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Global Journey Blog vol.4 -池上結
こんにちは、マイアミ留学中の池上結です。
8月から始まった留学も3か月が経ち、生活にも慣れてきました。今回はそんな中ふと決まったバハマ旅行のお話をしたいと思います。
バハマ旅の経緯
”なぜバハマ?”その経緯を説明するため、まずは改めてマイアミの地理についてご説明できればと思います。
マイアミはアメリカ南東部フロリダ半島の南部に位置します。
温暖な気候であり避寒地としても栄えていますが、南米・カリブ海諸国との貿易やクルーズ船の玄関口となっています。
ヒスパニック系の移民も多く、キューバやジャマイカ、ベネズエラやコロンビアなどのさまざまな文化がみられます。
異なる国同士の食文化が融合し、街ではラテン音楽が流れ、人口の3分の2はスペイン語を話す、そんな多様で豊かな都市です。
こうした土地柄で過ごす中でマイアミ周辺の国に興味を持ち、どこか行ってみたいなと思うようになりました。
しかし社会情勢が不安定であることから、安全に旅ができない地域が意外と多くあることを知りました。
出会ったエクアドルやジャマイカの方にも”私の国に行くのは安心して送り出せないな”と言われることもありました。
そうした政情も考慮したうえで、比較的治安が安定しており、ビーチの美しさとカラフルな街並みが魅力的なバハマへの旅行を計画しました。
バハマってどんな国?
フロリダ半島から800キロ。マイアミからは飛行機で約30分でした。
約700の島から成り立っていますが、実際に人が住んでいる島は30ほど。
周りの海は汚染の影響を受けておらず、透き通った美しさを保っています。
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今回はバハマについて3つのテーマでお話したいと思います。
1.観光で栄えるリゾート地
2.カリブの海賊の本拠地、ナッソー
3.バハマで生きる文化
1.観光で栄えるリゾート地
1950年頃政府による5500万ドルという莫大な投資により、大型クルーズを迎える港やホテルなどの観光施設が整えられました。セレブの別荘地としても人気を集めるなど、リゾート地として栄えてきました。
しかしその一方で、街の中心部では決して華やかとは言えない古いコンクリートの建物が並び、子供たちが商売の手伝いをする様子も見られました。観光業で発展していても、地域経済への還元には課題があると感じました。
今回私たちは首都であるナッソーに4日間滞在することにしました。
バハマに来て”まさにリゾート地だ…”と感じたのは、ビーチを見た時でも大きな港を見た時でもなく、宿泊したホテルの豪華さにありました。
ホテルはビーチのそばにあり、レストランやショッピング街、ジャズバーからカジノまで、さまざまな施設が併設されていました。
となると宿泊費はとても高くなりそう...そう感じていましたが、施設の豪華さに比べ、値段は高すぎない印象でした。
というのもホテルは周辺施設での利益を見越しており、より多くの方に滞在してもらえるよう宿泊費は安く設定する、というのが経営方針の一つということを授業で学びました。
宿泊費は安く抑え、ホテルのサービスや食費を使いすぎないようにすることを意識して過ごしました。ホスピタリティの授業での学びが活きた瞬間でした。
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①ジャークチキン(ジャマイカ料理ですが、現地では昔から楽しまれていると聞き注文。韓国の友達は平気な顔して食べてましたが、私は半泣きでした。辛すぎました。)
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②ラムケーキ(特産のラム酒を使ったケーキです。味が何種類もあって、私はココナッツ味を食べました。甘すぎずしっとりしていて美味しかったです。)
2.カリブの海賊の本拠地、首都ナッソー
今では豊かな自然が残るリゾート地ですが、17〜18世紀には「カリブの海賊」の本拠地でした。
パイレーツオブカリビアンです。本物の海賊がいた地域と聞くとワクワクします!
”海賊”というと海の荒くれ者というイメージがあると思いますが、実際は少し違っていた時期もありました。
16世紀の大航海時代、スペインやポルトガルがアメリカ大陸で得た富を船で運ぶようになり、弱小国であったイギリスやフランスが、海賊を用いて船を略奪するようになりました。
17世紀になると各国は「私掠状」を発行し”法的に”略奪を認め、海賊たちはナッソーを拠点に宝を奪い続けました。
しかし18世紀になると、私掠制度の取り締まりが厳しくなり、海賊たちは行き場を失ってしまいました。本物の荒くれ者となってしまったのです。ナッソーは彼らのアジトとして「海賊共和国」とも呼ばれ、有名な海賊たちが活躍したようです。
現在ナッソーでは、当時の海賊の生き様を伝える博物館やもともと収容所だった図書館など、海賊にまつわる施設も見ることができます。
街並みからは当時の様子を感じる事ができませんでしたが、海を眺めて海賊船をイメージしたり、海賊の子孫がいるのかなと考えたりするのは楽しかったです。
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最高60キロの水上バイクで自由に海上を走りました。
サンゴ礁に突っかかったりもしましたが凄く爽快な体験でした。
3.バハマで生きる文化
1718年にイギリスの植民地となってから約250年がたった1973年、バハマは正式にイギリスから独立し、今年で50周年となる独立国家となりました。
ツアーガイドの方からは、独立前や新たな国家としての取り組みについてお話を伺うことができました。
この方は、今でも有効なイギリスとバハマどちらのパスポートも所持しているそうです。
幼少期の教育ではBritish Englishを教わりましたが、独立後に創り出したBahamian Englishを使い、自身のアイデンティティとして大切にしているそうです。
実際に現地の方が話すBahamian Englishは特徴的で、独特なリズムがあるように感じました。
また、特有の言い回しとして
“een notin” :”ain’t nothing”(何もしない)
”Terreckly” :”Directly”(すぐに)
“Ma bey” :”my boy” (友達や仲間を指す)
などの表現があるそうです。
また、ガイドさんから独立後の取り組みについてもお話があり、
国旗や国歌の制定、無料の医療制度や充実した教育体制、文化・芸術の形成に力を入れるなどの、さまざまな面での試みについても知ることができました。
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(ホラ貝などの貝を加工したお土産物が並んでいました。)
美しく豊かな自然、海賊の遊び場でもあった歴史ある土地、バハマ。
今回の旅で、島の歴史と希望ある一国の取り組みについて学ぶことができました。
温暖な気候と透き通った海、陽気な人々と多様な文化が交じり合う美しい国でした。
今度はナッソー以外の島を訪れてみたいです。
次回は留学前半が終わるという事で、これまでを振り返ってみようと思います!
ではまた来月お会いしましょう!