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【LAD】ドジャースのオフ 中間報告③ 質問回答編 キケヘル、ラックスなどなど


今後の補強について

Q. フラハティ―の再契約は?

https://www.latimes.com/sports/story/2024-10-24/jack-flaherty-locals

A. ほぼゼロ
ドジャースの先発投手陣は既にメジャーレベルに6人、マイナーレベルに4人を抱えており、これ以上の先発補強を必要としていません。
チームの功労者かつ生けるレジェンドのクレイトン・カーショウ、マイナー契約でチーム側に降格権がある佐々木朗希の獲得をまずは最優先としています。

また、佐々木朗希の獲得に失敗した場合に先発のデプスを確保するために適当な1年契約で選手を連れてくる可能性はあります。
しかしDET/LADでキャリアを立て直した29歳のフラハティ―が更なる1年契約を結ぶ可能性は低いでしょう。事実MLB.comのマーク・ファインザンドによればブルージェイズ、カブス、ジャイアンツ、タイガースがフラハティ―に興味を示しており、そんな中で1年契約を結ぶメリットはありません。

Jack Flaherty Stats (Fangraphs)

Q. キケ・ヘルナンデスの再契約は?

A. クリス・テイラー(1年$13M+$4Mバイアウト)とどちらをとるか
成績は若干キケの方が上ですが、右打ちのユーティリティーと言う点でテイラーと役割がダダ被りです。キケを獲るなら高い確率でテイラーとの交代です。

超三振マシーンになってしまったテイラーにトレードチップとしての価値はほぼゼロです。この場合来季報酬と26年オプション破棄のバイアウトを合わせた$17Mをドジャースが全額負担することになるでしょう。
これによりキケ自身の報酬($5Mくらい?)と合わせたキケの調達コストは約$22Mとなります。いくらキケが功労者でファンウケが良いからと言って、良くてリーグ平均程度しか打たないユーティリティーに$20M以上かけるとは思えません。(ドジャースならやりかねないが…)
KBOから加入したキム・へソンもスーパーUTLを担うとされているので、残念ですがキケ再契約の可能性は非常に低いと言わざるを得ません。

Q. ブレント・ハニーウェルの再契約は?

A. マイナー契約ならOK。若手枠の面でもメジャー契約なら微妙
 プレーオフで負け試合を耐え忍ぶ役割を任されたスクリューボールの使い手ハニーウェルはドジャースによってノンテンダーされFAとなっています。
プレーオフでの活躍により株を上げてしまい(?)メジャー契約を出す球団が現れそうです。
マイナーリーグオプションが残っていないハニーウェルはメジャー契約すると自動的にアクティブロースターに置く必要があるため、リリーフ層が厚いドジャースには置く場所がありません。
リリーフデプスとしてのマイナー契約なら枠はあるので、ハニーウェルがそれでも良いというのであれば再契約はあると思われます。

Q. 60日故障者リストで空く5,6枠をどのように活用するか

A. 半分使って半分放置くらい

ドジャースロースター構想


現在、ドジャースの40人枠はキム・へソンの加入ディエゴ・カルタヤのDFAによりちょうど40人となっています。
スプリングトレーニングが始まると故障者リストが解放され、今季半休以上が確定している
カイル・ハート (TJ手術、シーズン終盤or絶望)
リバー・ライアン(TJ手術、シーズン絶望)
エメット・シーアン(TJ手術、シーズン終盤)
ギャビン・ストーン(肩手術、シーズン絶望)
ブルスダー・グラテロル(肩手術、シーズン後半)
の5人は遅かれ早かれ40人枠にカウントされない60日故障者リストに登録されるため、その分ロースター枠が空くことになります。
空いた枠の一つはカーショウに消費され、カーショウの回復具合によってはカーショウの枠も空きます。
結局5or6枠が空くわけです。
これをどのように使うかですが、
1. プロスペクトをメジャーデビューに合わせて登録しておく
2. デプスリリーバーを戦力補強で登録
3. 放置

この3つの使い道があります。
1. プロスペクトをメジャーデビューに合わせて登録しておく
ドジャースのNo.1とNo.3プロスペクトであるC/LFドルトン・ラッシングSS/3Bアレックス・フリーランドは25年シーズン中のデビューが予想されています。
その他にもMLB.comによれば2025年デビュー予想には
UTL オースティン・ガシアー 3A
右先発投手ジャレッド・キャロス 2A
左先発投手マダックス・ブランズ A+
右先発投手ピーター・ヒューベック 2A
の4人が載っています。(+佐々木朗希も)
既に3Aに到達しているラッシング、フリーランド、ガシアーの3人はスプリングトレーニング試合の成績によっては40人枠登録される可能性があります。

https://www.latimes.com/sports/dodgers/story/2022-07-21/ucla-pitcher-jared-karros-dodgers
ドジャースレジェンド/解説者エリック・キャロスの息子ジャレッド


2. デプスリリーバーを戦力補強で登録
ドジャースは既にメジャーリーグキャンプに4人の投手(+1人の内野手)を招待しており、この中で使える人をメジャー登録するでしょう。特にカージナルスで291登板したベテランリリーフのジオバニー・ガエゴスはその筆頭候補です。

3.放置
長期離脱者を60日故障者リストに登録しなければならない、というルールはないので、10,15日故障者リストに登録しアクティブ・ロースターから外したうえでの放置も可能です。
プロスペクトを40人枠に登録した上でマイナーに落とすとマイナーリーグオプションを消費し始めますし、トレードの際にもメジャー登録しなければならないので価値が下がります。
デプスピッチャーも登録したら外す措置は面倒なので、ギリギリまで様子を見るでしょう。

Q. ルイス・カスティーヨ⇔ナック+ラックスのトレード

A. 可能性は非常に低い

https://www.si.com/mlb/mariners/news/seattle-mariners-reportedly-frustrated-at-potential-trade-returns-for-starting-pitcher-luis-castillo

先発投手の価値が高騰している今オフにおいて、デプス先発+リーグ平均内野手程度でカスティーヨは獲れないです。
打線をアップグレードしたいマリナーズがエースのカスティーヨを出すならマックス・マンシー+αくらい差し出さないと厳しいと思います。

そもそもドジャースには追加で$72.45Mを使ってまで先発補強をする理由がありません。この後カーショウも契約しますし、佐々木朗希が加入すれば尚更です。

Q.マンシー、テイラーの2026年球団オプションは行使するか?

A. マンシーは6割方行使、テイラーは8割方破棄
マンシーについては2025年シーズンの成績次第といったところ。24年は右斜筋の故障で73試合のみの出場だったため、将来の予想はしづらいですが、BB%、MaxEVなどにものすごい衰えは見えないため、25年は25HRくらい打ってくれると思います。成績が急降しない限り26年オプションも$10Mと格安なので、迷わず行使はできそうです。
テイラーは既にトレード/DFA候補。ドジャースはテイラーの試合への姿勢などを気に入っているらしく、チームを9シーズン支えた功労者として今季中の放出はなさそうですが、契約が終了する26年以降はキープする理由がほぼありません。特にエドマン、キムが加入したのでテイラーのUTL性の需要は急降下しています。オプション行使費 マイナス バイアウト = $12M - $4M =$8Mのコストをドジャース側がどう考えるか

Q. ギャビン・ラックスをどうするか

A. わからん

https://ftw.usatoday.com/lists/dodgers-gavin-lux-reaction-to-max-muncy-homer

2024年シーズンのラックスは前半戦と後半戦で「別人じゃねぇか」というほどの成績向上を見せました。
オールスター前: 77G .213/.267/.295 wRC+ 60
オールスター後: .61G 304/.390/.508 wRC+ 152
(ラックスがwRC+ 152って夢があるなぁ)

ドジャースとしては後半戦ラックスが2025年も続くことを信じて、キム、エドマンを獲得したうえで、ベッツを負担の大きいショートに動かしてでも2Bラックスをキープしたいと思っているのでしょう。SSラックスはラックスの送球難から難しいと思われます。
2021年にラックスと同様に脚部を大怪我したロナルド・アクーニャJr.は復帰年となった2022年にOPS.764でしたが2023年にはOPS 1.012と超復活を遂げリーグMVPに輝きました。
ドジャースはこの例を踏まえてラックスが手術後の脚部と適応するのを待っているのかもしれません。
いずれにせよ結果を出さなければラックスのドジャースでの時間は夏までとなるでしょう。明らかな悪手であるSSベッツを正当化するだけの結果をラックスが出さなければ新加入のキム起用やSSロハス、2Bベッツ、UTLラックスのような配置転換が待っています。

Q. カルタヤ vs フェドゥーシャ

A. 守備力と選球眼の違い?
元全体14位プロスペクト
であるカルタヤのタダ放出(=DFA)は少々驚きでした。しかしここ1,2年のカルタヤ不振ぶりとマイナー降格オプションが残り1だったことを踏まえると、正直放出は既定路線でした。
超有望株時代に課題とされた三振数の多さはほとんど改善せず四球数は低下。それを上回るだけの長打や守備力がつくわけでもない。
数年前にルール5ドラフト対策でメジャー40人枠に登録されていたことも悪さをしました。マイナー契約であれば急ぐ必要はありませんが、メジャー枠に入っているとなるとどうしても競争に勝ち抜く必要があります。
一方で残されたフェドゥーシャですが、マイナー3A&メジャー両方のレベルでBB%14.0以上三振率20%近辺と選球眼が良く、総合的な打撃も3AwRC+117とまずまず。キャッチャー守備の評価も高く、Fangraphsのスカウティングレポートでは20-80スケールで60の評価です。しかも総合評価ではカルタヤが45に対し、フェドゥーシャは40とそこまで差はありませんでした。
守備力を求められるバックアップキャッチャーとしては天井は高いかもしれないが不安要素が多すぎるカルタヤより、守備・打撃で最低限の仕事はしてくれそうなフェドゥーシャの方が良いと判断されたのでしょう。

Q. ダスティン・メイの将来

A. 投げてくれないことにはわからん

Dustin May Stats
先発でStuff+120はロマンの塊

投げれば明らかなエース級となれるのに、そうはならないでお馴染みダスティン・メイさんですが、この才能を活かすためにブルペン転向論も飛び出しています。身体を守るためにもう最初からブルペンに回してしまえと個人的には思っています。
メイの身体の弱さはドジャース側も重々わかっており、補強姿勢からして明らかに戦力計算には入っていません。投げてくれればラッキーのような感じ。

Q. テオスカーと契約してコンフォートはいらないのではないか

A. 必須ではないが必要。最低限外野両翼の対右プラトーン
ドジャースフロントは頻繁に「ラインアップを長くする」と発言しており、テオスカーが契約したあとのコンフォートはこれが良く当てはまります。
確かに外野のベテランプレゼンスという点ではテオスカー加入でコンフォートはいらないかもしれません。しかしwRC+112以上の打者は24年ドジャースでも5人しかおらず、打線のアップグレードにはなります。
最低でも右投手が打てないパヘスと対になるプラトーン要員。コンフォートに左投手が打てるのであればRFテオスカー、LFコンフォートのレギュラー形成となる可能性もあります。(打球指標も良いしね)

2024年を振り返って

Q. デビュー組の評価

アンディ・パヘス(23年全体81位評価) 

https://www.latimes.com/sports/dodgers/story/2024-05-04/rookie-star-andy-pages-angels-dodgers-trade

評価はB-
デビュー直後の4月は55打席でOPS.847、いったん降格して再昇格した後の8,9月もOPS8割以上を記録。特に左投手に対してはめっぽう強く、OPS.916を記録しました。
将来に向けてもパーセンタイルがMax打球初速81%、バレル率73%に乗るなど良い兆候が見え、スピード・守備力でも光るものがあります。2023年でマイナー3Aで見せたBB%25.0をメジャーでもやってくれよと思うので、もっと伸びるといった期待を込めてB-。

ランドン・ナック(23年球団20位評価)

https://www.latimes.com/sports/dodgers/story/2024-07-23/landon-knack-young-pitchers-dodgers-giants

評価はB+
球団別でも20位以下評価のプロスペクトをメジャーで70回近く食える投手にできたとはまさにドジャースの投手育成・運用システムの賜物と言ったところ。トレーニング施設のTread Athleticsに通っているのも良かったようです。

フラット&ホップ量の多いフォーシームとジャイロスライダーを活かすためにも制球力を磨いてほしいですね。どちらもど真ん中に集まることが多く,
強打される原因になっていました。

将来的にはトレードチップ候補か先発4,5番手が天井となりますが、頑張ってほしいものです。

ジャスティン・ロブレスキー(23年ランク外、24年球団別6位)

https://www.sportingnews.com/us/mlb/los-angeles-dodgers/news/justin-wrobleski-stats-dodgers-red-sox-mlb/e3aea454faf7410db3ec778b

評価はB+。
前年プロスペクトランク外が先発投手としてメジャーデビューしただけで結構すごい事です。左腕としては速い平均95マイルの速球と一緒に使える変化球をオフシーズン&3Aでの実戦を通して身に着ければ、将来性は高そうです。
ロブレスキーは故障者続出からの超高速デビューで、キャリアでも3Aで28.0回しか投げていないことから、もう少し様子見と言ったところです。

リバー・ライアン(23年球団別14位、24年球団別5位)

https://www.latimes.com/sports/dodgers/story/2024-07-22/river-ryan-shines-dodgers-giants-recap

評価は保留。20.1回でトミージョン手術となってしまったので、本番は復帰後から。
将来的にはボビー・ミラーに次ぐドジャースのエース候補。平均96マイルのフォーシームリーグ平均を軽く超えるスライダー、カーブ。
平均程度の制球力さえつけば絶対にエースになれる。

その他

Q. ビューラーに残ってほしかったか

A. 人としては残ってほしかったが、防御率5点台の先発として見るとそうでもない
コーリー・シーガーやトレイ・ターナーと違いビューラーは移籍前最終年の成績が明らかに悪く、来季戦力として計算できるかは微妙なところでした。ビューラーのキャリアのためにも他チームへ行って違う空気を吸った方が良いと思います。
ファンとしてはもちろんTJから完全復活して6年契約かなんか結んだ方が良かったですけど。

Q. 好きな選手

A. ニッチなところを攻めるとピート・フェアバンクスとジェイソン・アダムの超ショートテイクバックが好きです。

Q. 各種賞の予想

A. 故障を予測できないので賞や順位の予想は嫌いなんですけど、無理やりやるなら
MVP
NL 大谷 (二刀流が安定稼働すれば)
AL ウィット Jr. (ジャッジが衰えそうなので次点のスーパーSSを)

CY賞
NL グラスナウ or スネル(フルシーズン投げてね)
AL
 元気ならマクナラハン、安定をとるならギルバート
WS優勝
ドジャース

Q. 大谷の後払い批判は嫉妬か

A. 結局各チームの経済状況格差の問題に戻るのでは?と思う。嫉妬かどうかは知りません。

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