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【LAD】トミー・エドマンと契約延長
ドジャースは日本時間11月30日にユーティリティープレイヤーのトミー・エドマンと5年7400万ドルで契約延長したと発表しました。
The Los Angeles Dodgers have agreed on a contract extension with IF/OF Tommy Edman for five years for $74M through the 2029 season with a club option for the 2030 season.
— Los Angeles Dodgers (@Dodgers) November 29, 2024
契約の全容は以下の通りです。
基本契約 5年(2024-29)7400万ドル($74M)
・6年目チームオプション $13M
・契約金 $17M
・契約のうち、$25Mを後払い。契約終了5年後に支払い開始
--------------------年別支払い額---------------------
1年目 契約金$17M + 基本給$5.8M = $22.8M
2 基本給 $5.8M
3 基本給 $5.8M
4 基本給 $5.8M
5 基本給 $5.8M
6 チームオプション $13M or バイアウト $3M
契約終了5年後から10年間 $2.5M/年
後払いによる現在価値 $13M × 5 = $65M
ドジャースでUTLと言えば近年三振マシーンになってしまったクリス・テイラーが挙げられますが、彼が31-35歳シーズンに結んだ4年$60Mと比べると、インフレを踏まえれば若干安いくらいかなと思います。テイラーより守備力が高く、さらに長打偏重・多三振の選手ではないのであまり不良債権化することはないと考えています。
あらためてトミー・エドマン
エドマンは来季がメジャー6年目の現在30歳の選手で、前述のとおりどんなポジションでも守れるユーティリティープレイヤーです。
またどんなポジションでもレベルが下がらない選手で、ポジション別OAAを見ると
3B +8 (2019)
2B +13 (2021)
SS +11 (2022)
2B +8 (2022)
CF +5 (2023)
となっています。2021年には2Bでゴールドグラブ賞を受賞しました。
打撃面では20HRに到達したことがないパワーのない選手ですが、空振り/三振が少なくボールへバットを当てることが非常に上手い選手です。プレーオフでみられたようにバントなどの小技もできる野球IQの高い選手です。
2022年のエドマン同僚で通算700HRを放ったアルバート・プホルスはTDLでエドマン移籍後ドジャース3塁ベースコーチのディノ・イーベルに電話でこのように伝えたと言います。
“He’s fundamentally sound, he makes the routine play, he knows how to run the bases, he can bunt, he can hit-and-run, and he’s got the talent to be on a championship-caliber team and to win a World Series.”
エドマンは基礎がしっかりしている。ルーティーンプレー、走塁、バント、ヒット&ランすべてできる。彼は優勝チームに所属しワールドシリーズに勝つだけの才能がある。
Perfect bunt by Tommy Edman scores another run for the Dodgers
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) October 10, 2024
📲 Watch in 4K on the FOX Sports App: https://t.co/ByGyjB4zM1 pic.twitter.com/j1OTFQb405
アンドリュー・フリードマンの狙い
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長年ドジャースを影で支えてきたのはクリス・テイラー、キケ・ヘルナンデスなどを代表としたUTLプレイヤーとその他の選手が持っている守備万能性です。
例えばマックス・マンシーはSS以外の内野をすべて守れますし、ムーキー・ベッツも近年内野に顔を出しています。
これによりロースターの柔軟性が高くなり、トレードデッドラインでの補強や故障者が出た際の対応を容易にしています。
2024シーズンはテイラー、キケが33歳以上となり、打撃面でも平均を大きく下回る成績を残したことで新たなユーティリティー選手を探す必要がありました。そこで新たなUTLプレイヤーとなるエドマンを獲得することができました。
エドマンは25年シーズン終了後にFAでしたから、ここで契約延長をすることで比較的安く抑えることができました。
また、現状の25年予想打線の中で5番以降の下位打線に注目するとマンシー、エドマン、ラックス、パヘス、アウトマンとなりますが、ラックス以外は多四球・多三振・長打向けのスタイルです。コンタクト能力の高いエドマンはそこに良いテイストを加えそうです。
エドマンとテイラーの比較
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テイラーの魅力はUTL性と20HRを打てるパワー、選球眼でしたが、21年オフに4年契約を結んで以降は三振マシーンとなってしまいました。三振の対価であるはずのパワーにおいても平均打球速度、最高打球速度が年々低下していき25年はDFA候補となってしまいました。一方で守備面では24年のArm Strength 88.4、Sprint Speed 28.1と基礎能力は保たれており、UTL選手として残しておいてもそれほどの損失にはなりません。
代わってエドマンの魅力はUTL性とコンタクト能力です。パワーと違い体の強さは必要ありませんから、打撃センスさえ保たれればエドマンはテイラーより長く活躍できそうです。テイラーのように基礎能力が落ちなければ守備面でも貢献を期待できます。
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