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Global Journey Diary vol. 2 - Honoka Sakurai

こんにちは!英語キャリア学部3回生の櫻井穂ノ香です。

私は今、西オーストラリア州のEdith Cowan Universityで、主に会計学を勉強するために専門留学をしています。

今回は、今学期に始めた、私の新たな挑戦について紹介しようと思います。

私が新たに始めたこと、それは、ボランティア活動です。


やってみよう、と思ったきっかけ
分からないことだらけの1学期を無事に乗り越え、私の留学生活も2学期目に突入したばかりの頃。

授業にどのように取り組めばいいのか、課題はどれくらい力を入れればいいのか、家事はどれほど負担になるのか、どれくらい1人の時間が欲しいのか。
1学期目の経験を通して、何にどれくらいの労力や時間をかければいいのか、分かるようになっていました。
そのため、2学期の全体像についてぼんやりと考えていた時に、「時間的にもキャパ的にも、何か新しいことを始められる余裕があるな」と気づきました。

そこで思い浮かんだのが、「留学経験のある人なんて、今や珍しくない」という事実です。

実際、コロナ禍前の2019年には、約11万人もの学生が留学していたそうです。
私の周りだけ見ても、外大という特別な環境にいることもあり、留学経験のある人は結構います。特に、私の学部は「1年間の留学が原則必須」を掲げているので、私と同じように現在他国で頑張っている友人も多いです。

そう考えると、「自分独自の強みって、一体何だ?」という疑問が浮かんできました。

ただ「他国で勉強する」だけなら、留学している人はみんなしています。
誰でもできることだけするのは、ちょっと面白くない。
私だからこそできる、どうせならちょっと他の人とは違うことをしてみたいと、私は思いました。

そこで、私がよく相談させてもらっている人に話をしたところ、
「ボランティアをするのはどう?」と、提案してくれました。

確かに、ボランティアならいいかもしれない。

専門留学生は、留学先でのアルバイトを禁止されています。そのため、「外国で就業経験ができるのはワーキングホリデー* か海外就職くらいかな…」と思い込んでいたのですが、ボランティアとしてお店で働くのであれば問題はありません。ボランティアに参加する人の話はあまり聞いたことがなかったし、現地で働かせてもらえるなんて貴重な経験、できるチャンスがあるならやるしかない。

そう思った私は早速、ボランティア情報が掲載された留学先大学のウェブサイトを開きました。

*ワーキングホリデー:ワーキングホリデー協定を結んだ外国に1~2年間滞在する許可が得られるビザ制度で、18歳~30歳の日本人が対象。その間、就学、就労、旅行の全てが許可される

 1. ボランティア 1(Chevron City to Surf for Active)
オーストラリアで初めて参加させてもらったボランティアは、マラソン大会へ参加する人たちにビブスや記念Tシャツを配る仕事でした。
私がボランティアをしたのは、大会予定日の2日前、私の寮の最寄駅から1時間ほど離れた場所にある会場です。
その大会は、毎年パースで開催される人気の恒例行事だそうで、参加人数も2万人程いたそうです。午後12時半から6時までの、5時間半のボランティアでした。

1.a. 仕事内容
私と同じようにボランティアとして働いていた人は、他にも20人程いました。その中で3〜4人のグループを作り、1グループにつき2テーブルを担当します。各テーブルには、下の写真のように色んな種類のビブスやタブレット端末が置いてあり、そのタブレットで参加者が見せてくれるQRコードを読み取ります。すると参加者の情報が端末で見れるようになるため、それを元にビブスや記念Tシャツを参加者に渡します。そのビブスやTシャツを大会当日に持ってきて参加してもらうのです。

ボランティア参加者は、私の両親や祖父母世代の方々が若者よりも少し多い印象を受けました。母や祖母の歳に近い女性にそれぞれ声をかけてもらったので、私はその2人と1日グループを組むことになりました。


1.b. 1つ目のボランティアが気付かせてくれたこと
このボランティアを通して、自分自身の成長とボランティアの楽しさに気づくことができました。

実はこれまで、海外でのボランティアどころか、ボランティア自体に参加したことがほとんどありませんでした。しかし、「本当にやっていけるのか」という不安よりも、ワクワク感の方が大きく、もはや「よーしやってやるぞ!」という気概すら持って、会場へと足を踏み入れたのを覚えています。

しかし、そんな私のやる気も虚しく、初っ端からさっそく出鼻を挫かれることになります。
ボランティア参加者が一箇所に集められ、仕事内容が説明されたのですが、その英語が所々聞き取れず、結局自分が何をすればいいのかが分からないまま説明が終わってしまったのです。
1人で来た私は、内心「やっべー分からん」と焦りをじわじわと感じ始めていました。

でも、ここで分からないことをなあなあにし、自分を騙しているようでは、わざわざ私がここまで来た意味がないじゃないか。

そう思った私は、「仕事内容をちゃんと理解しないと今日一日、ここでは生きていけん」と焦る気持ちを落ち着かせ、同じグループの人に何度も質問させていただきました。お2人とも快く答えて下さったし、また2人に話しかけるハードルが下がって安心感も覚えたおかげか、その後落ち着いて仕事ができました。

今までの自分は、焦ると頭が真っ白になり、考えもなしにただ人に頼る癖がありました。
しかし今回の自分は、焦る感情に流されず、やるべきことを自分なりに考えてから動くことができたと思います。

ただ、この変化はボランティアに参加したから生まれたのではありません。
ボランティア以前から、留学に向けた準備段階から留学中に至るまで、自力でどうにかしなきゃいけない場面を何度も経験してきました。おそらく、そのような経験を積む度に、自分の行動が少しずつ変わってきたのだと思います。
今回のボランティアを通して、その変化に改めて気づくことができました。

また、年上の方と交流する機会が多かったことも、新鮮で面白かったです。

年上の方と組ませていただいたので、グループで仕事をする時はもちろんそうですが、20分程の休憩をとった際も、そんな機会がありました。その日は天気が良かったので、同じグループのおばあちゃんと別グループのおじいちゃんと3人で、会場外の芝生に座り、春の暖かな陽射しを受けながら、のんびりとお喋りを楽しみました。

また、フレンドリーな方が多く、初対面の私やビブスを取りに来た大会参加者に対しても、まるで既に友達だったかのように接して下さいます。参加者と冗談を交わし、楽しそうに話されていることもよくありました。

さらに、話をしていると、「今までこんなボランティアに参加したんよ」とニコニコしながら教えて下さる方や「他にも面白そうなボランティアあったよ」とわざわざ紹介して下さる方もいらっしゃいました。

このように、一緒に働くボランティア参加者の人たちの姿を見ていると、楽しいからボランティアをやっているんだな、ということを改めて思い知りました。

そんな皆さんの働きぶりを見ると、一緒に働いてる私まで元気をもらうこともあり、あっという間に5時間半が過ぎていきました。

ボランティアを終えた後も、「楽しかったなー!参加して良かった」と思えている自分がいました。

1. ボランティア 2(Red Cross)
2つ目のボランティアは、Red Cross(赤十字社)が運営するリサイクルショップ店での仕事です。

寮から40分程かけて行く住宅街の中にあるお店で、住民の方から寄付された物を売っています。服がお店の半分を占めていますが、他にも鞄や靴、アクセサリー、本や子供用の玩具まで、本当に色んなものが売られており、行くたびに店頭に並ぶものが少し変わっているので、それを楽しみに定期的に足を運ぶお客さんもいらっしゃいます。

基本的に、1日4時間、週に2日の頻度で働かせてもらっています。

いつもシフトが4〜6人重なっていて、楽しくお喋りをしながら作業することが、ここでの私の楽しみのうちの一つです。

2.a. 仕事内容
私が今までやらせてもらったことのある仕事は、ざっくりとこんな感じです。
・回収ボックスに集まった寄付された物を回収する
・寄付された物の汚れを除く
・寄付された物に値段をつける
・商品に値札をつけ、その商品の値段($)や、何週目に売り出すものなのか(W Code)等、必要なことを書き入れる(写真1)
・売り出す準備ができた商品を店頭に並べる
・お客さんが見やすいよう店頭に並ぶ商品を整える
・レジ業務
・窓に「ボランティア募集」のイラストを描く(写真3)

(写真1:Red Crossで使用されている値札)
(写真2:これまでの窓イラスト)
(写真3:私が描いた窓イラスト)

2.b. 2つ目のボランティアに突きつけられている現実
マラソン大会のボランティアは自分の成長に気づくきっかけとなりましたが、Red Crossでのボランティアはむしろその逆で、自分の課題を痛感することが多いです。

例えば、私の英語力。

このお店は住宅街にあることもあり、お客さんや一緒に働いている人はみんなオーストラリア英語を話します。
ここで働かせてもらうまでは「もう7ヶ月もオーストラリアにいるし、オーストラリア英語にも慣れてきたかな」と根拠のない自信がありました。

しかし、それは全くの誤解でした。

お店にいると聞こえてくるオーストラリア英語が、なかなか聴き取れないことがよくあるのです。

そもそも、私の留学先大学には、オーストラリア人だけでなく本当に様々な国から学生が集まっています。そのため、普段大学で過ごす分には、オーストラリア英語の対策をしていなくても何とかやってこれました。もちろん、たまにオーストラリア英語を話す人の話が聴き取れないことはありましたが、それは単に自分の「リスニング力」がまだ少し足りないんだと思い込んでいました。

しかし、英語ネイティブでも他国出身の人には聴き取れないことがあるくらい、オーストラリア英語はとてもユニークな英語です。
にも関わらず、私が今までやってきた英語の勉強は、ほとんどがアメリカ英語対策で、オーストラリア英語対策ではありませんでした。

ネイティブでも聴き取れない英語が、対策もなしに英語学習者の私に聞き取れる訳がなかったのです。

「もう留学の終わりが見えてきているというのに、私の英語力はまだまだなんだ」とショックを受けました。しかし、それと同時に「このままグズグズしている訳にはいかない、帰国までに絶対もっと上達させてやる」という気持ちも沸々と湧いてきたのです。

オーストラリア英語に少しでも早く慣れるためにはどうすればいいのか。

今までの勉強方法を見直し、新しい方法で、今もずっと勉強を続けています。最近は、その成果の現れか「今の英語、聴き取れた」と実感する場面が増えてきました。自分の課題に正面から向き合うのはちょっと辛いですが、その分、克服できていると感じられると喜びもひとしおです。

(ではオーストラリア英語が一体どんなものなのか、ということについては、今後のブログで取り上げたいと思います!)

ただ、マラソン大会とRed Crossのボランティアには、共通する部分もありました。
それが、ボランティアをしている方は、それが楽しいからやっているということです。

Red Crossで3年、5年とボランティアを長く続けている方にその理由を聞くと、皆さん口を揃えて「楽しいからね」とおっしゃいます。

確かに、そう答えて下さった方は皆さん、お客さんと楽しそうに談笑したり、店の裏側で作業をしながら働く人同士で冗談を言い合ったりされていて、店内には常に温かい空気を感じています。それを見るたび、恵まれた環境で働かせてもらえて、やっぱり自分はラッキーだな、と思うのです。

実際にやってみた今、思うこと
2学期に挑戦した2つのボランティアについて書かせてもらいましたが、どうでしたか。
「ボランティア」と聞くと、「社会貢献のため」とか、「大きな意義をもつ社会活動」とか、そういう近寄り難くお堅いイメージを持つ人もいたかもしれません。
しかし、今回紹介してきたように、実際はもっとフランクで、意外と楽しいものなんです。

また、「無償で働いている」と言うと、え〜大変だね、と言われることがありますが、むしろ私は働かせてもらえていることに感謝しています。
一度説明してもすぐには理解してくれない、英語の拙い外国人である私に、現地の人と一緒に、しかも楽しく働かせてもらうという貴重な機会をいただいているからです。

お金が目的ではないということもあり、善意のある優しい人、色んな人に会うことを楽しめるフレンドリーな人がボランティア参加者には多いということも、特徴の一つです。

新しい人と出会ったり、新しい経験をしてみたかったりする人には、ボランティアに参加することを是非オススメします。

次回のブログは、そもそもオーストラリアに住む留学生の生活って、どんなんなん?という疑問をテーマに綴ろうと思います。

では、また1か月後のブログでお会いしましょう。さようなら〜



参考文献
2021(令和3)年度日本人学生留学状況調査結果:独立行政法人 日本学生支援機構
https://www.studyinjapan.go.jp/ja/_mt/2023/02/date2021n.pdf

Chevron City to Surf For Active
https://perthcitytosurf.com/#:~:text=Thank%20you%20to%20the%20nearly,with%20disability%20here%20in%20WA.

初めてのワーキングホリデー:一般社団法人 日本ワーキングホリデー協会
https://www.jawhm.or.jp/step1.html


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