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コンティンジェンシー・アプローチ リーダーシップと私の経験
経営学専攻 リーダーシップ開発コース(LDC) | 立教大学大学院
の試験対策として、本を読んで理解していた気がしていたが
アウトプット力、それはどういうことなのか、
実際の経験として、どのようなことがあったか?など
自分の経験と紐づけることができていなかったが
不足していたということを身にしみたため、
アウトプット力を高めて行こう!ということで
許す限り、毎日投稿していこう!と決めました!
フィドラーのコンティンジェンシー理論
フィドラーのコンティンジェンシー理論は、
LPC(Least Preferred Co-worker)、
職場において最も好ましくない仕事相手に対する意識を測定した尺度を用いてリーダーのスタイルを評価する。
LPC得点が高いリーダーは
「人間関係を重視したリーダーシップスタイル(人間関係志向型)」、
LPC得点が低いリーダーは
「仕事の達成を重視したリーダーシップスタイル(タスク志向型)」とされる
リーダーシップの効果は、以下の3つの要素によって決まる
①リーダーとフォロワーの関係性(信頼度)・・・
リーダーを信頼してくれている
②タスク構造(明確さ)・・・
タスクの目標や目標を達成するためのプロセスが明確である
③地位パワー(権限の強さ)・・・
リーダーが報酬や罰則に関する権限を保持している度合い
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この3つの要素を用いて、リーダーにとってコントロールしやすい状況とそうでない状況を分類している
・タスク志向型➡
コントロールしづらい状況、コントロールし易い状況で有効
・人間関係志向型➡
そこそこコントロールし易い状況で有効。
逆に非常にコントロールしやすい状況にタスク志向になりすぎると
メンバーから反発を食らってしまうので、フォロワーに配慮しながら仕事を進める必要がある
フィドラー理論が効果的な状況
メンバーの仕事が多様化している
メンバーとリーダーの間の関係性がメンバーの関係が様々な場合
フィドラー理論の意義・長所
ワンベストウエイの研究が主流だった中、状況によって有効なリーダーシップが異なるという考え方を主流にするきっかけの意義は大きい
柔軟性:状況に応じて最適なリーダーシップスタイルを選択できるため、組織のパフォーマンスが向上する。
適応力:リーダーが状況に適応することで、従業員の満足度が高まり、チームの一体感が強まる。
フィドラー理論の問題点
複雑さ:状況を正確に評価し、適切なリーダーシップスタイルを選択するには高度な分析が必要である。
変動性:状況が変わるたびにリーダーシップスタイルを調整する必要があり、リーダーにとって負担が大きい。
なぜ非常にコントロールしやすい、もしくはしづらいときにタスク志向が効果的なのか、理由について説得力がある論理的な説明がなされていない。検証されたとしても、背後にある論理的な説明がなければ、人は納得できない
LPC得点とリーダーシップスタイルがどのように関係しているか不明確
リーダーシップスタイルはLPCスケールによって特定されていて、現測定には、人はリーダーシップスタイルを変更できないという前提にたっている。状況に適合したリーダーを任せる事が重要。リーダーシップスタイルを変えるのではなく、リーダーを代える必要がある。育成につながる議論ができないことが大きな問題
フィドラー理論と私の経験①
会社横断のプロジェクトで、全員管理職のメンバーだったとき、
人間関係が良好で、ただ、テーマが初めての試みということもあり、
タスクの構造化度合いは低かったた
地位パワーとしては、私が一番下っ端ということもあり低かったため、
人間関係志向型でプロジェクトをリードしたことがある
これは、フィドラー理論とは一致している。
理由としては、タスクが構造化されていないし、地位パワーも低いので
みなの意見を出し合いながら、得意な方にお任せするような
そんなリーダーシップが向いているんだろうなと推測できます
フィドラー理論と私の経験②
グループ横断の各社の人事メンバーが参加した研修プロジェクトを行ったことがあった
フォロワーとの関係は良好とは言えなかったし
タスクとしては非定型なものが多く構造化されていない
そんな中、責任者は役職者であったため、地位パワーがあったため
タスク志向型のリーダーシップスタイルを取っていたが
これは、人間関係が良くないため、地位パワーを使って、
コントロールしないとまとまらないということだったと思う。
納得できる理論である
SL理論
リーダーシップを発揮するための2つの行動、指示的行動と支援的行動に着目
指示的行動・・・フォロワーが目標を達成することを手助けする行動
支援的行動・・・フォロワーが快適に仕事をできるように手助けする行動
両行動をそれぞれ独立と考え、以下4つに類型化した
指示型リーダーシップ・・・細かく指示を出すが、リーダーからフォロワーへ一方的なコミュニケーション
コーチング型リーダーシップ・・・細かく指示も出すが、フォロワーの気持ちにも配慮
支援型リーダーシップ・・・細かい指示や方法は明確化せず、仕事をしやすい環境を整える。自主性に任せるが困ったときは助ける
委任型リーダーシップ・・・フォロワーの自主性を重視し、指示も支援も積極的に行わない。フォロワーを信頼し権限をフォロワーに委譲し、フォロワー自ら責任を取ることも促進する
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フォロワーの成熟度(仕事や目標を完遂するために必要な能力とモチベーションを有している度合い)を4段階に分けて、時間の経過とともにフォロワーの成熟度が発達していくという前提
フォロワーの成熟度に応じて最適なリーダーシップスタイルが異なる。
リーダーは、フォロワーの成熟度の段階を特定し、レベルに応じたリーダーシップスタイルを発揮する必要がある
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SL理論と私の経験①(指示型)
新人のメンターをやったことがあった
新人なので、能力は低いが、やる気はある!そんなときは
ここをこうして!っていう指示行動が最適というのは納得感がある
SL理論と私の経験②(コーチング型)
能力がそこそこという中堅クラスで
上司から叱責され続けてモチベーションが落ちてきている同僚がいた
そんな同僚には、コーチング的に寄り添い、
フォローしながら、本人のやる気を引き出した経験がある
その同僚は、今ではやりたいことを見つけてそれを使って会社に貢献している
SL理論と私の経験③(支援型)
能力がそこそこという中堅クラスで
モチベーションが挽回してきた同僚については
何か困ったことがあったら遠慮なく言ってねと支援型でサポートしたことがある
ダブルチェックのときや、本当に困ったときだけ相談してくるようになりました!
SL理論と私の経験④(委任型)
ある仕事において、能力が高く、モチベーションも高く
自ら、「やりましょうか」と言ってくれた同僚がいた
お願いします!と言って頼んだら、
スピード感、質的にも満足できるアウトプットを出してきました。
ただ、その後頼り過ぎて、モチベーションが下がってしまった
という苦い経験もあり、委任し過ぎはよくないと反省もした
こうやって自分の経験に照らしてみると、
一定、納得感のある理論だなーと思いました!
理論を体系化するだけではなく
やはり経験と照らし合わせるって大事ですね!
SL理論 長所
わかりやすい
リーダーシップスタイルを可変的と捉えている点 ➡育成可能
フォロワーの成熟度合いが変化する前提
SL理論 短所
フォロワーの成熟度以外の状況要因に言及していない
フォロワーの成熟度が異なる場合の対処方法がわからない(フォロワーが複数存在する場合、すべてが同じとは限らない)
D1➡D4への成長プロセスが疑わしい(すべての人はD1➡D4に伸びていくとは限らない)
成熟度とリーダーシップスタイルのフィットについて論理的な説明がない点
パスゴール理論
パスゴール理論はフォロワーのモチベーションを高めることを最も重視しモチベーションの高さは、努力に応じて成果が上がる、成果が上がれば本人が望む報酬がもらえるという期待理論を用いて説明が可能。
フォロワーが成果というゴールに向けたパスを進むためのサポートをすることが、リーダーシップを発揮する上で最も重要なことであるとしている
リーダーシップスタイルは以下の4パターンに類型化
指示型リーダーシップ・・・仕事に関連する指示等をフォロワーに対して細かく、かつ、明確に示すリーダーシップスタイル
支援型リーダーシップ・・・フォロワーに対して気さくで親しみやすさを感じさせるリーダーシップスタイル
参加型リーダーシップ・・・フォロワーに意思決定への参加を促すリーダーシップスタイル
達成志向型リーダーシップ・・・可能な限り高い成果を出すように促すリーダーシップスタイル
フォロワーの要因としては
親和欲求・・・人間関係を良好に保ちたいという欲求
能力に対する自信
ローカス・オブ・コントロール・・・自分の行動やその結果の原因を自分自身にあると感じる傾向の強さ
仕事に関わる要因としては
タスクの構造化・・・タスクの目標や目標達成へのプロセスが明確化
公式の権限関係・・・権限と責任、指示命令系統が明確化
規範・・・暗黙的なルール
フォロワーの要因と仕事に関わる要因を加味して、適切なリーダーシップスタイルを選ぶことでフォロワーのモチベーションや成果が高まるとして、どのリーダーシップがどのようなときに有効かという1対1のモデルは提示していない
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パスゴール理論 長所
リーダーシップスタイルと状況要因のフィットについて、理論的な説明がある
多くの状況要因に着目している
理論としてのフレキシビリティがある
複雑なので、理解しづらい。フレキシビリティの裏返し
なぜこの4つのリーダーシップスタイルに限定するのか、論理的な説明がなされていない
パスゴール理論 短所
複雑なので、理解しづらい。フレキシビリティの裏返し
なぜこの4つのリーダーシップスタイルに限定するのか、論理的な説明がなされていない
パスゴール理論と私の経験
フォロワーのモチベーションと成果を出すために、
人間的な側面と仕事に関わる側面、両面をサポートするというスタイルで
ただ、どのリーダーシップがどのようなときに有効かという1対1のモデルは提示していないため、リーダーに委ねられることになる
上司に叱責され続けている同僚がいてモチベーションや自信が落ちているときだっため、目の間の仕事については、確実に成果を出すようにサポート➡指示型
確実に実行してるか進捗を適宜確認してヌケモレをサポート➡達成志向型
また、それだけだと息が詰まってしまうので、やりたいことを促すようにする➡参加型
いざやりたいことが決まって、走り始めたら➡支援型
という感じであろうか、言われてみれば、自分で臨機応変に対応しているな~と今思えばという感じではあるが・・・
状況によって有効なリーダーシップは異なると考え、どのような状況にどのようなリーダーシップスタイルが適切か明示している。
裏を返すと、フォロワーや状況に合わせて、求められるリーダーシップスタイルを変更することが求められる。
しかし優れた成果を上げている職場やチーム、組織を見てみると、リーダーは必ずしもフォロワーや状況に合わせてリーダーシップスタイルを変えていない。また、自らの決断を押し通すリーダーシップもある(本田宗一郎、スティーブジョブズ)
変革型アプローチ研究へ続く
外部環境の変化が厳しくなるにつれて、的確な組織変革を行う必要性も高まっている、フォロワーに働きかけ、ときにフォロワーの変革を促すようなリーダーシップに対するニーズは、今日高まりつつあり、変革型アプローチという流れにつながる
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