできないのが放課後スイーツ部。
アイリがなぜ失踪したのか、その理由を真剣に考える3人だが、最終的に「よっぽどフレデリカ・セムラが食べたかったに違いない!」というあらぬ方向へ帰結してしまう。
そもそも、彼女たちがアイリの悩みについてこの時点で正解を導き出すのは不可能なのかもしれない。
アイリの自己評価の低さと裏腹に、彼女たちは今のアイリが好きであり、アイリのことを「何もない平凡な人物」とは思ってもいないからだ。
そして、アイリに「セムラ」を食べさせるため、学園祭運営委員会にカチコミに行くことになった放課後スイーツ部の面々なのであった…。
「アイリがいない部活なんて守る意味がない」が共通認識の放課後スイーツ部3人、あまりにも良すぎる…!
というか、ヨシミが思った以上にアイリ好きすぎて堪らない。
憧れと劣等感
一方、深夜まで自分の代役を探そうと街中を彷徨いていたアイリ。
ついに、アイリが抱いていた感情の全てがここで明らかになります。
「大切な友達」だからこそ迷惑はかけたくない。
足を引っ張りたくない。それなのに、上手くいかなくて。できなくて。
涙に詰まりながら、私は全然ダメで、と。
自分が言い出したことだから、余計に辛いんだろうな、と。
当然、ヨシミもナツもカズサも、アイリに優しく声をかけてあげるわけだが、完全に負のスパイラルに陥ってしまっている彼女にとっては、それが逆に苦痛となってしまう。
これは勿論、彼女がこの負の感情に囚われているのはあるけど、恐らくアイリがミスをした時と他のメンバーがミスをした時で対応が違う、っていうのもあるのかもしれないと思った。
今回のイベント内でスチルとして登場しなかったが、5thPVには屋上で練習をしているシーンのスチルがあり、ここではヨシミがミスしたのであろう場面のカットがある。
カズサ「ヨシミ、今ミスしたでしょ」
ヨシミ「仕方ないでしょ!ここ難しいのよ!」
こんなやり取りが為されているのが容易に想像できるのだが、これがアイリがミスした時だけ皆から優しい言葉をかけられたら、アイリの性格上「気を遣われているのかな…」なんて思ってしまうかもしれない。
人間というのは自分と他人をどうしても比較しがちで、みんなにはあって、自分にはないものがあると、どうしても劣等感というものを感じてしまう。
アイリの場合も他の放課後スイーツ部の3人と比較して「私だけ何もない」という自己評価を下してしまった。
そして、アイリが彼女たちの何に憧れているのかもここで述べられる。
この「何者かになりたい」という気持ちは、思春期の子どもたちの多くが悩まされるテーマの1つでもあると思う。
SNSの反応を見ていても、そんなアイリの境遇に共感を覚える人が多かった。
でもね。
カズサはアイリみたいな「普通の女の子」に憧れて。
ヨシミはきっと似たようなことをアイリに対して思っていて。
ナツは……アイリに対する価値観はあまり明確には述べられていないけど、アイリのことを大切にしているのはわかる。うん。
それが分かっている先生だからこそ、最後はアイリをスイーツ部3人の元へと送り出し、皆に話すように勧めたのだろう。
再会
「フレデリカ・セムラ」を盗む企みを働いた結果、正義実現委員会に捕まってしまった放課後スイーツ部の3人。
しかし、全て失敗とまではいかず、セムラの一欠片を入手していたのだった!
それと引き換えに、部室はもう使えないだろうという放課後スイーツ部の面々。
それに対してアイリは「どうして、私なんかのために、ここまで…」と。
アイリをこよなく愛する3人と、自己評価の低いアイリ。
これまで、いつも皆一緒にいるのが当たり前で、お互いの気持ちを使える機会も、無かったのだと思う。
アイリからとってみれば、3人は「何も無い私にも優しくしてくれる、大切な友達」という認識であり、それがきっと、アイリ自身を苦しめる理由の1つになっていたのだろう。
放課後スイーツ部を立ち上げた時「みんなと同じ立場でいたい」と言ったのも、平凡な自分なんかが上に立つ資格なんかないという意識が、根底にあったのかもしれない。
先生は、アイリに自分の気持ちを伝えるよう言い残して、正義実現委員会に今回のトラブルの言い訳をしにいく。
先生の、生徒たちのやり取りには必要以上に介入せず、見守るべきところは見守るというスタンスが、今回のイベントストーリーでもしっかり貫かれていた。
イチカに話をしにいく場面では、絆ストーリーの中で描かれた、先生とイチカとの約束事も回収されていて良かったと思う。
いつもありがとう、イチカ。
そうしてイチカと別れた先生は、次に椎名ツムギと再会する。
しかしまぁ、ログだけ見るとゲマトリアというか、何だか黒幕感が…。
放課後スイーツ部の問題は収束しつつあり、もはやこの場に、私の出番はなかったのかもしれませんね、というツムギ。
そこでツムギは「アイリの不安や劣等、葛藤について、不都合から目を背け、問題を先送りにしただけなのでは?」と問いかける。
それに対する先生は「誰しもが持っている自然な感情だから」と、よくあること、普通のことだよ、という答えを返す。
この「誰しもが経験のあること」について、否定せず、あるがままを受け入れる「いいじゃん、それで。」という先生のスタンスは、メインストーリー第5章「百花繚乱編」にも通ずるものがある。
特にアイリの場合は、その「何かを持っている人たち」と評する3人を束ねることのできる存在であり、それは、アイリにしかできないことで。
もうすでに「何者でもない」存在ではないのだから。
あとはアイリ自身の意識の問題でしかないのだ。
最後に、ツムギは自身が作曲した曲を先生に手渡す。
その曲には歌詞はなく、歌詞はアイリが手ずから考えるべきだと。
たった1回出会っただけの女の子を心配して、様子まで見に来て、更に曲まで作ってくれる心優しい彼女。
最後、私たちの公演をぜひ見に来てくださいという誘いとともに、「私の周囲は個性的だから、私の存在は埋もれているかもしれない」と言い残すところをみると、その実アイリに共感するところがあったのかもしれない。
でも、ツムギは例え自身の存在が埋もれていたとしても決して悲観はせず、仲間たちと音楽を共に楽しめれば、それで構わないというスタンスであった。
答え合わせ
アイリの抱える問題は、部員との話し合いの中で速やかに解決する。
カズサが放課後スイーツ部に所属した理由、それは──
まぁ、こうしてチキったカズサではあるが、そこはヨシミがフォローしてくれる。
こういう時のヨシミはやっぱり頼りになる。
そして、アイリのこの悩みに関して、最も理解者になれるのがカズサ。
前回のイベントストーリーではカズサが過去、不良少女(スケバン)であったことが明かされ、過去のことを忘れ去りたい彼女と、その周りをとりまく環境が描かれている。
そんなカズサが憧れ、スケバンを辞めるきっかけとなった「普通の女の子」こそがアイリであり、カズサはアイリと同じような女の子になるために必死だった。
最終的にはレイサや、カズサの過去を知った他部員とのやり取りを経て、彼女は「全く同じになる」必要はないと気付いたわけだが。
そんな、自分が憧れていた女の子が、まさか自分と似たような悩みを持っているだかんて、カズサには思いもしなかっただろう。
お互いがお互いに憧れる、カズサとアイリの関係性が良い。
最後にナツ。
ナツは結構自由人だけど、それでいてちゃんと人のことをよく見てるんだよなぁ。
アイリが失踪したときに「表面的にはいつも通り笑っていたけど、肩の力が入っているような感じがした」とか、よく見てるなというのが伝わる。
最後にナツがアイリに問いかける。
この場面で、ティザーPVから3rdPV、放課後スイーツ物語や古書館イベなどで放課後スイーツ部が登場していたシーンが流れた時は、放課後スイーツ部推しの私にとっては感無量でした。
本当にそのままでいいの?
そして場面は変わり、またアイリと同級生の会話のシーンへ。
ここで、またも学園祭の出し物に対して「本当にそのままでいいの?」と聞かれるアイリ。
最初はその場で答えを出すことができなかったアイリだが、ここでは迷うことなく「やっぱり、今のままで行こうかな!」と答えるところが、アイリの心情の変化を表している。
そうして同級生と別れた後、アイリの最も「大切な友達」が出迎えてくれる。
最後にもう一度、自分自身に問いかける。そして……
青春の物語
この物語は、ものすごい雑な言い方をすれば、結局のところアイリが一人で思いつめて空回ってしまう物語で、今回の経験を経てアイリが何か特別な成長を遂げたとか、そういったことを細かく描写されてはいない。
もちろん、アイリ自身が持つ不安、劣等、葛藤についても当然、全てが全て解決したわけではない。
しかし、思春期っていうのはそういうもんで、悩んで、悩んで、悩んで……
ひたすらに悩むという経験を経て、大人になっていくのだろう。
だからこれは、青春の物語。
あくまで青春の1コマを切り取った、ただそれだけの物語なのである。
それでも、得られたものはある。
1つは、ライブを成功させ、最終的にはキーボードを普通に演奏できるところまで達成することができたこと。
つまり、彼女自身が掲げていた最初の目標を無事達成してみせたのだ。
もう1つは、アイリが放課後スイーツ部の中で、しっかり前を向いて歩くことができるだろうということだ。
「大切な友達」といれば、もう失敗なんて恐れることはないのだから──。
総括
ここまで、およそ1万字に及ぶ超大作になってしまった(ストーリーの内容も含めて感想を書いてしまったのが悪い)が、全体的に非常に満足出来る内容だった。
ブルアカにおいて、モブ生徒を除けばアイリは良くも悪くも無個性で、多くの先生からは「チョコミントが大好きな子」ぐらいにしか思われていなかったのだと思うが、そんな彼女だからこそ抱える悩みにフォーカスされて、一つの青春の物語が組み上がっているのが最高だった。
今回のイベントをきっかけに、アイリと、そして放課後スイーツ部の魅力を多くの先生に知ってもらえたのであれば、これほど嬉しいことはない。
ブルアカには、他にもまだ深堀りの浅い生徒がたくさんいる。
今後はそれらの生徒たちにもフォーカスがあたり、各生徒を推している先生が感銘を受けるようなストーリーが実装されることを願って。
おまけ 愉快な放課後スイーツ部
アホみたいに長文になってしまったので、いっそ開き直ってアイリ以外の放課後スイーツ部の個人的好きな点を少し書いて終わろうかなと思う。
ナツ
自称ロマンチストであり、口を開けばロマン、ロマンと言っているような印象もあるが、彼女の根底には「みんなと一緒にロマンを共有したい」という純粋な気持ちがある(プロフィールにも書かれている)。
基本的に自由奔放なナツではあるが、根底にその気持ちがあるからこそ、放課後スイーツ部の仲間たちは大切であり、意外にも部員のことをしっかりと見ているのが良い。
今回のナツはかわいそうはかわいいな場面が多かった。来年の復刻が待ち遠しいね。
ヨシミ
ことある毎にカズサと啀み合っているヨシミだが、アイリに対しては想像以上に甘々だった。
「アイリ抜きじゃ文化祭を楽しめない」とか「アイリが守れない部活を守るなんて冗談、面白くもなんともない」とか、それだけアイリのことを大切に思っているんだなぁと。
そんなヨシミのカズサやナツに対する煽りは本当に好き。さらにボケが過多なキヴォトスにおいて、ツッコミもいける貴重な存在である。
そんなヨシミであるが、先生との絡みになると逆にからかわれる側になるのが面白い。絆ストーリーも結構青春してるのでオススメ。
カズサ
先生との距離感というか、その辺りは先おつ含めて多くの先生が知っていると思うので割愛するとして。
アイリに対して特別な感情を持っているのは過去のイベストで明かされたとおりだが、それはそれとして何だかんだでレイサのことも放っておけないのがカズサらしいというか。
ナツに振り回されたてボコボコにしたり(SEがガチすぎる)、ヨシミと喧嘩したりすることも多いけど、2人に何かあった時も、放ったままではいられないのがカズサだろうなと。
結局、アイリも、ナツも、ヨシミも、カズサも、みんなお互いのことが大切なんだよね。放課後スイーツ部の関係性、本当に好き。
一生推していくよ、放課後スイーツ部。