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寿司屋バイトでの恐怖体験

おはようございます。
写真は肉うどんです。

大学生の頃、僕は寿司屋の宅配アルバイトをしていました。Gの皿という、大手宅配寿司チェーン店です。

当時はバイクに乗るのがとても好きで、接客も一組につき2〜3分程度、店内に殆どおらずに済む宅配アルバイトというのは天職のように感じていました。

大学の授業が終わったあと、週2〜3回程度のお小遣い稼ぎ。そんなお気楽なアルバイト生活中でいくつの恐怖体験がありました。今回はその中から三つ書き出そうと思います。

一つ目は京都の伏見にある某巨大集合団地の中での出来事。
いつものように寿司を持って団地の階段を駆け上がり、部屋の前に来る。部屋番号はないが、勘でここだと決めてチャイムを鳴らす。しかしチャイムが鳴らない。部屋番号がなかったり、チャイムが故障していることは、団地ではよくあることなのだが、ノックをしてみたり電話をかけてみても出てこないので、思わずドアノブに手をかけた。
するとそれと同時にドアが開き、中からスキンヘッドで長身の男が、玄関の扉をくぐるように出てきた。Tシャツの袖からは、和彫がはみ出している。
突然のカタギではなさそうな男の登場に、僕は心底驚いてしまった。
目も合わせられず、震える手を抑え、寿司を手渡しし、お金を受け取りお釣りを返す。

「おう、ありがとうな。」

意外と優しかった…。人は見た目で判断してはいけないな。そう思い、僕はいつものように宅配を済ませて、ウエストポーチにお金をしまおうとした時に右手の中に小銭が残っていることに気づきました。

「あ、お釣りを10円渡し忘れている…。」

しかし、もう一度あの男性に会うのが怖く、そのまま店に帰ってしまいました。その後は特にお客様からの連絡もなく、仕事の締めの時に計算が合わなくなるのを恐れた僕は、強面男の10円を自分の懐に入れました。

今振り返るとこのお話はそんなに怖くないですが、当時は本当に「金返せ!」といつか連絡が来るのではないかとドキドキしたものです。

二つ目の出来事は心霊系です。
先ほどお話しした某団地のすぐ近くの一軒家。お客様は60代くらいの女性。いつものように玄関でお会計をすませていると、それは現れました。

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