M&A前の決断「MINAGINE勤怠管理」UIリニューアルの背景と想い
はじめまして。株式会社kubellグループの株式会社ミナジン 松尾です。UIリニューアルにはプロジェクトマネージャーとして関わらせて頂きました。
長年ずっとやりたかった・だけど勇気を出せなかったUIリニューアル。どうしてやろうと決断したのか、いざ始まって何に苦戦したのかをお話させていただきます。
まず最初に、向田から前提について共有いたします。
はじめに
こんにちは、株式会社ミナジンに出向しプロダクトマネジメント部を率いている向田(むかいだ)です。タイトルにある通り、今回私達ミナジンでは、約15年開発・運用し続けてきたMINAGINE勤怠管理のUIリニューアルを試みました。UIリニューアルは段階的にリリースして参りますが、紹介できる内容も増えてきましたので、本記事をスタートに、私達がどのようにUIリニューアルに向き合ってきたか、連載形式でお伝えしていきます。M&Aや組織融合のフェーズもありながら、デザイナー、プロダクトマネージャーの観点からも発信していきます。楽しみにお待ちください。
<本記事の対象>
株式会社kubellグループの株式会社ミナジンについて知りたい方
株式会社ミナジンのプロダクト開発の内情について知りたい方
業務系プロダクトのUIリニューアルについて知りたい方
株式会社ミナジン&主要プロダクト紹介
株式会社ミナジンは、2022年12月に発信した内容の通り、株式会社kubell(旧Chatwork株式会社)に参画することとなりました。株式会社kubellが掲げる中期ビジョン「中小企業No.1 BPaaSカンパニー」の労務管理領域のドメイン・エキスパートとして、当社ミッション・ビジョンである「未来をまもる」「新たな日本の労務管理スタンダードを創る」の実現に向けて取り組んでまいります。
また、株式会社ミナジンは、勤怠管理、労務アウトソーシング、人事評価といったサービスを展開しており、開発・運用が必要な主要プロダクトは次の通りです。
・MINAGINE勤怠管理
・MINAGINE人事評価システム
今回は、MINAGINE勤怠管理のUIリニューアルについてお伝えして参ります。
改めまして、株式会社ミナジンの松尾です。今回UIリニューアルを実行したのは、MINAGINE勤怠管理となります。初回本編では、M&A前にどのような課題があったのか、またリニューアルを決断した背景や当時の想いなどを伝えてまいります。
MINAGINE勤怠管理の特徴
30年以上労務問題に向き合ってきたノウハウを踏まえ
労基法に則った正しい勤怠管理が可能
各社の就業規則に適する多様な機能
各社の独自運用に可能な限り耐えうる豊富な設定とフロー
を取り揃えたものとなっています。人事労務の現場を知り尽くした我々だから提供できる自慢のシステムです。
これまでの課題
スタート時は、利用企業数も少ない状態です。1社1社の要望に丁寧に向き合い、機能の提供やカスタマイズを行うことで、利用いただける企業様を徐々に増やしていくことができました。しかしながら、年数を重ねるごとに、検討頂いている企業様からは
「メニュー数が多すぎて、分かりにくい」
「機能が多すぎて、使いづらい」
「見た目が古い、ダサいよね」
と厳しいご意見を頂くことが多く、私達が良かれと思って提供してきた多様な機能が逆効果になっていることも認識していました。また、提供開始から5,6年経過すると、当時は存在していなかったデバイスのスマホで見にくいといった声も聞くようになり、改善すべき課題は募る一方でした。
決定的な課題認識
そんな中、2021年。見過ごせない課題に直面することとなりました。
ある程度規模があり、私達も是非導入していただきたい企業様。全社で尽力し、人事担当者様と打ち合わせを重ねながら導入調整や初期設定を行いました。企業様に最適化された状態まで調整が終わり、従業員に開示していただいたところ問題が発生しました。
「こんな古臭いデザインのシステムは使えない。」
「デザインを重視したプロダクト開発をしている会社なのに、この見た目のプロダクトを使うというのは辛い。」
というフィードバックをいただくと共に、本運用開始前に失注してしまう事態が発生してしまいました。
これまで導入調整が進捗してきた企業様の失注という経験は無く、このショックはとても大きかったです。本当にこのままでは駄目なんだと、改めてMINAGINE勤怠管理のUIについて考えさせられました。機能の豊富さが魅力ながら、それは使いやすさの足かせになっている。初回リリース時から変わっていないUIは、このままで良いのか?我々は、UIを見直す事を決めました。
なぜ、今までUI変更やリニューアルをやらなかったのか?
<エピソード:開発責任者 佐井の場合>
最初の頃は、カスタマイズができる。機能ごとに寄り添った導入・運用サポートがあるということで、見た目の古さよりも安心で運用しやすいメリットの方が勝っていました。世の中に見た目の良いUIを備えたサービスも増えていく中で、我々がターゲットとする顧客層にもUIも重要という企業様が増えていきました。なんとなくUIを改善したいという気持ちはあるものの、画面数が多く、中途半端に少しずつ変えていくのは難しいサービスでもありました。やるなら、ある程度予算のメドを立てる必要がある。しかしそんなに簡単ではないということでズルズルときてしまいました。
<エピソード:プロジェクトマネージャー松尾の場合>
過去にもMINAGINE勤怠管理を作り変えるプロジェクトはありました。その時私はベンダー側(ベトナムの会社です)として担当していましたが、労務領域の法律に纒わる要件の複雑さ、長年かけてあらゆる就業規則に対応してきた機能の豊富さにより非常に苦戦してしまい、最終的に2年かけた作り変えプロジェクトは途中で終了し、別の方法でメンテナンス性を維持する方針に切り替える結果となってしまいました。本当に悔しかったです。解散の日は、チーム全員で涙しながら別れを告げました。
UIリニューアルの決断とキックオフ!
そんな苦い思い出はありつつも、UIリニューアルは待ったなし。一念発起でプロジェクトを開始しました。ちなみにキックオフ時は、私は二人目を出産し育休中。個人的な事情により、育休中ながら少しだけ働かせてもらい、ありがたいことに担当させてもらいました。
UIリニューアルだし、まずはデザインを考えよう!よく分からないけど、ツールはFigmaかな?まずはメニューを見直してみるか?と外部デザイナーに頼りつつ、僅かな勤務時間でコソコソと作業する日々。しかし、UIリニューアルを進めつつ新たな壁にぶつかる日が来るのでした。
既存仕様からそれっぽいUIは表現できるが、デザインの正解がわからない
フルコミットの業務状況ではないため、進捗も良くない
思い出される過去の苦い経験。このままではまた失敗に終わるかもという不安
開発責任者の佐井と相談し、業務委託の方などにデザインの知見を借りながら、少しずつデザインコンセプトの作成、UIデザインの作成を推進していきました。
UIリニューアルを前進させることができるかも
ある程度UIデザインのイメージがまとまり初めた最中、M&Aにより株式会社kubell(旧Chatwork株式会社)に参画する話が出てきたのです。会社として変化があるぞという不安もありながら、UIリニューアルプロジェクトにも出向者が入るらしいという噂も。このプロジェクトを大幅に前進させる可能性が浮上したのです!
つづく
おわりに
今回は、序章という形で、MINAGINE勤怠管理についての特徴や、UIリニューアルを決断した背景や当時の想いについてお届けしてきました。組織として十分な体制では無い中で、難易度の高いUIリニューアルを決断。過去の失敗体験をバネに改めて推進していくことになりました。次回は、M&Aが実行された直後のUIリニューアルで起きたことや取り組みを中心に紹介してまいります。楽しみにお待ちください。
kubellグループでは、一緒に働く仲間を募集しています。少しでも一緒にチャレンジしたいと感じられた方は、ぜひご応募ください。
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