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サルデーニャ語ログドーロ方言 ユニット1

このユニットの音声はこちらから聴くことができます。
本サイトでは、Bisuras に収められているサルデーニャ語のテキスト(ログドーロ方言とカンピダーノ方言)、日本語訳、文法解説を掲載しています。テキストは Andrea Deplano 氏によって書かれたものであり、原文の掲載については Andrea Deplano 氏から承諾を得ています。こちらもご覧ください。

ダイアログ1

Chie est Silvia Denule?
So deo.
Cando ses nàschida?
So nàschida su 10 abrile de su 1984.
Inue ses nàschida?
So nàschida in Nùgoro.
E istas in Nùgoro?
Nosse, isto cun sa familia mea in Cùccuru Pintu in Osidda.
E de pretzisu...
In carrela de Frantza a su numeru 12.

シルビア デヌーレさんはどなたですか。
私です。
いつ生まれましたか。
私は 1984 年 4 月 10 日に生まれました。
どこで生まれましたか。
ヌーオロで生まれました。
ヌーオロに住んでいるんですか。
いいえ、オジッダのクックル ピントゥに家族と住んでいます。
詳しく言うと…
フランス通りの 12 番です。

ダイアログ1の解説

表現
esser nàschidu(男)/ nàschida(女)生まれた

文法解説
1. 動詞 esser「~である」の直説法現在の活用
1sg. so
2sg. ses
3sg. est
1pl. semus
2pl. sezis
3pl. sun

2. 動詞 istare「いる、ある」の直説法現在の活用
1 単 isto
2 単 istas
3 単 istat
1 複 istamus
2 複 istazis
3 複 istan

3. 定冠詞
定冠詞は、特定できるもの、文脈においてすでに話題に上がっているもの、総称的な意味を持つもの、唯一物などにつきます。
男性単数 su
女性単数 sa
男性複数 sos
女性複数 sas
単数形では、母音ではじまる名詞の前に置かれた場合、語末母音の消失が起こり、アポストロフィーでつなげて表記します。例:s’amigu, s’amiga

4. 主語人称代名詞
目上の人、お年寄り、初対面の人などには 3 人称単数 Vostè, Bostè や、2 人称複数の bois を使います、動詞も、それぞれの人称と数に合わせた形を使います。
1 単 eo, deo, jeo「私」
2 単 tue「君」
3 単 issu「彼、それ」(男性), issa「彼女、それ」(女性), Vostè, Bostè「あなた」
1 複 nois「私たち」
2 複 bois「君たち、あなた」
3 複 issos「彼ら、それら」(男性), issas「彼女ら、それら」(女性)

ダイアログ2

Benebènnidu professore!
Ben’àpidos a tottucantos! Tottus bi sezis o nde mancat caligunu?
Nosse professore, bi semus tottus.
Tando podimus cumentzare: tue chie ses? Chistionanos de te.

ようこそ、先生!
みなさんこんにちは!みんないますか、それとも誰か休んでいますか?
いいえ先生、みんないます。
それでは始めましょう。君は誰ですか。君のことを私たちに話してください。

ダイアログ2の解説

表現
benebènnidu ようこそ、いらっしゃいませ 
ben’àpidu こんにちは
bi esser ~にいる、ある 
chistionanos de te 君のことを私たちに話してください。chistiona: chistionare「話す」の命令形、nos: 補語人称代名詞弱形 1 人称複数「私たちに」、de te: 補語人称代名詞強形 2 人称単数「君について」

文法解説
1. 助動詞 poder「~できる」の直説法現在
不定詞を続けることで「~することができる」の意味になります。
1 単 potto
2 単 podes
3 単 podet
1 複 podimus
2 複 podides
3 複 podent

2. 第1変化動詞の直説法現在  
第1変化動詞の不定詞は、語尾が are で終わります。例:cumentzare「はじめる」
1 単 cumentzo
2 単 cumentzas
3 単 cumentzat
1 複 cumentzamus
2 複 cumentzadis
3 複 cumentzant

3. 補語人称代名詞の強形
前置詞とともに使われます。1 人称単数 me, mene、2 人称単数 te, tene は前置詞 da(e), de, in, pro, tra とともに使われます。mie, tie は前置詞 a と、megus, tegus は前置詞 cun とともに使われます。
1 単 me, mene, mie, megus
2 単 te, tene, tie, tegus
3 単 se, sese「自分自身」(再帰代名詞), issu, issa
1 複 nois
2 複 bois
3 複 se, sese「自分自身」(再帰代名詞), issos, issas

ダイアログ3

Salude!
Salude.
Tue puru sighis su cursu de limba sarda?
Ello, deo puru.
Deo so Antoni Madau de Pattada.
Deo so Maria Frore de Montresta.
No t’aìa mai bidu prima de como.
Apo istudiadu in foras, in Parigi, como nde so torrada e cherzo imparare mezus sa limba.

こんにちは!
こんにちは。
君もサルデーニャ語の授業に出ているの?
はい、私もです。
僕はパッターダ出身のアントニ マダウです。
私はモントレスタ出身のマリア フローレです。
僕はこれまでに君に会ったことがありません。
私は海外、パリに留学していました。今はこちらに帰ってきて、サルデーニャ語をもっと勉強したいです。

ダイアログ3の解説

表現
salude こんにちは prima de como 今まで

文法解説
1. 第 3 変化動詞の直説法現在
第 3 変化動詞の不定詞は、語尾が ire で終わります。例:sighire「続ける、ついていく」
1 単 sigo
2 単 sighis
3 単 sighit
1 複 sighimus
2 複 sighides
3 複 sighint

2. 直説法近過去
(1) aer の直説法現在+過去分詞
動詞が他動詞、または大部分の自動詞の場合 
例:apo istudiadu「私は勉強した」
aer の直説法現在
1 単 apo, appo
2 単 as
3 単 at
1 複 amus
2 複 azes 
3 複 ant
過去分詞の作り方:第 1 変化動詞 istudiare → istudiadu 第 3 変化動詞 sighire → sighidu 第 2 変化動詞には様々な不規則形があります。

*ダイアログにある No t’aìa mai bidu prima de como. では直説法大過去(過去から見た過去)が使われています。

(2) esser の直説法現在+過去分詞 
動詞が存在、変化、移動などの意味を持つ自動詞の場合 
例:so torrada「私(女性・単数)は帰ってきた」
esser を使った近過去では、主語と過去分詞の間に性と数の一致が起こります。so torradu「私(男性・単数)は帰ってきた」、sun torrados「彼ら(男性・複数)は帰ってきた」、sun torradas「彼女ら(女性・複数)は帰ってきた」

3. 助動詞 cherer「~が欲しい」の直説法現在
不定詞を後に置くことで「~したい」の意味になります。
1 単 cherzo
2 単 cheres
3 単 cheret
1 複 cherimus
2 複 cherides
3 複 cherent

ダイアログ4

(De: Derìu, Ca: Camedda, Ce: Cecilia)
De: Torrende, segnora Camedda?
Ca: Bongiorno segnora Derìu, comente andamus?
De: Bene gratzie e bosté?
Ca: Comente a sos betzos, ma pro istare male, mezus goi.
De: A la connoschides a Cecilia, nura mia?
Ca: Sa muzere de Roberto? Piaghere Derìu.
Ce: Piaghere.
Ca: Semus andende a chircare cositteddas pro su pipìu chi est arribende.
De: Augurende! Ah ite cosa bella unu nebode! Attendide bazi!
Ca: A nos bier sanos segnora Derìu.

お帰りですか、カメッダさん?
こんにちは、デリウさん、ごきげんいかがですか?
いいですよ、ありがとう。あなたはどうですか?
年寄りなので調子はよくないけど、こんなものですよ。
私の義理の娘のチェチリアを知っていますか?
ロベルトのお嫁さんですか。はじめまして、デリウさん。
はじめまして。
私たちは間もなく生まれる赤ちゃんに品物を探しに行くところです。
おめでとうございます。ああ、孫とは何て素敵なんでしょう。お気をつけて!
さようなら、デリウさん。

ダイアログ4の解説

表現
piaghere はじめまして comente andamus? ごきげんいかがですか a nos bier sanos さようなら

文法解説
1. 疑問文の a
文頭に a をつけることで、疑問文になります。La connoschides a Cecilia? チェチリアを知っています。A la connoschides a Cecilia? チェチリアを知っていますか?

2. 直接目的語につく前置詞 a
直接目的語が人名のとき、前置詞 a をともないます。職業や地位を表す名詞のときにも現れることがあります。

3. 現在進行形
esser の直説法現在+ジェルンディオで、「~しているところ」という進行の意味を表します。Su trenu est arribende. 電車が到着するところだ。

ジェルンディオの作り方 第 1 変化動詞 istudiare → istudiende / istudiande  第 2 変化動詞 bènnere → benende / beninde 第 3 変化動詞 sighire → sighinde / sighende

4. 関係代名詞 chi
名詞(先行詞)を説明、限定する関係節を作ります。先行詞は人でもものでも可能です。

5. 不定冠詞
不定冠詞は、不特定のものや、文脈においてはじめて話題に上がったものに付きます。単数形の名詞にのみつきます。
男性形 unu
女性形 una
母音ではじまる名詞の前に置かれた場合、語末母音の消失が起こり、アポストロフィーでつなげて表記します。例:un’amigu, un’amiga

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