きらきらの温玉
眼鏡の白い人が、たくさん温泉卵を作ってくれる。
私が「温泉卵が卵料理の中で一番好き」と言ってから、切らさないようにそれはもうたくさん作ってくれる。
切らさないように卵の10個パックを週2、3のペースで買ってきてくれるのも、2日に一回は温泉卵を作ってくれるのも、なんだかむずむずして、口元が緩む感じがする。
温玉のできは毎回違って、少し緩かったり固めだったり。
毎回少し違うのが、毎日のアクセントになって、
毎日のアクセントが、毎晩の楽しみになって、明日もご飯を食べたくなる。
ところで今日、嫌な夢を見た。
古傷をえぐるような夢で、たまに見てはひどく落ち込む。
人を傷つけた記憶が黒く心臓にのしかかる。
いつか見なくなる日が来たらいいなと思う。
きらきらの温玉を食べて、今日も寝ることにする。