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メジャー独り言 ep.1 ソト、ベリンジャー、WBCなど

新しい試みとして、ドジャース以外でMLBの話題を触れてみようと思います。選手の評価、MLB制度、アナリティクスなど様々な事項に触れていきます。

触れてほしい話題があれば質問箱までお寄せください


フアン・ソト獲得戦線

11月中盤に獲得希望チームとの面談を繰り返していたソトですが、正式オファーを受け入れる段階に入ったようです。
NJ.comのRandy Millerによれば正式オファーを出したのは5球団。
メッツ、ヤンキース、ドジャース、ブルージェイズ、レッドソックスです。
ソトは大谷の7億ドル契約を目指しているとされています。加えてこれ以降運命を共にする球団がどのようなチーム哲学、選手育成能力を持っているかを重要視しているようです。

資金力、現有戦力、将来性(プロスペクト)、選手育成の面でざっと評価してみるとこのような感じになります。やはりベストはドジャースで、すべての面で優秀です。しかしNY2球団を抑えるオファーを提示することはないでしょう。
NY2球団は共に資金力ではトップクラス。現有戦力でもトップ10に入るモノを持っています。ヤンキースはルーク・ウィーバークレイ・ホームスに代表されるリリーフ育成が得意。メッツは実績は少ないですが、オーナーであるスティーブ・コーエンの下で育成機関を着々と築き上げています。
大きく分かれるのがプロスペクトの層で常勝軍団のヤンキースは多くのトレードで枯渇している一方で、メッツはシャーザー、バーランダーなどを放出した際に得たプロスペクトが順調に育っています。

レッドソックスはハイメ・ブルーム前GMの下でコストカットを進め、そろそろエンジンを始動させようかと言う時期に入っています。メジャーレベルにはジャレン・ドゥランラファエル・デバースなどのコアが、マイナーにはTop100に入るプロスペクトが6人います。掘り出し物のイメージは無いので、上下の波が大きくなりそうなのが難点かもしれません。

サプライズチームがブルージェイズですが、ゲレーロJr.、ビシェットが来季終了後にFA、Top100プロスペクトに1人、掘り出し物を見つける実績もほとんどありません。おそらく昨年の大谷マネーをソトに回しているのでしょうが、野球チームとしてのブルージェイズにあまり魅力がありません。

最終的にはNY2球団に絞られ、ほぼ無限の資金を持つスティーブ・コーエンと名門ヤンキースを18年間率いてきたハル・スタインブレナーの戦いになり、コーエン率いるメッツがソトを獲得するでしょう。

ベリンジャー販売中

カブスが半分不良債権となっているベリンジャーをトレードしたがっているようです。ベリンジャーが向こう3年にわたって保証されている金額は$80Mです。
2019年MVP受賞者のベリンジャーはその後成績が急降下。昨年打率.307、OPS.881と成績をいくらか戻し、カムバックプレイヤー賞を受賞しましたが、今季は打率.266、OPS.751と微妙な成績に終わっています。
fWARで2.0程度の選手に年俸$27.5Mだとかなり割高です。おそらくトレードするにしてもプロスペクトをつけるか、年俸の大半をカブスが負担する形になるでしょう。
ちなみに聞かれそうなので答えておきますが、ドジャースとベリンジャーが再会する可能性はかなり低いです。前述の通りベリンジャーを受け取る球団にはメリットがほぼゼロです。

WBCに大谷・山本は参加するか

日本球界ではプレミア12が終わり、本格的にオフシーズンに入ったでしょうか。国際大会と言えば2026年にはWBCが、2028年にはロサンゼルスオリンピックが開催されます。
早速、メジャーリーガーの参加が様々なメディアで予想されていますが、参加は五分五分と言ったところです。
大谷は10年契約の3年目、山本は12年契約の3年目で残り契約は2人合わせて約6億3800万ドルとなります。大谷の二刀流と言う要素、山本の投手という要素が入ると保険料が高くなることが予想され、そのリスク/コストを嫌ったドジャースが参加見送りを推奨する可能性があります。
それでも2人とも日本代表には思い入れがあるはずですから、参加を強く要望するでしょうが、可否は交渉次第といったところです。
また、参加できてもドジャースの最優先事項はあくまでシーズンにありますから大谷の二刀流制限や山本の球数制限など多くの足かせが課されそうです。
MLB選手が参加しづらいのはやはりかけているコストが桁違いであることが大きな理由です。ざっと計算したところ2023年WBC内野陣にかかっているコストは日本代表が1573万ドルに対し、アメリカ代表は5億2374万ドルでした。桁が違いますね。

年俸情報 Fangraphs、 gurazeni.com

ホワイトソックス大丈夫ですか?

USA Todayのボブ・ナイチンゲールによれば今オフ、ホワイトソックスが放出したい選手であるルイス・ロバートJr.の見返り要求は依然高いようです。

ちょくちょくルイス・ロバートは獲得しますか?と聞かれるのでロバートの価値を見てみます。
ロバートが最も活躍したと言える年は2023年で打率.264、38HR、OPS.857の成績を残しています。守備でも価値を生める選手であり、この年はOPS8割台でもMVP投票11位に入っています。
ここまで聞くと何で獲得しないんだよとなりますが、ロバートの問題は稼働率にあります。2021~2024年で162×4=648試合が開催されていますが、ロバートが出場できたのはその63%にあたる411試合のみです。さらに100試合に出場した24年シーズンはOPS.657と不振に陥っています。
マイク・トラウトのように出場すればMVP級の成績を出せる、というのであればプロスペクトと交換してギャンブルしようか、ともなりますが、試合に出ない & 成績も下がっているの2つの理由からロバートは獲得対象となりません。
逆にホワイトソックスは契約が1年残っているロバートを早いところ売り払って少しでもプロスペクトを回収した方が良いと思うのですがね。

パドレスはどこへ向かうのか

ドジャースファンの私がパドレスの未来を話すのも変な気がしますが。
パドレスは現在非常につらい位置にいます。
先ずは多くの大型契約です。(AAVで計算)

33歳 マニー・マチャド 9年$286.2M
33歳 ザンダー・ボガーツ 9年$228.6M
26歳 フェルナンド・タティス Jr. 10年$242M
31歳 ジェイク・クロネンワース 6年$68.4M
38歳 ダルビッシュ 有 4年$72M

これ以外にもジョー・マスグローブやロバート・スアレスなどの契約が今後パドレスのペイロールに乗っていきます。今季の贅沢税対象ペイロールは既に$244Mで基準値を上回っています。前オーナーのピーター・サイドラー氏が亡くなって以降、新たなオーナーグループはサイドラー氏ほどの積極的な補強姿勢を見せておらず、コストカットの動きがあるかもしれません。
さらにTop100プロスペクトも2人しかいません。21年にダルビッシュ、スネル、マスグローブを乱獲した際のプロスペクトもすぐさま補充しているので、パドレスの驚異的な育成力をもってすればすぐに復活するかもしれません。
(ジェイソン・アダム、タナ―・スコットを乱獲した際にはいいなぁと思ったものですが、リリーバーにプロスペクトを差し出すのも考え物ですね。)



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