トム・ヨーク日本公演 大阪 2024/11/13
めったにライブには行かないわたし。
YouTube musicでいろいろ聴いて満足していたのだが、たまたま
ラジオでトムヨーク来日公演について聞き、珍しく公演ひと月前に
チケットを買った。
チケットは日本各地でソールドアウトしていたが、大阪のS席は
残っていた。S席だけど二階席の後ろのほう。
とうとう当日。
仕事のあとJRに乗ってグランキューブ大阪を目指す。
大和路快速で奈良から大阪に向かう。
ふだん、まったくと言っていいほど電車に乗らないので、電車に乗って少し遠くに行くだけで楽しい。座席がクロスシートで旅行気分が高まる。
読書しつつ、マジックアワーの車窓を楽しむ
JR新福島駅で降り、Google map上で評判の良いパン屋さんに立ち寄った。
小さな店構えで、店の外に並ぶ人の列あり。
少し並んで、くるみいちじくパンとマカダミアハニーパンを購入。
さあ、いざ会場へ。
会場のお隣のホテルのイルミネーションがきれいだった。
この会場には仕事関係の研修で何度か訪れたことがあるが、
ライブで訪れるのははじめて。研修の時と気分が全然違う。
会場には老若男女、年齢層は20歳くらいから60歳代くらいと幅広い。
Radiohead、デビュー32年にもなるからなあ。外国の方々も多い。
入場して、ベンチで先ほどのパンをいただくが、何か食べている人は
私以外にいなかった。ワクワクでおなかいっぱい、あまり食べられず。
二階席にたどり着く。右隣は40歳代のご夫婦と思われる二人。
夫婦でファンとは、うらやましい。左隣は40歳くらいの男性。
聞けばRadioheadの公演には2〜3回行ったことがあるそう。
私はRadioheadもトムヨークも生で観るのははじめて。
見下ろす紫ライトのステージにトムヨークが登場。
ピアノに向かい歌い出すトム。
トム個人の曲、『The Eraser』だ。
美しく流れるようなファルセットにしょっぱなから目がうるんできた。
張りのある高めの、ときに低く揺らぐトムの声。
魂にじかに響いてくる。
続けて、楽器をギターに持ち替えた。しっとりとしたアルペジオの
弾き語り。
Radioheadのアルバム『OK Computer 』から『Let Down』
ギターひとつのシンプルなバージョンが新鮮。
続いて急にエレクトリックなサウンドがはじまった。
トムのソロアルバム、『ANIMA』からの一曲。
シンセサイザーやリズムマシン、エフェクターを
駆使している。
背景の映像も相まって唯一無二の世界が
繰り広げられた。
先ほどのまでのシンプルな音とのギャップに驚いてしまう。
ちなみに、私はこのアルバム『ANIMA』を聴きながら、
SF小説『三体』を読んでいたため、三体の舞台の、過酷な場面の
イメージが重なる。小説の雰囲気とぴったりだと思っている。
この後も、アコースティックとエレクトリックと切り替えながら、
ライブは進んでいく。
さざ波のようなピアノに、詩をつぶやくような歌がのる、
『Dawn Chorus』 これも『ANIMA』からの一曲。
あたたかな夜明けの雰囲気で曲が終わり、次はギター。
トムのつまびく切ないみずみずしさのある音、そこに重なる
ファルセットのフレーズ。心に沁みて、泣けてきた。
Radioheadのアルバム、
『A Moon Shaped Pool』から『Present Tense』という曲。
この演奏がこの夜のアコースティックのマイ・ベストだった。
(ジョニー・グリーンウッドとのこのバージョンがすばらしい)
エレクトリックのベストは、
『Idioteque』 Radioheadの『Kid A』より
他の曲もそうだが、色あせない良さ。
(『Kid A』20年以上前のアルバムだが、二十歳前後の娘、息子もファンである)
トムも一階席のオーディエンスもノリノリで踊っていた。
二階席では立ち上がることも難しい。次回はいい席をとって踊りたい。
ギター、ピアノを弾いて歌い、DJみたいに動きながら踊って歌っていた。
年齢を感じさせないパワフルさを目の当たりにした。
魔法使いみたいだった。
余韻を楽しみつつ帰路につく。
今まで生で観てこなくて、人生損していたなあ。