APU2回生🇫🇮留学記〜初雪、言語の美しさに触れた4ヶ月目〜

2024年12月2日 03:35

初めましての方は初めまして。大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学、通称APUを学び舎にしている大学2回生20歳です。現在、フィンランドのタンペレという街のTampere University of Applied Science(タンペレ応用科学大学:TAMK）で留学生をしています。たった半年間の留学ですが、少しでも実りのあるものを、と思い自分で月毎に振り返りを書いています。今回は少しでもいろんな人とこの経験をシェアできたらいいなと思い、Note作成に至ったわけです。正直自分の振り返り用に書いているので読みづらい部分は多いと思いますが、お手隙の際にでも読んでいただけると幸いです。

1. 学業進捗

　今月の授業は主に経験経済と商品開発(EEPD)の最終プレゼンが終わり、週に2回ある持続可能なイベント(SE)の授業が大きく進みました。
　フィンランド語の授業では、今までなんとなく思ってきたものの先月末辺りから確信しました。先生のレクチャーがほぼほぼ無い！！基本授業のためのスライドが用意されていますが、授業内ではグループ活動としてスライドの内容を確認しながら、ほぼ雑談会。私がAPUで受講している言語授業のゴリゴリさが全くなく、文法や語彙すらまともに習えていない状況です。ぶっちゃけ留学生用の授業だから、学生がパスできればいい、というくらいの感覚なのでしょうが、フィンランド語を授業として勉強したかった私としてはちょい不満です...
しかし先月末に課された課題で、習ったフィンランド語(ほぼ定型文だけ)で街の人に3つ質問をしてください。という課題はとても楽しかったです。授業でグループを組んでいるメンツで街に出かけ、それぞれ答えてくれそうな人に声かけました。
私が声をかけたのは本屋で出会った女性。質問したのは以下:
・Mikä sinun nimesi on? (What is your name?)
・Missä asut? (where do you live?)
・Mitä kieltä puhut?(Which langage do you speak?)
名前、住んでいるところ、話す言語の基本中の基本の質問ですが、テストで書けるかどうかは不安...
女性に声をかけた時、留学生の私の話に耳を傾けてくれたことがやはり嬉しかったです。実は昨年の6月頃、別の研修プログラムで韓国に行ってアンケートに答えてもらう課題を行ったのですが、まあ見事にスルーされてばかりであの時のメンタルブレイクを知っているので、なおのこと今回の女性の優しさが身に沁みました。

　EEPDではグループで企画・プレゼン準備を進めていたプロジェクトがなんとか完成し、無事発表を終えました。うーーんやっぱりプレゼンのスクリプトが手離せないのが悔しい。他グループの発表の中で、1人すごくプレゼンが聞きやすい学生がいました。読んでる感は全くなく、スライドの内容に沿って補足説明も十分にあり、途中飛んでくる質問にもさらっと答えて、なんならもっと詳しく説明しているような、本当に尊敬します。こちらの大学では社会経験を既にしてから学び直しで入学してくる学生も多いので、経験の差があることも自然ですが、やはり近いうち社会に出る身としては取得したいスキルだなと思います。彼女に話しかけたかったけどプレゼン終わったらもういなかった泣
いつものごとくグループでわちゃわちゃ作ったスライドを貼るので見てみてください

　SEでは２つのプロジェクトが同時進行しています。1つ目が広場でのクリスマスミニゲームブース企画、2つ目が2025年に行われるユーロバスケット初回観客への対応分析です。先月決まった、フィンランド人3人と日本人の先輩とのグループで活動しています。この授業に関しては反省すべき点が多いです。
クリスマス企画に関しては、決定的に🇫🇮メンバーとのコミュニケーション不足でした。彼女たちは本当に優しく、授業中企画に関して話す時も私たちが疑問があればはっきり答えてくれるのですが、クリスマスミニゲームブースは街の美術館が運営しており、フィンランド語でのやりとりだったので、運営との連絡は彼女たちに任せていました。ミニゲームは迷路をしよう、と決まってはいたのですが彼女たちから特に指示がなかったのでイベント当日まで動くことはありませんでした。この時点で私はすでに大きなミスをしていました。イベント前日の授業で、イベント明日だけど、準備は何もしなくていいの？と🇫🇮メンバーに聞くと、もう用意してあるから、あとはイベントで使う資料の印刷だけ！と言われました。やらかしました。彼女たちが動いていないわけなかったのです。結局イベント当日は会場に行って運営を手伝ったくらいで、迷路ゲーム企画の準備に力添えすることができませんでした。この失敗の原因は企画の中心を担うメンバーに積極的に進捗状況を聞けていなかったこと、つまりフォロワーシップの欠如だと思います。自分はグループワークでフリーライダー（出席だけして活動に参加しない輩）が嫌いだと豪語する割に、皮肉にも今回、側から見れば自分がフリーライダーのような存在になってしまったことが本当に情けないです。考えてみると、自分がリーダー側になってアクションの無いメンバーに声かけるよりも、1人かその時点で関わっている他のメンバーとだけで活動した方が当たり前に動きやすいのは想像できます。なので関わっているつもり、ではなく行動として関わる意思を見せていくことが重要だと学びました。
ユーロバスケットはバスケットボールのヨーロッパリーグ戦のようなスポーツイベントです。そこで来る初回観客が次回も期待と思うにはどうしたらいいか、という分析を行っています。今月半ばくらいに実際に試合に行ってみようということでバスケのプロ公式戦を観戦してきました。初めてのバスケ公式戦観戦でしたが、やはり試合の熱気といい、観客の盛り上がりなど、初めてでも楽しめる要素をたくさん拾ったと思います。これを生かして最終的な分析に絞っていきます。

2. 語学進捗

　今月の語学力状況としては、再度プレゼンの機会があったにも関わらず改善の努力が足りなかったように感じます。人前で話すことも英語力を伸ばす一手だと思うので、もう少しスクリプトがあっても自分の言葉で話せるようになれたらよかったなぁと思います。また、セクション5で詳しく話しますが、高校訪問で日本文化紹介を行ってきました。APUという多文化環境にいながら中々英語で自文化、日本文化を話すことがなかったので、難しくもあり、自分にとっての学びになった部分も多かったです。さらに授業外で日本に興味がある友人とフィンランド料理や日本料理を作ることを通して、日本文化について話す機会がありました。ディスカッションのような仰々しいものではありませんが、相撲が好きだったり、日本文学が好きな友人たちとの会話によって自文化の素晴らしさを確認するとともに、外側から見た日本の姿を聞くことができました。

3. 生活リズム状況

　うーん最悪。これはもうどうしようもないのではないかとさえ思ってきました。朝があまりに起きられない。暗い。明るい照明が欲しい。
そしてパーティがあった日に楽しくなって飲みすぎて、次の日地獄だったので自重大事です。もうしない。
ジム通いは変わらず夕方から行って30分間走、柔軟、筋トレのルーティン継続中です。バスケの試合を見に行ってから、元々バレーボールをしていたのもあって無性にやりたくなったので、大学のバレークラブ探して1ヶ月の短期入部申請してきました。毎週月曜日の18時から20時に活動を行っているグループで、男女混合チームになっています。またこのバレー活動でも気づきが大きかったので、別でNote書こうと思っています。

4. 異文化適応の進展

　適応というより気づきにはなるんですが、言語って本当に綺麗だと思いました。11月入ったばかりの時、日本好きなフィンランド人の友人に連れられて、日本人のコンサートに行ってきました。
　ちなみにコンサートで演奏していたアーティストは「野沢香苗」さんという方。彼女は二胡(アルフー)と呼ばれる楽器の奏者で、中国伝統民族楽器である二胡を巧みに奏でます。彼女の演奏は、楽器の演奏であるにもかかわらず、歌うような、情景豊かな音色に感動しました。有名なスタジオジブリ曲の演奏もあり、「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」などの楽しい演奏に心踊るようでした。中には彼女が歌う演目もあり、「千と千尋の神隠し」の主題歌『いつも何度でも』と「ゲド戦記」から『テルーの唄』を聞いた時は、まさかここに来て生の日本語の歌を聴けるとは思わず驚きました。フィンランドで、日本人の中国伝統楽器奏者が歌う、日本の歌を聴いている感覚はとても不思議でしたが、久方ぶりに聞いた日本語の生歌に、彼女の透き通った歌声も相まって、改めて日本語の美しさを感じました。日本語を知らないフィンランド人が聞く彼女の歌声は、この美しい日本語の歌詞はどのように聞こえているのだろう、と思いを馳せながらコンサートを過ごしました。
　また、フィンランド人の友人が教えてくれたのですが、フィンランド語には雪を表す単語が40種類以上もあるとか。というのも道を一緒に歩いている時に、雪が積もっていたので雪の話をしていたのですが、彼が「今日の雪はloskaだね」と言いました。一応フィンランド語の授業を履修しているので、雪を表す「Lumi」は知っていたのですが、loskaは何かわからなかったので聞いてみると、一般的な雪より水分が多くべちゃっとしている雪を表すそう。気になって調べたところ、吹雪の単語や踏み固められた雪など、本当に多くの種類があることを知りました。
　そこでつい最近読んだNoteが頭をよぎりました。

ある写真家さんのNoteです。私はこの留学、新たな環境で、異なる背景を持った人たちと、新たな言語を学ぶことで見えた世界に気づきました。

きっと、それを見つけ出す「眼差し」があるからこそ生まれた言葉なんですよね。

『世界を見つけるということ』Hideaki Hamada

「ことば」は世界の中に初めから存在しているものではなく、その文化環境に身を置いて過ごし、その環境で培ったフィルターを通して事象を見ることで「ことば」と共に世界が区分される。高校の倫理でソシュールの言語論を学びましたが、まさに言語によって初めて世界が区分され、理解され、そして展開していく過程を体験したように思います。言語学的哲学も大好物なので、留学を終えて感じたことについての考察もNoteにできたらいいなぁと思います。

5. 挑戦的だった出来事・問題

　挑戦的だった、でも挑戦して良かったと思うのが先述したSchool Visitsです。これは授業の一環で、留学生が町の中高教育機関を訪問して、自国の文化についての紹介を行うというものです。実はこの授業、他の授業が５クレジット（日本でいう単位数的なもの）なのに対し、１クレジットしかなく、正直他の６授業分を履修中の私はタスクが増えすぎるな…と思って履修をやめるか否かで悩んでいました。学校訪問も、学校側からのオファーがなければ行くことはもちろんできず、現に私もオファーをもらっていなかったのでほぼ諦めるつもりでいました。しかし、この機会を逃していいのか、時間を言い訳にして逃げたくはない、と反芻し、追オファーを頼むメールを担任教授に送りました。そして無事にオファーメールをもらい、他の授業と同時進行で学校訪問授業の準備も進めました。
　日本の文化紹介、というと日本食や行事についてのプレゼンをイメージするかもしれませんが、私としては聞き手が退屈しない体験型の文化紹介をしたいのがモットー。2024年2−3月で行った、ベトナムの大学の日本語授業TA研修でも日本文化紹介の機会は多く、クイズやカルタ、折り紙など、一緒にできる活動を考案して行いました。その経験のおかげで今回の準備も割とスムーズに行えました。
　行ったのは折り鶴ワークショップ。私の出身が広島ということもあり、平和学習を重ねてきた私にとって、学んできたことを活かす場があるのは本当にありがたいです。折り鶴は毎年のように大量に折ってきましたので。当日の授業人数は15人。ベトナムの時より多いので少し緊張はしましたが、学生たちは本当に真剣に聞いてくれて、折り鶴レクチャーの時間は積極的にコミュニケーションを取ろうとしてくれたので、緊張以上に楽しんで進めることができました。担任の先生も体験型授業を絶賛してくださり、授業は大成功に終わりました。
　この経験を通して、自分のキャパオーバーのリスクを背負いながらも、学校訪問に挑戦して良かったなと思います。自分はよく向こう見ずで突っ走ってミスするタイプだったので、慎重になるよう努めることも増えましたが、やっぱり時には突っ走ってみることも必要だと感じます。ミスったらその時。そのマインドも捨て置くわけにはいかんです。
　学校訪問授業は単位認定のために３校以上の訪問が必要になるので、12月にある残り２校の訪問も頑張ろうと思います。でも期末期間でもあるのでキャパは結構ギリギリ！！！！

6. 新たな学びや発見

フィンランドで人気な音楽ジャンルはメタルロックとタンゴ
フィンランド人は無料のバケツ配布で行列に並ぶ（フィンランドではチェーン店の開店ギフトとして無料のバケツが配られることも多いとか。行列あるところにバケツありなんて話も。缶ドリンクを冷やしたり、サウナや釣り、ベリー摘みなど活用の場が多いからという説。お馴染みロングドリンクのORIGINALグッズショップにもバケツがありました。↓）

アパートはオーブンの備え付けが法律的に必須となっている
バスは外装の柄が見えなくなるまで汚れても運行している
フィンランドの新年は錫占い（金属のスズの小さな塊を溶かし、水に沈めて固まったものが何の形に見えるかによって新年の運勢を占う）
ORIGINALは日本の成城石井で買える

7. 目標の達成状況

帰国後IELTSで7.5以上とる
留学先での授業はA（５）以上の成績を修める
7カ国以上の異なる出身の友人を作る

ようやく勉強習慣を始めました。といっても朝一のご飯後にNHK WORLD-JAPAN（https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/）で読んだ記事について、自分の感想を3分話すところを録画するというという自己完結型なので、ディスカッション対策が足りない部分ではあると思います。授業のディスカッションの積極性を上げていきたいと思います。
SEとフィンランド語が不安になってきました。フィンランド語に関しては自分の努力で何とかなるのでいいですが、グループワークは自分だけの活動ではないので、やるにしてもやらないにしても自分の行動がメンバーの成績にも影響することの自覚を持って残りの授業に取り組んでいこうと思います。
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