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きっかけはnext to normal


無職になり、晴れ晴れとした心持ちで平日昼間に日比谷をうろついたあの日からはや2年半。
先日、人生で2回目のnext to normalを観た。

今年2024年も、よく働き、よく遊び、その分睡眠はケチりがちだったし、交友関係も広がりは見せなかったけれど、それなりに満足感のある1年だった。

満足感のある1年…というのは、ミュージカルヲタクにとって、【大好きな作品が多かった1年】【出費の多かった1年】でもある。

涙あり、笑いあり、心揺さぶられる作品にはこれまでにもたくさん出会ってきたけれど、


ああ、これは誰かに発信したいな


と思ったのはこの作品が初めてかもしれない。


で、勢いそのまま気持ちの熱いうちに、note始めてみた。



なんかめっちゃ好き



うわ、もう初っ端から語彙力を失ったヲタクになってる…。
何がって言うと、もちろんいろいろあるけれど、音楽、曲なんでしょうね。実を言うと、あんまり歌詞は入ってきていない。まあ、歌詞が入ってこないのは、この作品に限らずだけれど。


2022年の公演の後、この2年の間は本家本元ブロードウェイキャストの音源聴きまくった(英語聞き取れないし、意味もあんまりわかっていないのにね)


なんのひねりもなく、I’m Aliveが好きで、リピートに次ぐリピート。いいよね、ゲイブの見せ場。たった1回きりの観劇だけど、かなり印象に残った。今年のバージョンを観るまでは、この曲ばかり聴いていたのだけど、今年はちょっと趣味が変わりそう。なぜか。それはまた別の機会で話すとして。


主役って誰?


この話、ヅカヲタ的には欠かせない。
なんてったって、望海風斗さん目当てで観ているもんで。

望海さん…宝塚時代からその歌唱力はそれはそれは抜群だったし、不幸なお役がぴったりはまってしまう(やたらと劇中でお亡くなりに…)というところも含めて役に恵まれたスターさんだなって思ってた。

脚本家、演出家の創作意欲を掻き立てるタイプというか。それも、狂気的・猟奇的なお役。

このnext to normalの中のダイアナという役も、それはそれは大きな悲しみ、苦しみを背負っているのだけど、これは望海風斗さんに演ってもらいたいって思っちゃう。仕方ない。

で、このダイアナが主役なんだろけど、2回目に観たときはやたらとナタリーが飛び込んできていて、わずか2回目でこうも見え方変わるか??と、自分でも、びっくり。
もちろん、キャストの違いとかもあるのだろうけど、それだけではない何かを感じたのだろうか、自分は。

ネタバレ無しでの初見は、ストーリー展開についていくのが必死なのは私だけじゃないはず…。
ダイアナが主役という観念と、中の人が目当てというところから、どうしたってそこにいってしまうものだとも思うけれど、ナタリーのストーリーもなかなか壮絶じゃないか?
こんな話だったっけ??

今年のナタリーは初めましての小向なるさん。
なかなか良い歌声。宝塚でいうと、妃海風さん的な声。(あくまで印象の話)

やたらとよく通る声質、かつ、裏声ほぼ使わない感じなのかな。

いいわぁ〜。
もっとミュージカル作品出て!!って思っちゃった。




もうお一方、私には目当てのキャストがいる。
そう、(どう?)甲斐翔真さん!!

2022年、ナイストゥ甲斐翔真くんを経て、ムーラン・ルージュ、今回の再演。

甲斐翔真くん、いいところはいっぱいあるのだけど、私はあのガタイが好きすぎる。
タッパあるし、ちょいとベビーフェイスだし、

いわゆる、ドンピシャビジュってやつ。

先輩方に続いて、このまますくすくスター街道を突き進んでほしいなあと密かに見守りたい。


で、彼が演じているゲイブについても触れておきたい。
※ネタバレはしないのでご安心ください




ゲイブって、結局のところなんなのだろうか。
ダイアナにとっての…
ダンにとっての…
ナタリーにとっての…

もちろん、全部違うんだろう。


ゲイブって主役じゃないけど、どの人物に対してもめちゃくちゃ影響力がある人物という意味では、もはや主役じゃない?


ところで、

2回目を経て、解像度がぐっと上がったのは間違いなくダンだと思う。
初見は…ごめんなさい、ほぼ印象無かった。
(理由は先述のこともあると思う)

ても、今回、1番共感できる人物ってダンだなって感じた。
※折角ゲイブでネタバレ回避したけど、ここでちょいネタバレしちゃうかも。いや、しないように頑張る。









自分が守りたい、守らなきゃ。
自分が助けたい、助けなきゃ。
目の前の生活。家族。

ダンには、悲しんでいる時間なんて無かったのかな。
自分の感情に蓋をし続けた結果のあのラストなのかな…とか。
でも、向き合えて良かったのかな…とか。

私自身が男性的なものの捉え方、考え方をするタイプだと自分も周囲の人も感じているところだけれど、割ともう自然に自分の感情に蓋をして日常を維持しちゃうことってあるな、なんて。
ダンの姿を、ほんのちょっと自分に重ねちゃったりした。

というか、多分観客の多くは『感情移入』という意味ではダンが最も重ねやすいのかもしれない。
ダイアナにしても、ナタリーにしても、観客と重ねるにはちょっと極端すぎるというか。
作品テーマ自体は現代社会に身近なものなのかもしれないけど、きっと、当事者はこの作品観られないんではないか?


日々いろいろなことが起こるんだけど、

もう大人だから、
もう社会人だから、
もう親だから、

って自分の感情を無視してやり過ごすしかないときって結構あるような気がする。
そうでないと自分を保てないというか。
もちろん、日常の忙しさに感謝するときもある。
でも、向き合わなかったツケはいつかやってくるのかもしれないとも思った。

劇中、最も苦しみが大きい(ように見える)ダイアナは、登場人物の中で最もしっかりと自分の感情に向き合っていた人物なのかもしれない。
日常生活に支障をきたすとか、周囲の人間も大変な思いをする、そこになんらかの支援が必要になるという意味では『ここから先は普通じゃない』というラインは必要なのだろう。
でも、ダイアナがもつ感情も、そこへの向き合い方も、別に何もおかしくないな。普通じゃないともいえないよなあ。って気づいた。
そして、一見、普通の人だと見えているダンもちゃんと苦しかったんだって明確に観ることができた今回の2回目は、私にとっては苦しい回でもあった。




目次がたった2つなのに、えらい文章量になってしまった…。
続きはまた!


お読みくださりありがとうございました!












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